日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり(公開日:2013.06.07)
三県の子どもたちが参加!第4回防災グローバルプラットフォーム会合Vol.3(2013.06.06)
2013年5月21〜23日までスイス・ジュネーブで国連主催の第4回防災グローバルプラットフォーム会合が開催されました。この防災に関する国際会議に、岩手・宮城・福島県の子どもたち4名も日本代表メンバーとして参加。今回は、前回の世界の子どもたちと参加した事前ワークショップの様子 につづき、本会議でのエネルギーあふれる子どもたちの活動をお伝えします!
■5月21日:世界中の様々なおとなとの対話■
ついに隔年で開催されている防災グローバルプラットフォーム会合がスタート!今回の会議では、2015年に宮城県仙台市で開催される国連防災世界会議で策定されるポスト兵庫行動枠組について議論されるため、世界中から政府・国際機関・NGO関係者等4800名が参加しました。初日ということもあり会場入り口は大混雑でしたが、その様子から子どもたちもこの会議の重要性をさらに感じていったようでした。
午前中は開会式を傍聴後、翌日22日の「子どもと防災(災害リスク軽減):私たちが望む未来」での発表に向けて、子どもたち全員で準備。2011年に策定された子ども憲章の5つの項目に対し、各国の、さらに子どもたち一人ひとりの経験にもとづいた意見を発表するために、スピーチ内容を考え、発表練習をしていきました。
午後は、「学校の安全」に関するサイドイベントに参加。各国の取り組みに関する発表でしたが、通訳を聞きながらメモをとり、サイドイベント終了後も自らすすんでパネラーに質問をしにいく日本代表メンバー。意見交換をおえた後、「パネラーの方が言っていた“経験をこえて伝える”ということがすごく大切だなぁと思います」、「“原発事故は防げたと思いますか?”と聞かれ、中途半端な姿勢でなく本気で話がしたいんだなと嬉しく思いました」との声があがりました。
夕方には、翌日の発表にそなえて準備のあるメンバー2名を残し、他のメンバー2名が在ジュネーブ日本政府代表部岡田大使を訪問。さらに会場入口で仙台市長にも偶然お会いすることができ、東北の子どもたちが作成した提言書を提出しました!
提言書はこちら
■5月22日:世界に向けて子どもの思いや意見を発信!■
翌日は、この国際会議で子どもたちにとってのメインイベント、「子どもと防災(災害リスク軽減):私たちが望む未来」が午後に開催されました。日本代表メンバー2名もカンボジア・ベトナム・レソトの仲間と共に、子ども憲章5つの項目のうち2項目について発表!
“子どもには参加する権利と必要な情報を活用できる権利がある”という項目に関しては、メンバー自身も参加する岩手・宮城県の子どもまちづくりクラブ の活動を紹介し、「子どものうちから参加していれば、大人になった時にも役立つと思います。そこから未来を担う私たちが今後防災に携わっていくべきです。意見を言ったり、行動を起こしたりしたい気持ちは大人も子どもも一緒です。私たち子どもの声に耳を傾けてください。」と訴えました。
“地域の基盤施設は安全でなければならない。また、復旧や復興は将来のリスク軽減につながらなければならない”というインフラストラクチャ―(基盤施設)に関する項目では、メンバー自身の経験から福島における通学路や遊び場における安全性の課題や保養の必要性について語り、「福島県に住んでいる子どもにも安全であるべき学校で安全に勉強が出来るような環境を整えて下さい。福島の子どもたちの健康を守るために世界中の人たちに手を貸して欲しい。最後に福島県の今の状況を変える一歩となるこのような場所に参加できたことを心から感謝しています。」と訴えました。
発表はメンバー2名が代表して行いましたが、その後の質疑応答では他の2名も積極的に発言!東北の子どもたちの声を届けようと、東日本大震災の経験から感じ、考える思いや意見をより多くの人に伝えるために作成した提言書も紹介しました。
本セッションへの参加を終えたメンバーからは、「色々あったけど、子どもたちの想いは精一杯伝えられたし、会場の雰囲気がすごく良かった!!」、「自分の話すことに、ほこりを持って強いメッセージ性を抱きながら聴衆に伝えようとすると、きっと何かは伝えられることができる」、「子どもたちの発表、声に興味・関心をもっている人が大勢いることが、会場に集まった数や歓声や一体感をみて実感できた」との声。
発表後も日本政府代表として参加していた亀岡内閣府大臣/復興大臣政務官との面会、メディアを通じて多くの人に子どもの声を届けたいと、新聞社からのインタビューも受け、長い一日は終わりました。
■5月23日:世界とのつながり■
会議最終日。今日はステージイベントに参加!朝からホテルのロビーで話し合い、会場到着後はさっそく準備。日本代表メンバー4人で協力することで、「練習時間がほとんどなく、正直うまく出来るか不安でしたが、4人で力を合わせてなんとか乗りこえることができました。より提言書をアピールできたのではないかと思います。良かった!!」と、前日の発表に続き、世界に向けて東北の子どもたちの思いや意見を届けることができました。
Ignite Stageの様子はこちら
午後は、各国の子どもたちとこの5日間の振り返り。ポスターやチャート等を使いながら、子どもたち、スタッフ一人ひとりが感じた5日間を共有しました。はじめは言語をはじめ慣れない環境に戸惑い、不安を抱えていましたが、途中から「コミュニケーション能力が異常発達してる」と自分自身の変化も感じていったメンバー。「お別れがすごくさびしかった」、「わずか5日間でも、異なる国から集まった子どもたちとの友情は深められたし、ほんと、みんなで会えたのは“キセキ”だったなあと感じます」と、世界の子どもたちとのつながりを感じ、別れを名残惜しんでいました。
さらに会場を後にしようと出口に向かうと、偶然にもとてもうれしい出会いが。国連事務総長特別代表(防災担当)マルガレータ・ワルストローム氏にも最後に直接提言書を渡すことができ、第4回防災グローバルプラットフォーム会合への参加を終えました。
国際会議という大舞台で、東北の、日本の、そして世界の子どもの代表としてSpeak Outし、相手の声にも耳を傾け、より良い世界の防災に向け活動した子どもたち。本当にお疲れ様でした!
後日、5日間をまとめた動画とともに、帰国後この経験を振り返った日本代表メンバーの声をお届けします。みなさんぜひご覧ください♪
(報告:仙台事務所 津田知子)