(公開日:2024.03.27)経済的に困難な子育て世帯への中高入学に関する給付金申請時アンケート調査
子ども支援専門の国際 NGOである公益社団法人「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京都千代田区)は、経済的に困難な状況にある子育て世帯を対象に、中学・高校の入学に関わる費用の一部を支給する「子ども給付金〜新入学サポート〜」を行っています。
この度、2024年1月に受け付けた同事業の申請時のアンケート調査結果を発表します。
国内で子どもの貧困が社会問題となり、また物価高騰も背景に、全国47 都道府県の1,255 人への調査では、経済的に困難な状況にある世帯において卒業・入学にかかる費用が家計に大きな負担を及ぼしている状況が明らかとなっています。
◇卒業・新入学準備で用意が難しい費目、「制服代」が75%超と最多。新高1年の半数は「パソコン・タブレット代」
◇卒業・新入学準備にかかる費用の捻出について、6割以上が「他の生活費を削る」予定と回答 また、約3割が「借入」で工面予定(家族・親族・友人・知人からの借入やクレジットカードによるキャッシング、銀行・消費者金融などからのカードローンを利用予定)
◇「他の生活費を削る」予定と回答した世帯の64.4%が「親自身の食事量を減らしている」と回答
◇「卒業・新入学準備にかかる費用を借入などで捻出する予定」と回答した世帯のうち、借入金額について新高1の半数以上(53.5%)が「11万円以上」と回答
◇申請者のうち8割以上が「ひとり親世帯」と大多数
本調査は、経済的困窮に加え、障害や疾病、ヤングケアラー、在留資格が不安定など、生活上特定の困難がある子育て世帯の生活状況や、卒業・入学にかかる保護者の経済的負担感などを把握することを目的に実施。有効回答数は、期間中に申請のあったうち回答が確認できた1,255 人(保護者または親族、教員、支援団体などの支援者が回答)です。
■アンケート調査結果報告書はこちら:https://bit.ly/3IUAIPM
中高での私費負担軽減や高校入学準備金の創設を国・自治体に提言
調査結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、困難な状況にある子どもの“学ぶ権利”を保障するため、【1】学校指定品以外の選択を可能にし、価格の見直しを 【2】新入学にかかる費用の支援制度の拡充 【3】高校入学前の準備金の創設、この3点を国や関係省庁、自治体に対し提言していきます。
本調査では、子どもの卒業・入学時の費用を捻出するために、子どもの生活や学び、成長に必要なものを買い控えているという状況が見られました。借入の利用を予定している場合は、その額が高額となり、長期に渡る返済が必要となっている状況も見受けられます。
入学時の重い家計負担が、子どもが安心して学び・育つための環境に負の影響を与えていることは明らかです。
Q.どのような費用を用意することが難しいですか。(必須・複数回答)
Q.あなたの世帯では卒業・新入学準備に必要な費用をどのように捻出する予定ですか。(任意・複数回答)
【調査対象】 「子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」申請者
(2024年4月に中学校や高校等に進学予定の子どものいる世帯、対象条件あり)
【調査方法】 申請時にオンラインフォームへの回答
(オンラインでの申請が難しい世帯については一部郵送で受付) (最終的な人数は変動の可能性有)
【実施期間】 2024年1月10日〜1月26日
※給付金申請時に回答、フォームへの入力が一部だった場合2月8日まで受け付けた回答もある
【有効回答数】 1,255人(きょうだいでの申請の場合は、それぞれで回答)
アンケートについては、保護者または支援者(親族、教員、支援団体など)が回答
【実施概要】 特定の生活上の困難があり、かつ経済的にお困りの世帯で、当会が定める申請条件を満たす世帯を対象
に、中学・高校の入学に関わる費用の一部を支援しています(子ども1人につき、中学入学時 3万円、高
校入学時に 5万円支給)。返還の必要はありません。東北地域で就学支援のため2016年に開始し、2022年からは対象地域を全国へ拡大。これまでに、のべ、4,216人が同給付金を利用しています。
【受給者数】
(16-21年) 2,606人 ※岩手県山田町・宮古市、宮城県石巻市の東北地域
(22年) 631人(574世帯)
(23年) 979人(882世帯)
(24年) 定員 新中学生400人、新高校生600人
※対象条件に基づき審査を行った上、給付金を提供(24年3月中旬から順次給付開始)
