日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり(公開日:2014.04.09)
第6回アジア防災閣僚会議に子どもの声を!第2回「世界の防災に向けて、私たちが伝えたいこと!」ワークショップVol.1(2014.04.09)
2014年3月30日(日)?31日(月)、宮城県仙台市にて第2回「世界の防災に向けて、私たちが伝えたいこと!」ワークショップを実施し、岩手・宮城・福島県の小学5年生から高校3年生までの計37名が参加しました。6月にタイで行われる第6回アジア防災閣僚会議に東北の子どもの声を届けるために、地域も学年も異なる子どもたち同士が2日間、自分たちの経験をもとに世界の防災について考え、話し合った様子をお届けします!
■子どもの声を世界の防災に!地域は違えど、思いは同じ!■
今回の参加者は、小学5年生から高校3年生と幅広く、初対面の参加者も多かったため、まずは打ち解けるために自己紹介ゲームを実施♪その後、セーブ・ザ・チルドレンの活動紹介や、子どもまちづくりクラブのメンバーによる活動紹介、また2012年7月の世界防災閣僚会議、同年10月の第5回アジア防災閣僚会議、2013年5月の第4回防災グローバルプラットフォーム会合に参加した代表メンバーからの報告が行われました。
続いて、防災に関する国際的な行動計画が新たに策定される2015年3月の第3回国連世界防災会議(仙台にて開催)までの流れを確認した後、いよいよ話し合いがスタート!!2011年3月11日の東日本大震災発生以降の自分自身の経験をもとに、“震災による子どもたちへの影響”について話し合う子どもたち。話し合いの結果でてきた、子どもたちの関心のあるテーマは、“子どもの居場所”、“子どもの意見”、“子どもの健康”、“防災教育”、“心のケア”、“情報公開”の6つ。そこで今度はテーマごとに分かれて、“震災による子どもたちへの影響を減らすためにされた/されなかった取り組み”について話し合いを行いました。
「同じ経験をした人がいたから話しやすかったし、話せた。(宮城県・小6・女)」、「いままで自分の意見を直接率直に言える場がなかったから、みんなが真剣に考えていて、こういう場ってすごくたのしいしおもしろいなーと思いました!(宮城県・中3・女)」、「今まで他の友人に言えなかったことも、同じ志を持っている者同士話し合えた。(宮城県・中3・女)」など、いままで中々話すことができなかった自分の思いや意見を伝えることができる話し合いの場となったようでした。
また、「『まだ震災はおわっていない』ということ。3県の小中高生の話を聞いて、いまだに困っていることがたくさんあることがわかった。」(福島県・中3・男)」、「各県によって考え方は違うけど、良くしたいという思いはいっしょだった(宮城県・高2・男)」など、お互いの地域の現状を共有するとともに、より良い防災に向けて何かしたい!という思いは共通なのだということを実感する場となっていたこともうかがえました。
■世界の防災に向けた取り組みをより良くするために、子どもたちが考えるアイデア■
2日目は、1日目の話し合いをもとに、ワークシートを使いながら各テーマについて“自分が総理大臣だったら、何をするか?”話し合い、発表!
“子どもの居場所”グループでは、「高い所に公園を作ることをします!高い場所に公園を作れば、つなみがきたときでも、公園が高い所にあるからすぐにげられるし、公園にもっと遊具をたくさん作って、自然があふれる遊び場があればいいと思います。知らない子どもたちと公園でであって楽しく、笑顔に遊んでくれればいいと思います。(宮城県・小6・女)」、“防災教育”グループでは、「世界防災子ども機関をつくります!なぜなら、今、子どもがきちんと発言力を持って活動できる場があまりないから。(中略)また弱い立場の子どもがアクションをおこすことによって、同じ立場の子どもに勇気を与えられるし、守っていける。子ども同士だから話せたり、できたりすることがたくさんあるし、共感もしやすい。最後に世界中で起こっている様々な災害を経験した子ども達があつまれば、広い視点から防災について考えられるし、実際に何かおきてしまった時にすばやく柔軟にこれからおきるであろう二次災害への防災対策が自分の経験からできる。(岩手県・高2・女)」など震災を経験した子どもたちだからこそ考えられるアイデアを総理大臣になりきって、発表しました!
■動画や手形バナーを制作!2日間話し合った子どもたちの思いと意見をカタチに■
そして最後に、みんなの思いと意見をまとめるべく活動!!キューブを使って、「子どもだからできること」について話し合った後、動画と手形バナーの作成を行いました。
動画作成では、“自分自身ができること”を画用紙に書き、そのメッセージとともに一人ずつ撮影を行い、37名の思いの詰まったビデオメッセージが完成。なんて書けば、自分の思いが伝わるのだろう?と、画用紙に書く言葉を1つ1つ大切に選ぶ子どもたち。
また、手形バナー作成では、好きな色のスタンプを使って、自分の手形を押した後、その上に“自分が総理大臣だったらすること”を書きました。選んだスタンプの色も手形の大きさも様々ですが、防災の取り組みをより良くしたいという熱い思いは一緒です!
今回、作成した動画と手形バナーは、第6回アジア防災閣僚会議に参加する代表メンバーが持っていき、世界に届けます♪
■子どもたち同士で代表メンバーを決定!!■
2日間におよんだワークショップの最後には、いよいよ第6回アジア防災閣僚会議に参加する代表メンバーを選びます。代表メンバーに立候補した子どもたちが、自己PRシートとスピーチで1人1人その熱い思いを伝えた後、参加者全員による投票で各県から1名ずつ代表メンバーを決定!
2日間のワークショップを終えて、子どもたちは、「伝えることで、応援してもらえる。応援してもらえることで自信になる。自信になることで言葉が出る。(岩手県・中3・女)」、「自分の思っている事と反対の人が多くて、もっと話してみたいと思った(岩手県・中1・女)」、「福島県だけじゃなく、他県の意見をきけたのが何よりよかった。津波に関しての取りくみを聞く機会があってよかった。もっと色んな人とはなしたいっ!!!(福島県・高3・女)」「せっかく話し合ったし、チャンスは活かしたい主義なので。伝え合い、活かすまでが大切!(岩手県・高2・女)」など、話し合いを通して、自分の思いを伝えていくことの意義を感じたようす。
後日、当日の子どもたちの様子や声を動画とともに報告します。三県の子どもたちが交流しながら、世界の防災に子どもたちの声を反映し、よりよい社会をつくってくために熱い議論を交わした様子をぜひご覧ください♪
(報告:東京事務所 吉川恭平)