日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり(公開日:2015.05.23)
未成年の主張![第6回東北子どもまちづくりサミット〜ぼくらが叶える夢のまち〜」Vol.2(2015.05.23)
全国の子ども82名、おとな131名が参加した「第6回東北子どもまちづくりサミット」。その中で、4年間復興に向け活動してきた(※)子どもまちづくりクラブメンバーが参加者のおとなに向けて訴える“未成年の主張”が行われました。子どもたちはおとなに向けて何を訴え、おとなはどのように答えたのでしょうか?
※サミットオープニング動画「2011〜2013年からの子どもまちづくりクラブの歩み」はこちら
■子どもからおとなへ!おとなから子どもへ!“未成年の主張”■
【国や復興庁へ】
〜高校2年生・女子・石巻市子どもまちづくりクラブ〜
「私は子どもまちづくりクラブに参加して、これからのまちの未来について、深く考えることができるようになりました。さらに、まちの活性化を進めるためには、私たちのあとを受け継ぐ子どもたちが必要です。
だから私は国や復興庁に言いたい!他のいろんな地域でも、子どもまちづくりクラブを行えるように、今日ここであったことを、たくさんの方々に伝えていって欲しいです!」
〜復興庁政策調査官 藤田さん〜
「午前中(みさなんの発表を)聞かせていただきましたけれども、3地域とも本当に思いがこもっていて、しかも、みなさんだけではなくて、行政の方だったり、地域の方だったり、ちゃんと一緒になって結果を出しているって、すごいなと思いました。
これを広げなければもったいないな、しょうがないなと思っています。これを復興庁のホームページに載せたいですね。復興庁が発行しているようなメールマガジンでは当然紹介しますけれども、それではもったいないなと思っています。
今、私はNPOさんとも付き合いがありますので、全国のNPOさんに紹介したいと思います!全国には、東日本大震災からの復興にむけてがんばってくれている民間団体の方がいっぱいいらっしゃいます。そういう方たちに、ここでみなさんががんばっているような取り組みを紹介して、全国でも同じような取り組みが広がって、日本全体、世界全体につながっていければいいなと思っています。」
〜岩手県山田町 鈴木副町長〜
「私は国の役人でございまして、国の立場ということで。子どもたちのみなさんにも、共有できたこと、思い出に残ったことを誰かに伝えていってくれたらいいなと思います。当然我々もそうだと思っていて、私は農林水産省の出身ですが、同期の友だちなど誰かにLINEで、今日あったことをちゃんとお伝えしようと思っています。一緒に頑張っていこうと思っています!」
【教育関係者へ】
〜高校2年生・女子・石巻市子どもまちづくりクラブ〜
「私は、この子どもまちづくりクラブに入って、意見を聞き、話し合いを共有することができました。
だから私は教育関係者の方に言いたい!こういうまちについての話し合いを、もっとしたいです!例えば、学校の総合学習やホームルームの時間に授業の一環として、やれればいいなと思っています。」
〜石巻市教育委員会生涯学習課 武内さん〜
「まさに、意見を吸い上げ、発表する場に総合学習というのがすごくいいんじゃないかなと思っています。もともと中学校で教員をやっていまして、1年ほどまた行政にいて、来年、再来年あたりまた学校に戻っていくかなと思っていますが、そういったところで、ぜひ、こういうことやりたいと。
総合学習の中にそういう計画を盛り込んで、いろんな学校の人に来てもらって生徒会同士交流したり、あと、学校だけではなくて、ジュニアリーダーの人とかが交流して、なんかもっとミックスして総合学習を組んだりできたらいいなと実は思ったりします。ですので、ぜひそういうことができるように、私も修行して、学校に戻って、ぜひつながっていければいいなと思っています!」
【地域の方へ】
〜高校3年生・女子・山田町子どもまちづくりクラブ〜
「私は、子どもまちづくりクラブに参加して、地元に関心をもって、山田を将来支える一人として、山田のことを考え、自分のためにできることを考えて、行動できるようになりました。
だから、地域の人に言いたい!活動を知るだけじゃなくて、私たちと一緒に協力して話し合いをして、もっと子どもとおとなでまちづくりがしやすい環境づくりをしませんか?」
〜岩手県山田町商工会会長 阿部さん〜
「ありがとう。今度山田町にできる(仮称)山田町子ども交流センターも、あなた方と私たちを含めて、いろんな方々が情報交換をして話し合った結果です。それも、あなた方が中心でがんばったおかげです。これからも、それはどんどんやりましょう!
提案があります。今度できる共同店舗のネーミングあるいはキャッチコピー、そういうのをどんどん提案してください。また、新しい商店街ではいろんなイベントもしますが、今までにない新しい子どもの感性にもとづいた提案をして欲しい。そして会議にはぜひ出席してください。がんばりましょう。」
【保護者へ】
〜高校1年生・男子・石巻市子どもまちづくりクラブ〜
「私は子どもまちづくりクラブに参加して、自分から進んで物事が言えるようになりました。
だから親に言いたい!活動に参加するのを、親が勝手に決めるのではなく、私たち子どもを信じて、もっと活動に対して見守って欲しいです。」
〜石巻市子どもまちづくりクラブメンバー保護者 宮本さん〜
「今の声、賛成です!親は、子どもを応援するのは当たり前です。やっていきます!