【詳細URL】 https://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=4327 (※申請条件ほか詳細)
【参考情報】「子ども給付金 〜新入学サポート〜」利用者向けアンケート調査 過去の結果
(2022年度) https://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/3843/1668668278132.pdf
この度、2024年1月に受け付けた同事業の申請時のアンケート調査結果を発表します。
国内で子どもの貧困が社会問題となり、また物価高騰も背景に、全国47 都道府県の1,255 人への調査では、経済的に困難な状況にある世帯において卒業・入学にかかる費用が家計に大きな負担を及ぼしている状況が明らかとなっています。
◇卒業・新入学準備で用意が難しい費目、「制服代」が75%超と最多。新高1年の半数は「パソコン・タブレット代」
◇卒業・新入学準備にかかる費用の捻出について、6割以上が「他の生活費を削る」予定と回答 また、約3割が「借入」で工面予定(家族・親族・友人・知人からの借入やクレジットカードによるキャッシング、銀行・消費者金融などからのカードローンを利用予定)
◇「他の生活費を削る」予定と回答した世帯の64.4%が「親自身の食事量を減らしている」と回答
◇「卒業・新入学準備にかかる費用を借入などで捻出する予定」と回答した世帯のうち、借入金額について新高1の半数以上(53.5%)が「11万円以上」と回答
◇申請者のうち8割以上が「ひとり親世帯」と大多数
本調査は、経済的困窮に加え、障害や疾病、ヤングケアラー、在留資格が不安定など、生活上特定の困難がある子育て世帯の生活状況や、卒業・入学にかかる保護者の経済的負担感などを把握することを目的に実施。有効回答数は、期間中に申請のあったうち回答が確認できた1,255 人(保護者または親族、教員、支援団体などの支援者が回答)です。
■アンケート調査結果報告書はこちら:https://bit.ly/3IUAIPM
中高での私費負担軽減や高校入学準備金の創設を国・自治体に提言
調査結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、困難な状況にある子どもの“学ぶ権利”を保障するため、【1】学校指定品以外の選択を可能にし、価格の見直しを 【2】新入学にかかる費用の支援制度の拡充 【3】高校入学前の準備金の創設、この3点を国や関係省庁、自治体に対し提言していきます。
本調査では、子どもの卒業・入学時の費用を捻出するために、子どもの生活や学び、成長に必要なものを買い控えているという状況が見られました。借入の利用を予定している場合は、その額が高額となり、長期に渡る返済が必要となっている状況も見受けられます。
入学時の重い家計負担が、子どもが安心して学び・育つための環境に負の影響を与えていることは明らかです。
Q.どのような費用を用意することが難しいですか。(必須・複数回答)
Q.あなたの世帯では卒業・新入学準備に必要な費用をどのように捻出する予定ですか。(任意・複数回答)
Q.(「他の生活費を削る」と回答した人のみ)どのように生活費を削っていますか。(必須・複数回答)
本調査結果を受けての国や関係省庁、自治体への提言について
1.学校指定品以外の選択を可能にし、価格の見直しを
制服代、運動着代、パソコン・タブレット代など特に高額となる費目について、指定品以外の選択を可能とすることや、現在指定している学用品の価格が適正かどうか見直すことが求められる。ほかにも、家庭による購入を前提とせず学校で共有化できる学用品はないか点検するなども考えられる。これらは自治体や学校単位ですぐに取り組める内容であり、迅速な対応を求めたい。
2. 新入学にかかる費用の支援制度の拡充
新入学にかかる費用負担軽減の取り組みとして、既存の支援制度を拡充すること。
中学校については就学援助制度の入学準備金の増額、高校については高校生等奨学給付金の増額など、実態に応じた支給金額の見直しが求められる。特に高校については通学費の負担が発生するため、経済的に困難な状況にある世帯を対象とした通学費の支援策を早急に検討すべきである。
3. 高校入学前の準備金の創設
国や自治体による新たな支援として、高校入学前の準備金制度を創設すること。
高校入学にあたっては中学校入学以上に費用がかかり、経済的に困難な状況にある世帯では新入学に必要な費用の捻出が難しい世帯が多い。高校入学前に、こうした世帯への給付を迅速に行うことが不可欠である。具体的な給付額や方法については、文部科学省が実施している『子供の学習費調査』やセーブ・ザ・チルドレンなど民間団体の行う調査を参考にしながら、当事者の実態に即して検討することを求めたい。
