(公開日:2014.04.08)ルワンダ虐殺から20年:あの時の子どもたちは今「ケーススタディ」(2014.04.08)
?ポラロイド写真が語る物語?
約100万人が犠牲になったアフリカのルワンダ大虐殺から4月6日で20年。当時、親と離ればなれになった子どもたちの家族を探して再会させるために撮影された、古いポラロイド写真を収めた収納ケースの蓋が、20年振りに開けられました。
詳細はこちらのプレスリリースをご参照ください
2014年3月、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフが大人になった子どもたちを訪ね、当時に撮影されたポラロイド写真を見せました。「あの時の子どもたちの今」をご紹介します。
Flodouard家3兄妹の物語
Flodouard家の3兄妹はルワンダ虐殺で両親を失い、孤児院へと連れてこられました。セーブ・ザ・チルドレンの支援によって叔父と再会して故郷の村に戻り、その2年後には長男が両親から受け継いだ土地に家と農場を建て、弟と妹を引き取りました。
次男のCyprienさん(33才)
Cyprienさんは当時13才、現在はルワンダ軍の機械工として働いています。
©Colin Crowley/Save the Children
Cyprienさんが語る自分自身の物語
「この写真を見ると、過去の出来事をありありと思い出すことができます。まだ幼い自分が経験しなければならなかった辛い出来事と、その後に自分が達成してきたことの全てを…。
今、当時の写真を見ながら、子どもの時の自分と今の大人の自分を比べています。難民だった時の辛い経験も、この国に何が起きていたのかも、今でもはっきり覚えています。こうした記憶の全てが、自分の人生やこの国の状況が、以前よりは確実に良くなったのだということを、私に思い出させてくれます。
この写真の中の自分は、これから訪れる困難など知る由ない幸せな子どもでした。子どもの頃というのは、飢えてさえいなければ、この世界に心配ごとなど何もありません。将来を心配するようになった時、人は大人になるのだと思います。」
末っ子のGlorioseさん(25才)
Glorioseさんは当時5歳。故郷の村に戻ってからは兄二人の庇護のもとでひたすら学業に励む日々を送りました。現在はルワンダ大学の農学部で学んでいます。夢は修士号を取得して兄たちを助け、甥や姪たちの学費を援助できるようになることです。
©Colin Crowley/Save the Children
Glorioseさんが語る自分自身の物語
「昔の写真を見ることができてとても嬉しいと同時に、さまざまな感情が湧いてきます。この小さな少女だった時の自分を見て、泣きそうになりました。この当時、誰も幼い私には何が起きているのか話してくれなかったのです。
このポラロイド写真を撮影した時、私はまだすべては上手くいくと思っていました、両親はどこかで生きていて、再会して幸せな人生を送れるのだと無邪気に信じていたのです。私は、国際社会や人道支援組織に対して、あの頃私が経験したような状況下で今を生きている子どもたちを救ってくれるようお願いします。子どもたちは、自分ではどうすることもできない状況の被害者なのですから。」
長男のFlodouardさん(35才)
Flodouardさんは当時15才。家族で暮らしていた村で起きた虐殺で両親を亡くした後、弟と妹を連れて逃げだし、孤児院に連れてこられました。セーブ・ザ・チルドレンの助けで叔父に引き取られて故郷の村に戻り、18才で働き始めました。弟と妹の面倒をみるために学業をあきらめ、コツコツとお金をためて、両親から受け継いだ土地に家と農場を建てました。今では3人の子どもの父親です。
©Colin Crowley/Save the Children
Flodouardさんが語る自分自身の物語
「こうして昔の写真を見ると、自分がこれまでに経験してきたすべてのことを思い出します。また、誰かが私のことを気にかけてくれていることを嬉しく思います。当時、セーブ・ザ・チルドレンが叔父と再会させてくれて、故郷の村に戻れたことに、本当に感謝しています。
それから、弟と妹の幼いころの写真が出てきたことに驚きました。二人はこんな顔をしてたかな?と思うと同時に、写真をよく見れば見るほど、小さかった弟と妹の当時の面影が思い出されて、とても嬉しいです。」