(公開日:2022.11.17)「子ども給付金〜新入学サポート2022〜」調査結果:中1、高1の保護者の約8割が特に負担に感じる費用として「制服代」と回答−全国平均額は中1:7万5,630円、高1:8万9,602円−
子ども支援専門の国際NGO公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:井田純一郎、本部:東京 都千代田区、以下セーブ・ザ・チルドレン)は、子どもの貧困問題解決への取り組みの一環として2022年春に実施した「子ども給付金〜新入学サポート2022〜」利用世帯へのアンケート調査結果を発表しました。
本調査は、経済的困窮に加えて特定の生活上の困難がある子育て世帯の生活状況や就学にかかる費用、また既存の支援制度の利用や保護者の経済的負担感などを把握することを目的に実施されました。
有効回答数は1月から2月の申請時に回答した全国42都道府県の631世帯(人)で、うち約半数にあたる349世帯(人)は、5月に実施した事後アンケートにも回答し、今回はそれらの結果をまとめた内容となります。
調査では、就学費用にかかる保護者の経済的負担が全国的にみられることに加え、制服・運動着代などに地域格差が生じていることも明らかになりました。
■アンケート調査結果報告書(全文)はこちら
<調査結果から明らかになったこと>(有効回答数:349世帯、1と2のみ有効回答数631世帯)
※今回の「子ども給付金〜新入学サポート2022〜」は、子どもや保護者に疾病・障害がある、子どもが家族のケア・世話を担っている、日本語でのコミュニケーションに不自由がある、在留資格がない・難民申請中であるといった世帯を対象としている。(詳細は3ページ目、「参考資料」対象条件Bを参照)。
これらの結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利を保障するために、教育費をはじめとした子どもに関する公的支出を増やしていくことを中長期的に国や関係省庁、地方自治体に求めるほか、喫緊に対応すべき課題として、以下ついての対策を速やかに講じるよう、同様に国や関係省庁、地方自治体に対し提言します。
■提言1:就学にかかわる私費負担についての地域差の実態調査・取り組み事例の共有
■提言2:より困難な状況に置かれた子どもたちの実態の把握、支援の強化
■提言3:就学にかかわる私費負担額軽減のための見直し、就学援助の周知、申請方法の改善・支給金額の増額
■提言4:高校生への経済的支援の拡充―新入学費用給付、児童手当対象年齢の延長
■提言5:高校生等奨学給付金の追加的予算措置、運用方法の改善
<本調査結果を受けての今後の活動>
セーブ・ザ・チルドレンは、本調査結果をもとに、経済的に困難な状況にある子どもや子育て世帯への政策・施策が充実するよう、提言に示した内容を国や自治体に働きかけていきます。また、セミナーの開催や情報発信を通じた社会啓発にも取り組む予定です。2023年1月には「子ども給付金〜新入学サポート2023〜」の募集開始を予定しています。
<セーブ・ザ・チルドレンの日本の子どもの貧困問題解決への取り組み>
セーブ・ザ・チルドレンは2016年から2021年まで、岩手県山田町、宮城県石巻市で給付金事業を実施しました(2020年から岩手県宮古市でも実施)。2021年までに、のべ2,606人の子どもたちに新入学に関わる費用の一部を支援、また、のべ1,278人に高校生活を支えるための給付金を届けました。2022年度からは対象を全国に拡大し、新入学にかかわる子ども給付金事業を継続実施しています。
・2021年度「子ども給付金〜新入学サポート・高校生活サポート2021〜」利用者アンケート調査結果はこちらから
ダイジェスト版
本調査は、経済的困窮に加えて特定の生活上の困難がある子育て世帯の生活状況や就学にかかる費用、また既存の支援制度の利用や保護者の経済的負担感などを把握することを目的に実施されました。
有効回答数は1月から2月の申請時に回答した全国42都道府県の631世帯(人)で、うち約半数にあたる349世帯(人)は、5月に実施した事後アンケートにも回答し、今回はそれらの結果をまとめた内容となります。
