日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり(公開日:2012.09.07)
子ども参加に関する意識調査2012 Vol.1「子どもたちがもっと活動できる場をつくってほしい」(2012.09.07)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、子ども参加によるまちづくり事業“Speaking Out From Tohoku(SOFT)〜子どもの参加でより良いまちに!〜”の一環として、2012年6月19日から8月1日にかけて、岩手県山田町、陸前高田市、宮城県石巻市の3地域の小学4年生〜高校生を対象に、「Hear Our Voice 7 〜子ども参加に関する意識調査2012〜」を実施しました。
この調査では、昨年の調査 に引き続き、東日本
大震災後の地域の復興に子どもが参加することに
ついて、子ども自身がどのように認識しているかを
把握するために実施し ました。また、子どもが復興
に参加するためには、大人のサポートが必要であるため、大人に対しても調査を実施しました。 その結果、14,600人の子どもたちと5,296人の大人から有効回答を得ることができ、下記のことが明らかになりました。
・「自分のまちの復興に関わりたい」約70%
子どもたちの69.5%が、「あなたは、自分のまちの復興に関わりたいと思いますか?」という問いに「はい」と回答し、復興に関わることへの意欲の高さがうかがえます。(右グラフ)
・「自分のまちの復興のために何かした」約60%
子どもたちの57.5%が、「あなたは、自分のまちの復興のために何かしたことがありますか?」という問いに「はい」と回答しましたが、「何かしたい」と答えた子どもの割合より低くなっています。
・「何をしたらいいかわからない」「かかわる機会がない」
「あなたは、自分のまちの復興に関わりたいと思いますか?」、「あなたは、自分のまちの復興のために何かしたことがありますか?」という問いに、「いいえ」と答えた子どもの理由として、「何をしたらいいのかわからない」「関わる機会がない」という回答が上位を占めました。また、「勉強/部活でいそがしい」などの回答も上位にあがり、震災前の日常性が徐々に回復していることが伺えます。
(「あなたは、自分のまちの復興に関わりたいと思いますか?」に対する「いいえ」の理由)
〜寄せられた子どもたちの声〜
※自由回答より抜粋。誤字・脱字もそのまま転記。
“復興の作業をしている人たちにとてもかんしゃをしています。大きなって少したったらどんな町になっているか楽しみです!”(山田町・小4・男)
“まつばらはもどる”(陸前高田市・小5・男)
“大人が知らない子どもの気持ちや子どもからみた復興、大人と子どもが力をあわせれば、できることは無限大にあるはずです。なので、大人の方は子どもを信用して、復興を目指す仲間に入れてほしいです。”(石巻市・小6・女)
“子どもたちがもっと活動できる場をつくってほしい”(石巻市・高1・女 )
“私達も被災者であるという気持ちをすてて、復興に協力したいので、何かできることがあったら言ってください。” (陸前高田市・高3・女)
“「復興」に無関心な人がいます。あなたではないですよね?”(石巻市・中1・男)
“今の山田町は、本当に復興していますか。私の未来は、どうなっていますか。子どもの意見が、つたわるようになりましたか。”(山田町・中2・女)
→調査概要・結果詳細はこちら
「Hear Our Voice 7 〜子ども参加に関する意識調査2012〜」 (速報)
■地域の復興に向け、子どもたちにもっと参加の機会を!■
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、「復興に関わりたい」と考える子どもたちの声に大人はこたえ、社会が一丸となって、子どもたちに地域の復興に関する情報や参加する機会を提供していく必要がさらにあると考えます。そのため、今後も行政・保護者・地域の方々と連携し、「子どもまちづくりクラブ」をはじめ様々な形で、子どもたちが地域の復興に向けて声をあげ、参加できるように活動を続けていきます。
今回の調査にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。今回の調査で寄せられた子どもたちのすべての声はレポートとしてまとめ、10月中旬以降にホームページにてお届けします。今後も東北の子どもたちの声にぜひ耳を傾けてください。どうぞよろしくお願いいたします!
(報告:東京事務所・長谷川有美子)