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(公開日:2015.03.18)
【第3回国連防災世界会議】 山田町子どもまちづくりクラブの外舘さんによるスピーチ全文 (2015.03.18)

子ども支援専門の国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:上野昌也/専務理事・事務局長:千賀邦夫、以下SCJ)は、国連児童基金(UNICEF)およびパートナーNGO(チャイルド・ファンド、ワールド・ビジョン、プラン)とともに、3月17日(火)14:00−15:30に実施される第3回国連防災世界会議・本体会議分科会(Working Session)「Children & Youth “Don’t Decide My Future Without Me”(仮訳:子どもとユースと共に築く未来)」における、子ども代表2名による発表を支援しました。




子ども代表2名のうち1名は、岩手県山田町在住で、山田町立豊間根中学校3年の外舘ひなた(そとだて ひなた)さん(15歳女性)。2012年7月より、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが子どもたちとともに実施する「山田町子どもまちづくりクラブ」で活動し、地域の声を集め、子どもの視点から町の復興整備事業対するアイデアを提案しました。2013年夏には、神戸で阪神淡路大震災からの復興・まちづくりについて学び、その後、神戸の事例を参考に山田町の地域活性化カルタを作成しました。防災に関する国際会議のための国内ワークショップにも継続的かつ積極的に参加し、岩手県・宮城県・福島県の子どもたちと共に世界の防災について考え、意見をまとめました。

外舘さんは、12日から行われた子どもたちの活動に、宮城・福島県の子ども代表2名とインドネシア・ペルー・モンゴルの子ども3名ともに参加。国内外の子どもと防災に関する経験や活動の共有や政策決定者へ訴えたいことを話し合いました。これらの活動を通じて、また自分自身の経験などを踏まえ、スピーチを作成。17日に発表しました。スピーチ全文は以下のとおりです。




スピーチ後、笑顔を見せる外舘さん



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岩手県山田町出身の外舘ひなたです。

東日本大震災により私の町は津波だけではなく火事の被害にも見舞われました。4年たった今、かさ上げ工事も少しずつ進んでいます。


私は、津波の来ない、海から離れた地域に住んでいます。当時、多くの方々が自分たちの地域に避難してきました。いろいろな物資が来て、停電や、お店が開いていなくて困っていた私たちも、生活に必要な物資を受け取りに避難所へ行きました。その時、私たち「津波の被害にあわなくて家が無事だった人たち」は、「津波の被害にあって、家を失い避難してきている人たち」にこう言われました。「あなたたちは家が残ってていいじゃないか。どうして物資をもらおうとするんだ?」と。すごく辛かったのを覚えています。


私は小学5年生から高校生が復興に向けて活動する山田町子どもまちづくりクラブに所属しています。母がこのクラブを知っていて、活動報告会に連れて行ってくれたのがきっかけでした。


その頃の私は母のように他の被災者から石をなげられるんじゃないか、また差別的な目で見られるんじゃないか、そんな恐怖に押しつぶされ、あまり家からでなくなりました。自分と同じくらいの人たちが町の復興について考え、県や国に意見を伝えていると聞いたとき、すごいと思ったと同時に、「私も町の復興について話し合い、意見を出したい」、「ここしかない、ここなら自分を変えられる。震災としっかり向き合っていける」と思いました。


実際に入って、いろいろなことについて話し合いました。例えば、山田町の良さを知ってもらおうと町民みんなで作った「山田町カルタ」は、大会を開けば大盛り上がりで大成功でした。これらを通して、子どもまちづくりクラブのメンバーも増えるなど、嬉しいこともありました。

また、はじめの頃は行政との連携もまだできていませんでした。でも、自分たちで復興整備事業に対する提案を模型にし、町長さんに実際に説明しました。 今では、町長さんや商工会長さんなどの協力で、町の復興計画の中に取り入れる施設の企画・デザインを進めています。


震災当時、「子どもだから言わなくていい、知らなくていい」。おとなにそういわれて意見を口に出来なかった子どもたちが多かったと思います。自分たちの意見を聞いてもらえなくて、役に立たないのかなーと思ったし、おとなに全て任せておけばいい、とまちの復興や、自分の地域に関心がなくなってしまいました。何も知ることが出来なくて、不安になって辛かったです。


私は行政をはじめとするおとなに子どもが復興に向けたまちづくりに参加できる機会やきっかけの提供を求めます。なぜなら、被災した時、子どもの立場はどうしても低くなってしまい、なかなか自分たちから意見を出すことができないからです。私が今子どもの意見を行政やおとなの人に発信できているのは、セーブ・ザ・チルドレンジャパンの協力があったからです。


子どもだからこそできることがあると思います。子どもの力をおとなに認めてほしいです。子どもがおとなから学ぶことがあるように、おとなが子どもから学ぶこともあると思うのです。

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以上

【本件に関する問い合わせ先】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 担当:松永
携帯:080-2568-3144080-2568-3144 / メール:matsunaga.yuka@savechildren.or.jp
TEL:03-6859-0011 / FAX:03-6859-0069
URL:http://www.savechildren.or.jp



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