(公開日:2019.07.09)イエメン コレラにより半年で少なくとも子ども193人死亡−今年前半で昨年1年間を上回る感染者数に
イエメンで、今年1月から6月までの半年間に、コレラの感染が疑われる人は、15歳未満の子ども20万3,000人を含む43万9,812人に上っています[i]。この人数は、昨年(2018年)1年間に、感染が疑われた人数を超えており、さらに、今年に入ってコレラの感染によって引き起こされた下痢などの症状によって、少なくとも193人の子どもたちが死亡しています[ii]。
イエメンでは、すでに洪水が起こっている地域もありますが、雨季を迎え、さらなる豪雨により水を媒介とする感染症であるコレラの蔓延に拍車がかかる恐れがあります。加えて、コレラによる死亡者数も急増しており、2019年1月から6月の間の犠牲者数は、昨年の同期間の死亡者数の9倍になっており、死亡率は2倍にのぼっています[iii]。
紛争により、イエメン国内の水道や衛生施設といった市民の生活を支えるインフラは機能不全に陥っており、920万人の子どもたちは安全な水が利用できない状況にあります[iv]。また、燃料を安定して手に入れることができないために、下水のくみ上げやごみ収集作業も十分に行えておらず、イエメンの多くの地域で、伝染病やコレラのような感染症の流行の恐れがあります。
さらに、栄養不良の状態にある子どもは、免疫力が非常に低下しており、コレラに感染した場合、栄養状態に問題がない子どもに比べて少なくとも3倍の確率で命が犠牲になる可能性があります。そのため、栄養不良に陥っている子どもたちは、特に、コレラの感染に対して脆弱で、さらに、コレラによって引き起こされる下痢症は、子どもたちの栄養不良の症状を悪化させます。
セーブ・ザ・チルドレンのイエメン事務所代表ターメル・キロロスは次の通り訴えます。
「保健医療サービスの崩壊や不安定な公衆衛生サービスにより、コレラをはじめとする感染症の集団感染が起こっています。また、避難を強いられたり、栄養不良により、人々はますます脆弱な状況に置かれています。イエメン国内にある保健医療施設のうち機能しているのは半数しかなく、残りは閉鎖あるいは、一部しか機能していない状態にあり、国内の保健医療サービスは危機的な状況にあります。
コレラの感染が疑われる患者数は、ここ数週間にわたり比較的安定していますが、この病気は、一定の条件や状況のもとで蔓延するため、雨や洪水によって患者数が急増することを懸念しています。紛争が続く限り、安全な水を届けるための水道システムは機能不全のままであり、イエメンに対する国際社会からの支援は不足するばかりです。私たちができることは、できる限り多くの子どもたちの命をつなぎ続けることです」
セーブ・ザ・チルドレンは、イエメンの紛争地域にある保健施設において、経口補水液の補給や基礎的な保健医療サービスの提供を支援するほか、浄水活動や、コミュニティ内での病気の予防に関する啓発事業も行っています。しかし感染が拡大するコレラから子どもたちを守るためには、紛争終結しかないと、私たちは考えます。
そのため、セーブ・ザ・チルドレンは、すべての紛争当事者に対して、昨年(2018年)12月13日に合意された停戦協定の履行と、永続的な平和を実現するための取り組みを求めています。さらに、コレラのような予防可能な病気でこれ以上イエメンの人々が犠牲になることがないよう、保健医療サービスの再開が今すぐ必要です。私たちは、イエメン政府に対しても、公務員、特にヘルスワーカーと教員に対して、定められた給与を継続して支払うよう求めるとともに、保健医療サービスが持続できるよう保健医療施設への必要人員の配置も求めています。
[i] Cholera Outbreak Monitor (COM), see: http://yemeneoc.org/bi/
[ii] Cholera Outbreak Monitor, see: http://yemeneoc.org/bi/
[iii] According to the COM, the number of suspected cases of cholera in the first six months of 2018 was 93,237 with the number of associated deaths standing at 76. In the first six months of 2019 the total number of cases was 439,812 (about 4.5 times higher than in the same period in 2018, the number of deaths is 695 (nine times higher than in the first half of 2018).