私もこの東北子どもまちづくりサミットに何度か参加しました。おかげで、子どもを通して、ママ友たちたくさんできました。
きっとお母さん、お父さんたちは、お子さんたちの行動を、応援はできるけど、いろんなことが分からないんだと思う。不安なんだと思う。可愛くて、心配なんだと思う。なので、“僕は、私は、復興のために、まちづくりのために、こんなことをやっているんだよ。だから、お母さんもお父さんも応援して!このサミットに来てみて!僕はこんなに成長したんだよ、私はこんなにできるんだよ”ということを教えてあげて欲しいと思います。
私も何年か来て、本当にいろんなお子さんたちの成長ぶりを見ています。はじめはおどおどしてたお子さんたちが、みんな自分の言葉で、自分の意見を、おとなの前で、大きな声で、堂々と発表しています。とっても素敵ですよね。そんな姿をどの親御さんもきっときっと見たいと思います。
そして、親御さん同士もみんなで繋がって、ここにいるみんなで繋がって、より良い日本がつくっていけたら、それは、一番いいと思います。これからも、応援し続けます。」
【サミット参加者へ】
〜高校1年生・女子・山田町子どもまちづくりクラブ〜
「私は子どもまちづくりクラブに参加して、おとなが応援してくれることがすごく嬉しかったし、自分の意見を発信することができました。
だからサミット参加者に言いたい!子どもの意見を聞くだけではなく、それに対する感想をください。そうすることで、子どもの意見はより良くなります。そして、全国に私たちの意見をどんどん広めてください!」
〜子ども情報研究センター 二葉さん〜
「午前中とっても感激しました。一番思ったのは、子どもの声は本当に形になるな、すごいなということでした。どんどん(子どもたちの声が)まちづくりに生かされていく過程でもすごいなと思ったのが、子どもたち一人一人が、おとなの声も、地域の声も、自分たちの声だけじゃなくて、聞く姿勢を持っている。一人ずつに聞いてくれてるんだから、私たちおとなも、そらしっかりね、聞かなあかんなという責任を感じました。
この5年間のみなさんの実績を、子どもはちゃんとやっていけるよっていうことを、私も大阪に帰って、いろんな冊子やフォーラムで発信していこうと思います。私にも宿題をいただいたので、がんばっていこうと思います!
海外じゃなくて、この日本で、身近に出会えるみなさんが、こういう一歩を踏み出してくださったことが、私は本当に嬉しかったです。」
【震災を知らない人へ】
〜小学6年生・女子・陸前高田市子どもまちづくりクラブ〜
「震災を知らない人に言いたい!震災を忘れないで苦しんでいる人の力になってほしい!
〜沖縄県与那原町あかぎ児童館 仲座さん〜
「私たちは、これで3回目の参加になるんですが、前回行った子たちも、私たちの児童館にあるクラブで、他の子たちにサミットのことを伝えて、震災がを忘れないようにするために活動をしています。3年くらい前には、エコクラブという児童館のクラブで、(子どもまちづくりクラブが制作した)未来新聞の配布もしました。震災を忘れないようにするための活動をこれからも続けていけたらなって思っています!」
【セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンへ】
〜中学1年生・女子・石巻市子どもまちづくりクラブ〜
「私は、この子どもまちづくりクラブの活動で、全国の子どもたちが、意見を発表したり、交換したりできる機会をなくさないで欲しいと思います。
だから、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの人たちに言いたいです!これからも、東北子どもまちづくりサミットを続けてください!」
〜セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン東日本復興支援事業部部長 小出〜
「本当に熱い思いをありがとうございます。セーブ・ザ・チルドレンが一番大切にしている子どもの権利条約でも、子どもたちが意見を言い、そして、社会に参加していく、参加する権利は大切な権利の一つです。
子どもまちづくりクラブのみなさんは、スタッフから聞いているかもしれませんが、セーブ・ザ・チルドレンの東日本大震災復興支援事業は、今年の末で一つの節目をむかえます。
ただ、これまでを振り返ってみますと、子どものみなさんと一緒に積み上げてきたものというのは、本当に大きなものだと思います。これから、今までと同じような頻度でサミットというのは難しいかもしれないですけれども、こういう取り組みが東北だけでなく、国内全体でもやっていけるように、子どもたちの意見を聞いて、それが社会を変える力につながっていく、そういう取り組みを続けていきたいと思います!
どういう形でやっていきたいかということは、逆に私たちの方から、子どものみなさんに意見を聞いてみたいと思っていますので、いろんなアイデアがありましたら、どんどん伝えていってください。」
■子どもたちが声をあげ、社会に参加する!Speaking Out From Tohoku!■
“未成年の主張”で声をあげた7名の子どもまちづくりクラブメンバー。4月の活動で子どもまちづくりクラブメンバー一人ひとりが自分のこれまでの経験から主張を書き、サミット前日に子どもたち同士が投票で選んだ内容を書いた本人が訴えました。
「子どもの意見はわがままだ」「子どもに聞いても分からない」等の言葉が時に聞かれることもありますが、本当にそうでしょうか?セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンはこれまでの取り組みから、改めて“子どもには力がある”“子どもも社会の一員”“子どもはおとなのパートナー”ということを再確認しています。
これからも東北の子どもたちは、地域の復興に向け、声をあげ、社会に参加していきますので、みなさんご協力・応援のほどよろしくお願いいたします。そして、みなさんもご自身の身近なところでぜひ子どもたちの声に耳を傾けてみませんか?
(報告:東京事務所 津田知子)