日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり(公開日:2011.09.16)
子どもたちに聞きました。3「思いを伝えたい、広めたい!」(2011.09.16)
子どもたちから「まちづくり」について聞き取りを行うHear Our Voice2の活動では、毎回、「まちでいいなと思ったところ」、「まちで不満だったところ、困ってたところ」、「私のまちこうだといいな」の3点を聞いています。
ある中学3年生2人A(男子)とB(女子)に聞き取りをした回では、「意見を伝えること」について、話題が集中しました。
「まちで不満だったところ、困ってたところ」を聞くと、
(A)「変な話、俺子どもだからやけど、やりたいって思っても、それはなに、いかにできるかまで...そこが、で、話したいことがあっても、話す場が実際ないかな。」
という意見。身近な場所、例えば仮設住宅の集会所や、掲示板などを利用したコミュニケーションの場所が欲しいということでした。
それは誰に言えば実現すると思うかと聞くと、「わかんない」という答え。
(調査員)「それじゃあ、そういうのを伝えたりっていうのはどういう風にすれば、うまくいくようになると思う?」
(B)「県のトップの人に言って、そっからまたもうちょっと上に言ってもらえば、やっぱりそういうのかなうんじゃないかなって。」
(A)「一番早いのは、考えを広めることちゃうかな。(中略)そのためにはやっぱり、今言った何個か(仮設住宅や掲示板の利用)あてはまるんだけど、さすがにそれを実現するためのやから...さっきちょっとルールでも言ったけど、*尊重じゃないけれども、尊重しながらじゃないとそういうのは通んない。」
(B)「うん。」
(A)「だから、何々はんたーい!!とかそういう人は通じない。だからそういう言い方じゃなくて、あくまでそれはちょっとした違うことなんだけど、こういうのもありじゃないですかっていうのを伝えるのが一番大切。」
(調査員)「それはA自身が出て、話したい?」
(A)「いや、それは俺じゃなくてもいい。だって同じこと考えてくれたら別にいい。だからそうすれば一番早い。」
(B)「とりあえず今自分たちが...広げるっていうのとかはあんまり...でも本当に自分たちができることって言ったら、細かいことからだと思うし...」
(A)「俺一人がなにか、大きなことを成すっていうよりも、そんなんじゃなくてみんなひとりひとりが考えていく方がよっぽど素晴らしいものが出来る。そのためには考えたことを伝えて、共有することが大切。わかりやすくいうと、なんやろ、いろんな感じのところから、一つの物事が見れるようにっていうか。だから、僕らからすっと、仮設住宅の人たちは、もっといろいろあっから、地震とか怖かったりとか、いろいろそういう問題があっから、それを言いたくてしょうがないと。ところが、反対側のそれをつくった人たちからしたら、頑張ったわけよ。逆に俺らがそっちの方のどんくらい頑張ったかをわかれば、そんなに俺らが言うわけじゃない。」
伝えることの大切さを感じている2人、これからもぜひいろんなところで意見を言って、これからのまちづくりを支えていってほしいなと思いました。
そのために私たちセーブ・ザ・チルドレンは子どもたちに話す場所や機会を提供出来るようこれからも活動していきます。
*本調査では、聞き取りの際に、ルールを設けています。
Aさんがここで言っている「尊重」とは、そのうちのひとつ、「尊重:他の人の意見を否定しない」というルールのことをさしています。