[iv] See https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/2019_Yemen_HNO_FINAL.pdf (p13)
[v] Malnourished children are 6.3x (Severe Acute Malnutrition) and 2.9x (Moderate Acute Malnutrition) more likely to die from diarrhoeal diseases than well-nourished children. See here for more information: http://www.who.int/nutrition/topics/Lancetseries_Undernutrition1.pdf
イエメンでは、すでに洪水が起こっている地域もありますが、雨季を迎え、さらなる豪雨により水を媒介とする感染症であるコレラの蔓延に拍車がかかる恐れがあります。加えて、コレラによる死亡者数も急増しており、2019年1月から6月の間の犠牲者数は、昨年の同期間の死亡者数の9倍になっており、死亡率は2倍にのぼっています[iii]。
紛争により、イエメン国内の水道や衛生施設といった市民の生活を支えるインフラは機能不全に陥っており、920万人の子どもたちは安全な水が利用できない状況にあります[iv]。また、燃料を安定して手に入れることができないために、下水のくみ上げやごみ収集作業も十分に行えておらず、イエメンの多くの地域で、伝染病やコレラのような感染症の流行の恐れがあります。
さらに、栄養不良の状態にある子どもは、免疫力が非常に低下しており、コレラに感染した場合、栄養状態に問題がない子どもに比べて少なくとも3倍の確率で命が犠牲になる可能性があります。そのため、栄養不良に陥っている子どもたちは、特に、コレラの感染に対して脆弱で、さらに、コレラによって引き起こされる下痢症は、子どもたちの栄養不良の症状を悪化させます。
セーブ・ザ・チルドレンのイエメン事務所代表ターメル・キロロスは次の通り訴えます。
「保健医療サービスの崩壊や不安定な公衆衛生サービスにより、コレラをはじめとする感染症の集団感染が起こっています。また、避難を強いられたり、栄養不良により、人々はますます脆弱な状況に置かれています。イエメン国内にある保健医療施設のうち機能しているのは半数しかなく、残りは閉鎖あるいは、一部しか機能していない状態にあり、国内の保健医療サービスは危機的な状況にあります。
コレラの感染が疑われる患者数は、ここ数週間にわたり比較的安定していますが、この病気は、一定の条件や状況のもとで蔓延するため、雨や洪水によって患者数が急増することを懸念しています。紛争が続く限り、安全な水を届けるための水道システムは機能不全のままであり、イエメンに対する国際社会からの支援は不足するばかりです。私たちができることは、できる限り多くの子どもたちの命をつなぎ続けることです」
セーブ・ザ・チルドレンは、イエメンの紛争地域にある保健施設において、経口補水液の補給や基礎的な保健医療サービスの提供を支援するほか、浄水活動や、コミュニティ内での病気の予防に関する啓発事業も行っています。しかし感染が拡大するコレラから子どもたちを守るためには、紛争終結しかないと、私たちは考えます。
そのため、セーブ・ザ・チルドレンは、すべての紛争当事者に対して、昨年(2018年)12月13日に合意された停戦協定の履行と、永続的な平和を実現するための取り組みを求めています。さらに、コレラのような予防可能な病気でこれ以上イエメンの人々が犠牲になることがないよう、保健医療サービスの再開が今すぐ必要です。私たちは、イエメン政府に対しても、公務員、特にヘルスワーカーと教員に対して、定められた給与を継続して支払うよう求めるとともに、保健医療サービスが持続できるよう保健医療施設への必要人員の配置も求めています。
[i] Cholera Outbreak Monitor (COM), see: http://yemeneoc.org/bi/
[ii] Cholera Outbreak Monitor, see: http://yemeneoc.org/bi/
[iii] According to the COM, the number of suspected cases of cholera in the first six months of 2018 was 93,237 with the number of associated deaths standing at 76. In the first six months of 2019 the total number of cases was 439,812 (about 4.5 times higher than in the same period in 2018, the number of deaths is 695 (nine times higher than in the first half of 2018).
[iv] See https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/2019_Yemen_HNO_FINAL.pdf (p13)
[v] Malnourished children are 6.3x (Severe Acute Malnutrition) and 2.9x (Moderate Acute Malnutrition) more likely to die from diarrhoeal diseases than well-nourished children. See here for more information: http://www.who.int/nutrition/topics/Lancetseries_Undernutrition1.pdf
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報
TEL: 03-6859-0011 E-mail: japan.press@savethechildren.org
スポークスパーソンへのインタビューのお申込み(英語)
Walter Mawere Email:walter.mawere@savethechildren.org / TEL:+967736003385
Rik Goverde in London Email:rik.goverde@savethechildren.org / TEL:+44 (0) 7732 602 301
(24時間)Email:media@savethechildren.org.uk / TEL:+44 7831 650409
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