本調査結果を受けての国や関係省庁、自治体への提言について
1.学校指定品以外の選択を可能にし、価格の見直しを
制服代、運動着代、パソコン・タブレット代など特に高額となる費目について、指定品以外の選択を可能とすることや、現在指定している学用品の価格が適正かどうか見直すことが求められる。ほかにも、家庭による購入を前提とせず学校で共有化できる学用品はないか点検するなども考えられる。これらは自治体や学校単位ですぐに取り組める内容であり、迅速な対応を求めたい。
2. 新入学にかかる費用の支援制度の拡充
新入学にかかる費用負担軽減の取り組みとして、既存の支援制度を拡充すること。
中学校については就学援助制度の入学準備金の増額、高校については高校生等奨学給付金の増額など、実態に応じた支給金額の見直しが求められる。特に高校については通学費の負担が発生するため、経済的に困難な状況にある世帯を対象とした通学費の支援策を早急に検討すべきである。
3. 高校入学前の準備金の創設
国や自治体による新たな支援として、高校入学前の準備金制度を創設すること。
高校入学にあたっては中学校入学以上に費用がかかり、経済的に困難な状況にある世帯では新入学に必要な費用の捻出が難しい世帯が多い。高校入学前に、こうした世帯への給付を迅速に行うことが不可欠である。具体的な給付額や方法については、文部科学省が実施している『子供の学習費調査』やセーブ・ザ・チルドレンなど民間団体の行う調査を参考にしながら、当事者の実態に即して検討することを求めたい。
「子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」事業、申請時アンケートの概要
【調査対象】 「子ども給付金 〜新入学サポート2024〜」申請者
(2024年4月に中学校や高校等に進学予定の子どものいる世帯、対象条件あり)
【調査方法】 申請時にオンラインフォームへの回答
(オンラインでの申請が難しい世帯については一部郵送で受付) (最終的な人数は変動の可能性有)
【実施期間】 2024年1月10日〜1月26日
※給付金申請時に回答、フォームへの入力が一部だった場合2月8日まで受け付けた回答もある
【有効回答数】 1,255人(きょうだいでの申請の場合は、それぞれで回答)
アンケートについては、保護者または支援者(親族、教員、支援団体など)が回答
【実施概要】 特定の生活上の困難があり、かつ経済的にお困りの世帯で、当会が定める申請条件を満たす世帯を対象
に、中学・高校の入学に関わる費用の一部を支援しています(子ども1人につき、中学入学時 3万円、高
校入学時に 5万円支給)。返還の必要はありません。東北地域で就学支援のため2016年に開始し、2022年からは対象地域を全国へ拡大。これまでに、のべ、4,216人が同給付金を利用しています。
【受給者数】
(16-21年) 2,606人 ※岩手県山田町・宮古市、宮城県石巻市の東北地域
(22年) 631人(574世帯)
(23年) 979人(882世帯)
(24年) 定員 新中学生400人、新高校生600人
※対象条件に基づき審査を行った上、給付金を提供(24年3月中旬から順次給付開始)
【詳細URL】 https://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=4327 (※申請条件ほか詳細)
【参考情報】「子ども給付金 〜新入学サポート〜」利用者向けアンケート調査 過去の結果
(2022年度) https://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/3843/1668668278132.pdf
(2023年度) https://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/4068/169811067445.pdf
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報室
TEL: 03-6859-0011 E-mail: japan.press@savethechildren.org
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報室
TEL: 03-6859-0011 E-mail: japan.press@savethechildren.org