(公開日:2019.03.25)イエメンで紛争が激化してから4年が経過―外国製の爆弾で毎月37人の子どもが死傷
2019年3月26日で、イエメンで紛争が激化してから4年が経ちます。セーブ・ザ・チルドレンは、2018年3月15日から2019年3月15日までのデータを分析した結果、この12ヶ月間に、サウジアラビア主導の連合軍による空爆で、少なくとも子ども226人が殺害され、217人が負傷−毎月37人の子どもが死傷していることが明らかになりました[i]。
入院中のサミールさん(8歳)
入院中のサミールさん(8歳)
さらに、死傷した子どものうち、210人は自宅やその近くにいた時に被害に遭い、およそ150人は避難や移動のため車やその近くにいた時に被害に遭ったことも分かりました。これらの攻撃には、外国政府が同連合軍に販売した爆弾が使われています[ii]。イエメンにおける全ての民間人の犠牲者数は公式には報じられていないものの、実際にはさらに多くの子どもたちが死傷していると考えられます。
イエメンでは、この4年間で、紛争により避難を余儀なくされた人は300万人にのぼり、そのうち半数は子どもたちです。食料やその他の援助物資が人々に届かないために推定2,400万人が支援を必要としており、数百万人の子どもたちが飢餓に陥る寸前にあります。また、この間、1万9,000回以上の空爆があり、病院や学校、インフラを破壊し、子どもたちヘも深刻な影響を与えています。子どもたちが死傷する原因の46%は、空爆によるものです。空爆による攻撃では、多くの子どもたちやその家族が生活する地域に爆弾が落とされるため、一度に何人もの子どもたちが死傷しています[iii]。
セーブ・ザ・チルドレン イエメン事務所代表ターメル・キロロスは、次の通り訴えます。
「人口密集地域での爆発兵器の使用は、そこに暮らす人たちへの無差別攻撃であり、残酷な戦術です。爆弾が自宅に落ちてきた時の子どもたちが感じる恐怖は想像を絶します。子どもたちは、安全を求めて避難している自宅で、あるいは危険から逃れる避難の途中で死傷しています。子どもは誰一人として空爆の恐怖にさいなまれるべきではないにも関わらず、空爆は続き、子どもたちの心身に深い影響を残します」
サミールさん(8歳)は、祖父と一緒に夕方のお祈りから帰宅する途中、ホデイダ近郊の村で空爆に遭いました。手術が必要なほどの重傷を頭部に負い、腕も麻痺したままです。
「ロケットの音が聞こえ、その音が大きく響き渡った直後に気を失いました。父親が救急車を呼び、病院に搬送されました。そして、3日後に意識が回復しました。私は、紛争が終わり、すべてが落ち着くことを願っています」
セーブ・ザ・チルドレンは、サミールさんのように治療や薬が必要な子どもたちを支援したり、精神的な回復を促せるよう専門家による支援を行っています。さらに、安心・安全な空間で遊びや学習などを通して子どもたちの日常性の回復を助ける「こどもひろば」の活動も行っています。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルの事務局長ヘレ・トーニング=シュミットは、次の通り述べます。
イエメンの紛争は、セーブ・ザ・チルドレンの創設者エグランタイン・ジェブが述べた『すべての戦争は子どもに対する戦争』であることの典型例であると言えます。私たちは、子どもに対する攻撃を今すぐ止めるため、すべての紛争当事者に対して国際法を順守するよう求める必要があります。そして、国際法に違反した者に対しては、その説明責任を追及するべきであり、子どもたちへは人道支援を届けなければいけません」
セーブ・ザ・チルドレンは、国際社会に対して、イエメンの紛争に関わる勢力への武器販売を一時的に停止し、強力な監視体制を確立することや、違反行為に対しての説明責任が果たされるように求めています。 さらに、紛争当事者や国連安全保障理事会に影響力を持つ国々は、政治的交渉を進めるためにその影響力を行使することが求められています。2018年12月にスウェーデン・ストックホルムで開催された和平協議での合意は、イエメンの安定に向けた重要な一歩です。しかし、イエメンの子どもたちやその家族の永続的な平和のためには、さらなる進展が必要です。
[i] イエメンの紛争が一般市民へ及ぼす影響についてデータ収集など行っている組織「The Civilian Impact Monitoring Project(CIMP)」のデータを利用
[ii] These are the countries still selling arms to Saudi Arabia By Angela Dewan, CNNGraphics by Henrik Petterson, CNN, Updated 1004 GMT (1804 HKT) November 23, 2018
https://edition.cnn.com/2018/11/22/middleeast/arms-exports-saudi-arabia-intl/index.html
Key US Democrat holds back support for Gulf munitions sales over Yemen
By: Joe Gould, DefenceNews, July 3, 2019
https://www.defensenews.com/congress/2018/07/03/key-us-democrat-holds-back-support-for-gulf-munitions-sales-over-yemen/
[iii] 国連が発表している『子どもと武力紛争に関する年次報告書』2015年、2016年、2017年参照
