日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり
(公開日:2016.02.25)

山田町まちづくりフォト☆Vol.1

 

2015年11月7日、岩手県山田町にて、震災を風化させないために、子どもたち自ら、写真を通じて復興への思いを東北内外へ発信する活動「山田町まちづくりフォト☆」を実施しました。今回は、UR都市機構の協力のもと、復興工事現場を見学し、撮影した様子をお届けします♪


■震災から4年半!山田の『今』と子どもたちの思い■

「まちづくりフォト☆」はもともと、岩手県陸前高田市子どもまちづくりクラブが、2013年2015年 に「進め!高田っ子!まちづくりフォト☆」として企画・実施した活動です。子どもたちの視点で地域の『今』を発信し、東北内外に届けたことから、その活動を参考に、山田町でも子どもたちの復興への思いを全国へ届けようと実施しました。
岩手県山田町は、東日本大震災の際に、津波だけでなく火事もあり、甚大な被害を受けました。2011年7月から活動する山田町子どもまちづくりクラブ「けっぱれ 山田Toekomst」(通称・KYT)は活動当初から、山田町のことを町内外の人々に知ってもらいたいと願い、これまで山田町を活性化させるキャラクターの「まつしい」 を考案したり、山田の魅力を伝えるため、地域の方々と「山田町カルタ」 を企画・制作してきました。
今回の「山田町まちづくりフォト☆」には、KYTメンバー4名も参加。KYTメンバーが行政や地域の子どもやおとなと企画・デザインに取り組んできた山田町ふれあいセンター(※)も完成間近ということで、KYTメンバー自身が改めて復興に向けて歩むまちの『今』を発信しようと、カメラを手に復興工事現場へ。さらに、放課後児童クラブの子どもたち5名も復興に向けたまちづくりの活動に初めて参加しました!
※これまで(仮称)山田町子ども交流センターと呼んでいましたが、山田町ふれあいセンターに正式名称が決定しました。


■復興の『今』と山田町の魅力を東北内外へ!■

当日は、陸前高田市での実施と同様、山田町でもUR都市機構の職員の方々が山田町の復興整備事業について子どもたちへ説明。さらに、岩手県陸前高田市で「進め!高田っ子!まちづくりフォト☆」を実施した際に子どもたちがもらったフォトジャーナリスト・佐藤慧さんのアドバイスを確認し、いざ復興工事現場へ。



まずは、山田中央団地になる災害公営住宅建設現場、2016年春に開館予定の山田町ふれあいセンター(以下センター)の工事現場へ。センターはKYTメンバーが中心となって地域の方々の意見を聞きながら企画・デザインした、“子どもの居場所”と“図書館”機能をもつ施設。続いて、織笠地区にある高台部へ。戸建の災害公営住宅が建設中で、山田自慢の海が見渡せます。最後は、防災集団移転事業のため山を切り崩し、高台部を整備している現場へ。「山田がすきなので山田のことがもっともっとしれてよかった」と語るように、復興の『今』と山田町の魅力を自分自身の目で確認する子どもたち。



その後は撮影した写真をもとに、メッセージを作成。「山田町の人たちはすごくがんばって、復興された山田町の未来にむけて一歩ずつ進んでいる」「山田町のきれいな海を見ながら働く人たちはすごいな〜。これからもがんばるぞ〜!」と、復興事業に従事する方々への思い。「山田は、自然や人の命を大切にした復興を進めています。活気あふれる町が再びよみがえることを僕たちは願っています」と復興へ向けた期待。「工事や津波で様子が変わっても、海や木、森などの変わらない美しい風景を残していきたいです」という自分自身の決意。子どもたち一人ひとりが『今』だからこそ感じた、大切な思いを写真へ乗せました。



〜参加した子どもの声〜
・「復興をたくさんがんばっている人がいて、やさしいと思った」(小4・女)
・「今日のまちフォトで、素敵な写真や、工事中の貴重な現場を見ることができた。工事現場という所から、山田の美しい海を見ることができた」(小6・男)
・「山田の復興のすすみ具合が分かった」(中1・女)


東日本大震災から間もなく5年。
今回「山田町まちづくりフォト☆」に参加したある子どもは、写真へこのようなメッセージを込めました。「テレビでは被災地のことはなかなかやらず、時たまやる時にもほんの一部の復興した地域しか放送しない。だから、ほとんどの人が復興が進んでいるんだなと思うかも。だけど、実際にはまだまだこれから」。
復興には長い道のりがかかります。これからも東日本大震災を忘れずに、東北の子どもたちの歩みを応援するなど、被災地の外からもできることはまだまだあるのではないでしょうか。


今回撮影した写真はメッセージとともにパネルにまとめて展示したり、インターネットを通じて全国にも発信しています。この機会にぜひ、山田町の子どもたちが切り取った山田の『今』を受け取ってください!


(報告:東京事務所 田代光恵)


 

あなたのご支援が子どもたちの未来を支えます

もっと見る

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的に年次報告書や会報誌をお送りしています。

1回から無理なくご支援いただけます。

PAGE TOP