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(公開日:2016.04.04)
モンゴルで、心理社会的サポートを開始:寒雪害「ゾド」、22万人に影響

子ども支援専門の国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(本部:東京都、理事長:深田宏、専務理事・事務局長:千賀邦夫)は4日までに、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(本部:東京都)からの助成をうけ、モンゴルで発生している寒雪害「ゾド」の影響を受ける遊牧民の子どもたちを支援する、新たな活動を開始しました。4月1日から、学校に通うため、放牧生活をする親元を離れて寄宿舎で生活している遊牧民の子どもたちに対する心理社会的サポートを行うと同時に、学校と寄宿舎への支援物資の配布準備を始めています。



「ゾド」とは、夏の干ばつに続き、冬に豪雪や氷点下40度以下の極寒の状況が起きるモンゴル特有の自然災害です。干ばつの影響で牧草が育たず、冬に向けた家畜用の飼料の備蓄が十分にできていない中で寒波と豪雪に見舞われると、家畜は、わずかばかり残った牧草をはむこともできなくなり、家畜の大量死が発生します。この冬に死亡した家畜の数は、すでに36万頭を超えています。この結果、家畜で生計を立てる遊牧民の生活そのものが脅かされています。モンゴル国家危機管理庁(National Emergency Management Authority:NEMA)によると、全国で347ある郡のうち、約60%がゾドまたはゾドに近い状態であると確認されており、全人口の約10%にあたるおよそ22万5千人(6万2,719世帯、うち子どもはおよそ2万8千人)の人々が、その影響下にあるといいます(2016年3月15日時点)。

子どもたちについては、教育面、心理社会面への影響が特に心配されています。ゾドによって家計が苦しくなると、学校を休み、生き残った家畜の世話のために働かざるをえなくなるといった状況が起きると懸念されています。また、家族と離れ、寄宿舎で生活を送りながら学校に通う遊牧民の子どもたちは、心理社会的なストレスを感じたりしています*1。

こうした点を踏まえ、セーブ・ザ・チルドレンでは、親と離れて生活する遊牧民の子どもたちに支援物資を確実に届けるとともに、不安を抱える子どもたちに対して、学校関係者と協力しながら心理社会的サポートを行っていきます。

◆活動内容の概要
活動期間       2016年 4月1日〜2016年6月30日(3カ月)
資金             29,891,397円
支援元          特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム
主な活動内容 1. 学校および寄宿舎への支援物資の配布
                   2. 親と離れて暮らす遊牧民の子どもたちへの心理社会的及び教育面
                  でのサポート

*1 子どもへの教育面、心理社会面への影響
モンゴルでは、2009〜2010年にもゾドが発生し、国民の約28%にあたる76万9000人(217万世帯)に影響を及ぼしました。その際、子どもたちには、不安やストレス、不眠などの深刻な影響が確認されました。

◆セーブ・ザ・チルドレンのモンゴルにおけるゾド被災者支援
セーブ・ザ・チルドレンでは、2016年1〜2月、モンゴル西部において、遊牧民、行政・教育関係者などから聞き取り調査を実施。同年3月には、モンゴル東部で支援ニーズの調査等を行いました。これらの結果から、遊牧民の子どもたちに対する支援が必要であると判断。すでに、遊牧民への現金支給、学校に対する暖房用燃料の支給といった活動を行っています。

本プレスリリースのPDFファイル

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
コミュニケーションズ部広報
TEL: 03-6859-0011




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