イエメンでは、この4年間で、紛争により避難を余儀なくされた人は300万人にのぼり、そのうち半数は子どもたちです。食料やその他の援助物資が人々に届かないために推定2,400万人が支援を必要としており、数百万人の子どもたちが飢餓に陥る寸前にあります。また、この間、1万9,000回以上の空爆があり、病院や学校、インフラを破壊し、子どもたちヘも深刻な影響を与えています。子どもたちが死傷する原因の46%は、空爆によるものです。空爆による攻撃では、多くの子どもたちやその家族が生活する地域に爆弾が落とされるため、一度に何人もの子どもたちが死傷しています[iii]。
セーブ・ザ・チルドレン イエメン事務所代表ターメル・キロロスは、次の通り訴えます。
「人口密集地域での爆発兵器の使用は、そこに暮らす人たちへの無差別攻撃であり、残酷な戦術です。爆弾が自宅に落ちてきた時の子どもたちが感じる恐怖は想像を絶します。子どもたちは、安全を求めて避難している自宅で、あるいは危険から逃れる避難の途中で死傷しています。子どもは誰一人として空爆の恐怖にさいなまれるべきではないにも関わらず、空爆は続き、子どもたちの心身に深い影響を残します」
サミールさん(8歳)は、祖父と一緒に夕方のお祈りから帰宅する途中、ホデイダ近郊の村で空爆に遭いました。手術が必要なほどの重傷を頭部に負い、腕も麻痺したままです。
「ロケットの音が聞こえ、その音が大きく響き渡った直後に気を失いました。父親が救急車を呼び、病院に搬送されました。そして、3日後に意識が回復しました。私は、紛争が終わり、すべてが落ち着くことを願っています」
セーブ・ザ・チルドレンは、サミールさんのように治療や薬が必要な子どもたちを支援したり、精神的な回復を促せるよう専門家による支援を行っています。さらに、安心・安全な空間で遊びや学習などを通して子どもたちの日常性の回復を助ける「こどもひろば」の活動も行っています。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルの事務局長ヘレ・トーニング=シュミットは、次の通り述べます。
イエメンの紛争は、セーブ・ザ・チルドレンの創設者エグランタイン・ジェブが述べた『すべての戦争は子どもに対する戦争』であることの典型例であると言えます。私たちは、子どもに対する攻撃を今すぐ止めるため、すべての紛争当事者に対して国際法を順守するよう求める必要があります。そして、国際法に違反した者に対しては、その説明責任を追及するべきであり、子どもたちへは人道支援を届けなければいけません」
セーブ・ザ・チルドレンは、国際社会に対して、イエメンの紛争に関わる勢力への武器販売を一時的に停止し、強力な監視体制を確立することや、違反行為に対しての説明責任が果たされるように求めています。 さらに、紛争当事者や国連安全保障理事会に影響力を持つ国々は、政治的交渉を進めるためにその影響力を行使することが求められています。2018年12月にスウェーデン・ストックホルムで開催された和平協議での合意は、イエメンの安定に向けた重要な一歩です。しかし、イエメンの子どもたちやその家族の永続的な平和のためには、さらなる進展が必要です。
[i] イエメンの紛争が一般市民へ及ぼす影響についてデータ収集など行っている組織「The Civilian Impact Monitoring Project(CIMP)」のデータを利用
[ii] These are the countries still selling arms to Saudi Arabia By Angela Dewan, CNNGraphics by Henrik Petterson, CNN, Updated 1004 GMT (1804 HKT) November 23, 2018
https://edition.cnn.com/2018/11/22/middleeast/arms-exports-saudi-arabia-intl/index.html
Key US Democrat holds back support for Gulf munitions sales over Yemen
By: Joe Gould, DefenceNews, July 3, 2019
https://www.defensenews.com/congress/2018/07/03/key-us-democrat-holds-back-support-for-gulf-munitions-sales-over-yemen/
[iii] 国連が発表している『子どもと武力紛争に関する年次報告書』2015年、2016年、2017年参照
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【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報 太田
TEL: 03-6859-0011 E-mail: japan.press@savethechildren.org
スポークスパーソンへのインタビューのお申込み(英語)
(イエメン) Email:walter.mawere@savethechildren.org
(ロンドン)Email:d.stewart@savethechildren.org.uk
(24時間) Email:contactmedia@savethechildren.org.uk/TEL:+44 7831 650409
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