調査では、就学費用にかかる保護者の経済的負担が全国的にみられることに加え、制服・運動着代などに地域格差が生じていることも明らかになりました。
■アンケート調査結果報告書(全文)はこちら
<調査結果から明らかになったこと>(有効回答数:349世帯、1と2のみ有効回答数631世帯)
1. 給付金利用世帯の68%が「対象となる子どもか保護者のいずれかに疾病・障害がある」と回答した。※
2. 給付金利用世帯の27.6%が「対象となる子どもが日常的に疾病・障害のある同居家族のケア・お世話をしている」と回答した。※
3. 卒業や就学にかかわる費用について、特に負担を感じる費用として、新入学の中1、高1の保護者の77.5%が「制服代」と回答した。
4. 制服・運動着代について、新入学の中1、高1の全国平均額はそれぞれ7万5,630円、8万9,602円だった。関東地方の平均額は最も高く、全国平均よりも中1で約1万円、高1で1万5千円以上高かった。
5. 就学援助制度を利用していると回答した中1の保護者のうち、68.9%が就学援助制度により学校にかかる費用を 「あまりまかなえていない」または、「まったくまかなえていない」と回答した。
6. 高1保護者の44.1%が、子どもの高校就学について「経済的な理由により高校就学を続けられない可能性がある」と回答した。そのうち、23.7%が「修学旅行費」が就学を継続するにあたって、一番大きな負担となっていると回答した。
※今回の「子ども給付金〜新入学サポート2022〜」は、子どもや保護者に疾病・障害がある、子どもが家族のケア・世話を担っている、日本語でのコミュニケーションに不自由がある、在留資格がない・難民申請中であるといった世帯を対象としている。(詳細は3ページ目、「参考資料」対象条件Bを参照)。
これらの結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利を保障するために、教育費をはじめとした子どもに関する公的支出を増やしていくことを中長期的に国や関係省庁、地方自治体に求めるほか、喫緊に対応すべき課題として、以下ついての対策を速やかに講じるよう、同様に国や関係省庁、地方自治体に対し提言します。
■提言1:就学にかかわる私費負担についての地域差の実態調査・取り組み事例の共有
■提言2:より困難な状況に置かれた子どもたちの実態の把握、支援の強化
■提言3:就学にかかわる私費負担額軽減のための見直し、就学援助の周知、申請方法の改善・支給金額の増額
■提言4:高校生への経済的支援の拡充―新入学費用給付、児童手当対象年齢の延長
■提言5:高校生等奨学給付金の追加的予算措置、運用方法の改善
<本調査結果を受けての今後の活動>
セーブ・ザ・チルドレンは、本調査結果をもとに、経済的に困難な状況にある子どもや子育て世帯への政策・施策が充実するよう、提言に示した内容を国や自治体に働きかけていきます。また、セミナーの開催や情報発信を通じた社会啓発にも取り組む予定です。2023年1月には「子ども給付金〜新入学サポート2023〜」の募集開始を予定しています。
<セーブ・ザ・チルドレンの日本の子どもの貧困問題解決への取り組み>
セーブ・ザ・チルドレンは2016年から2021年まで、岩手県山田町、宮城県石巻市で給付金事業を実施しました(2020年から岩手県宮古市でも実施)。2021年までに、のべ2,606人の子どもたちに新入学に関わる費用の一部を支援、また、のべ1,278人に高校生活を支えるための給付金を届けました。2022年度からは対象を全国に拡大し、新入学にかかわる子ども給付金事業を継続実施しています。
・2021年度「子ども給付金〜新入学サポート・高校生活サポート2021〜」利用者アンケート調査結果はこちらから
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【本件に対する報道関係の方のお問い合わせ・当日取材のお申し込み】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報室
TEL:03-6859-0011 / E-mail: japan.press@savethechildren.org
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