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(公開日:2012.03.07)
「お母さんにやさしい国ランキング」発表、1位はノルウェー、日本のお母さんは30位(2012.5.8)


?「産休の充実」と「男女格差縮小」で北欧レベルのお母さん支援を?

子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは5月8日、「母の日レポート2012 (State of the World’s Mothers 2012)」を発刊し、保健、栄養、教育、政策決定への参加など、世界165か国の母親を取り巻く状況を総合的に考察し、順位付けした「母親指標 (Mother’s Index)」を発表しました。この母親指標は、女性指標(Women’s Index)  と子ども指標(Children’s Index)  のデータをもとに順位が出されています。今年で13回目となる母の日レポートですが、1位はノルウェー、最下位はニジェール、日本は30位でした。例年同様、母親指標の上位には先進国が、下位にサハラ以南アフリカを中心とする開発途上国がランクインする傾向にあります。「母の日レポート2012」の詳細はこちらをご参照ください(英語全文要旨和訳)。

2012年母親指標ランキング 母親になるのに最も適した国



女性指標と子ども指標は下記内容を比較し、順位付けしています。
     【女性指標】
  • 産婦死亡のリスク
  • 現代的な避妊手法の使用
  • 訓練を受けた医療従事者の立会いのもとでの出産
  • 女性の平均余命
  • 女性の正規教育期間
  • 男女間の給与所得の比率
  • 産休・育休制度
  • 女性の国政レベルでの参加率

【子ども指標】
  • 5歳未満の子どもの死亡率
  • 5歳未満の子どもの栄養不良率
  • 就学前教育就学率
  • 初等教育就学率
  • 初等教育就学の男女比
  • 中等教育就学率
  • 安全な水の利用率


昨年から2つ順位が下がった日本ですが、1位のノルウェーとは女性指標において大きく差がついており、特に働く母親へのサポート体制の違いが要因となっています。ノルウェーでは産休が最大46週間まで取得できるのに対し、日本はわずか14週間しか取得できないほか、産休取得中の給与支給額においてはノルウェーが最大100%なのに対し、日本は67%です。また、国会議員における女性の割合においても、ノルウェーは約4割なのに対し、日本はノルウェーの約3分の1にも達していません。その一方で、子ども指標では日本は、5歳未満の子どもの死亡率の低さ、義務教育への就学率の高さにより3位にランクインしています。日本の母親指標を向上させるには、トップ3を占める北欧諸国と同レベルの産休制度の充実や政治参加における男女格差の縮小が鍵となります。

最下位のニジェールは、開発途上国の中でも出産時に医療従事者の立会いが行われることが少なく、妊産婦の死亡率が極めて高くなっています。また、5歳未満の乳幼児の栄養不良率、死亡率ともに高く、母子保健の整備が喫緊の課題であることがうかがえます。とりわけ最上位国のノルウェーと比較すると、妊産婦の死亡率がノルウェーは7,600人に1人であるのに対し、ニジェールでは16人に1人、5歳未満の乳幼児死亡率は、1,000人あたりノルウェーでは3人ですが、ニジェールでは143人と報告されており、過酷な事実が浮き彫りになっています。

今年の母の日レポートでは、5歳未満の乳幼児の死亡原因と大きく関係している「栄養不良」問題を主要テーマとして取り上げ、その対策として、安価かつ有効な取り組みである「Lifesaving Six (生命を助ける6つの方策)」を提唱しています。これは?鉄・葉酸の摂取、?ビタミンAの摂取、?亜鉛の摂取、?生後6か月間の完全母乳、?6-23ヶ月期の補完栄養食の摂取、?石鹸による手洗いや安全な水の使用であり、この包括的パッケージは1人当たりわずか20ドルで実施することが可能です。また、これらの保健サービスをはじめ、母乳育児の推進や抗生物質の投与などを行うコミュニティ・ヘルスワーカーの存在も非常に重要です。しかし、現在世界では100万人以上のコミュニティ・ヘルスワーカーが不足しており、途上国の子どもと母親を守る取り組みが急がれます。



ニジェールに住む生後3か月のサヒナトウ・マハマドウちゃん。
ニジェールでは約300万人の子どもたちが飢餓に直面しており
サヒナトウちゃんも重度の栄養不足に陥っている。
(c)Nyani Quarmyne / Save the Children






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