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(公開日:2013.01.08)
新報告書「私たちの世代で貧困に終止符を」発表(2013.1.8)

?2030年までに極度の貧困を終わらせるための計画を!?

子ども支援の国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレンは、新報告書「私たちの世代で貧困に終止符を」を発表し、2030年までに世界中の全ての国が極度の貧困に終止符を打つための新目標について提示しました。国連ミレニアム開発目標(MDGs)に継ぐ新たな目標について、具体的な指標を掲げる本報告書の発表は、国際社会でも迅速かつ画期的な課題提起となります。(詳細末尾参照)

本報告書によると、今後20年間に何百万人もの人たちの生活を改善し、極度の貧困を終わらせることは達成可能になりつつあるとされています。その一例として、5歳未満の子どもの死亡数は1990年は約1,200万人でしたが、2011年は700万人以下まで減少しました。また、1999年から2009年までの間、新たに約5,600万人の子どもたちが初等教育に就学できるようになりました。

一方、極度の貧困を終わらせるための過程において、新たに策定される新目標の中に不平等解消への取り組みが欠如している場合、進展は非常に遅いものになると懸念されています。また、同目標の中に多くの目標を詰め込みすぎると、最小の共通目標策定で終わるほか、国連における細分化された手間のかかる政治的プロセスが貧困を終わらせるための障壁になるとも報告されています。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長 ジャスミン・ホイットブレッド(Jasmine Whitbread)は、「私たちは貧困の破壊的なサイクルに終止符を打つための歴史的な機会を得ています。これらの野心的かつ達成可能な新たな目標に全力を注ぐことで、私たちは極度の貧困を永遠に終わらせることができる世代となります」とコメントしています。

セーブ・ザ・チルドレンは国連ハイレベルパネル(諮問委員会)に対し、2030年までに極度の貧困を撲滅する新たな計画を採択し、同パネルの影響力を発揮するよう求めていきます。ハイレベルパネルはスシロ・バンバン・ユドヨノ・インドネシア大統領、エレン・ジョンソン=サーリーフ・リベリア大統領、およびデイビッド・キャメロン英首相が共同議長を務めており、日本からは菅直人元総理大臣が参加しています。今年1月下旬には2015年に達成期限を迎えるMDGsを継ぐ新たな枠組みの構築について議論する予定です。

セーブ・ザ・チルドレンの新報告書「私たちの世代で貧困に終止符を」は以下をご参照ください:
報告書本文(英文)
報告書本文(和文)


ポスト2015年開発枠組みにおける新目標
セーブ・ザ・チルドレンの提案


目標1  2030年までに、包摂的成長と働きがいのある人間らしい仕事により極度の貧困を
          根絶し、相対的貧困を削減する

目標2  2030年までに、飢餓を根絶し、発育阻害を半減させ、持続可能な食料、水、衛生    
          設備への普遍的アクセスを確保する

目標3  2030年までに、予防可能な乳幼児と妊産婦の死亡をなくし、すべての人に保健医  
          療を提供する

目標4  2030年までに、すべての子どもが質の高い教育を受け、優れた学習成果を得られ    
          るようにする

目標5  2030年までに、すべての子どもがいかなる暴力からも解放された生活を送り、紛    
          争下では保護され、安全で家庭的な環境で成長できるようにする

目標6  2030年までに、より透明で、説明責任を果たし、包摂的なガバナンスを実現する

目標7  2030年までに、より多く効果的な資金活用のための強固なグローバル・パート
          ナーシップを構築する

目標8  2030年までに、災害に強い社会を構築する

目標9  2030年までに、すべての人にとって持続可能で、健全かつ強靭な環境を確保する

目標10 2030年までに、すべての人に持続可能なエネルギーを供給する


写真:バングラデシュ・南西部の都市クルナの小学校で学習するヴォクティくん(5歳)。
同小学校の校舎はセーブ・ザ・チルドレンが建設・運営している。
(c) GMB Akash/Panos Pictures

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