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日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり
(公開日:2016.02.29)

子どもたちが提案!「山田町ふれあいセンター」条例前文案

 

2015年12月22日、岩手県山田町子どもまちづくりクラブ(通称・KYT)は町長・教育長へ子どもたちが作成した「山田町ふれあいセンター」条例前文案を要望書として提出しました!施設完成後も、企画・デザイン時に施設に込めた思いが引き継がれるようにと願う子どもたちの思いは、どのように町長・教育長に届いたのでしょうか。



■完成後も子どもたちの思いを!子どもたち自身がまとめた条例前文案■
「山田町ふれあいセンター」は“小中高生世代をはじめとする子どもの居場所”と“図書館”機能をもつ公益施設。2014年9月からKYTメンバーが中心となって企画・デザインし、2015年2月には行政や地域の方々に最終化したデザインを発表。6月には町長、教育長をはじめ地域の方々150人もの方々が参加して、起工式を行いました。
そこで子どもたちは、 “全世代が利用でき、憩い、学び、交流の場”になってほしいというこの施設に込めた思いが完成後も引き継がれるよう、条例前文案としてまとめました。


〜山田町ふれあいセンター条例前文案〜


山田町ふれあいセンターは、“小中高生世代をはじめとする子どもの居場所”と“図書館”機能を持ち合わせた公益施設です。復興のシンボルとなるこの施設を企画・デザインしてきた子どもたちは次のように語ります。


私たちは全世代が利用できる場となることを願います。
それにより、子どもからおとなまでいろいろな人の居場所ができ、たくさんの笑顔を見ることができます。


私たちは憩いの場になることを願います。 
いろいろな目的の利用ができることで、楽しんだり、ゆったりできたり、つらい時には気持ちが安らぎます。


私たちは学べる場となることを願います。

本を読んだり、勉強したり、いろいろな人と出会い、意見交換することで、子ども一人ひとりが成長できます。


私たちは交流の場となることを願います。
町内外の人たちとのつながりを通じて、お互いに山田の魅力を発見・発信できます。


山田町は、山田町ふれあいセンターがこの子どもたちの想いを形にするための施設となることを期待し、ここに「山田町ふれあいセンター条例」を制定します。


子どもたちの要望を受け、山田町長からは「前文案で全世代が利用できる場であることが書いてある。決して子どもたちだけではないんだ。お年寄りだったり、色々な方々がいて、復興の中でいろんな苦労がある中において、それぞれの世代が交流することによって笑顔が生まれることが復興につながるんだろうという思いがこの前文案から見てとれる。そして次の3つ。憩いの場、学べる場、交流の場。まさしくこの3つがキーワードとなって、よくここまで素晴らしい条例前文案を作っていただいた」「しっかりとした建物ができ上がってそれで終わりということではなく、運用、活用、この条例前文案がしっかりと実になるように、みんなの力でこのセンターを育て上げていきたい」と子どもたちへの感謝とともに、施設運営に向けた町の展望に関するコメントがありました。
教育長からは、「やはり、思いを形にというのが文にあったが、思いが形になるということはすごいこと。今よりも、20年、30年、もしかすると40年たったと時、こうやって取り組んだことがこんな建物になったよとか、そこにみんなが集って活動する姿を見ると、みんなしか分からない喜びというのがあると思う。私は夢とか希望とかいうのが好きなので、それを叶える努力をしたというのがまず一つ宝物になったのかなと感じたし、居場所、落ち着いて何か考えたり活動したりする場所をみなさんが必要としていることが伝わってきた」と子どもたちのこれまでの活動の歩みの意義と、子どもたちが施設へ込めた思いへのコメントがありました。


■センター開館へ向けて、子どもたちと町長・教育長の意見交換!■
要望書提出後は町長・教育長との意見交換。まずは、インフラ工事の関係で当初より開館予定日が遅れることに対してKYTメンバーが質問。教育長からは、「(開館予定日は)ただ何日に延ばすんではなくて、安全第一ということをみんなの立場で考えてくれたらいいのかなと。おとなの都合でということはしないので、みなさんが提案したことなので、それに対しては真摯に理由を説明したらいいのかなと思うので、思ったことは話して欲しいなと。」と、子どもたちと歩みをともにしながら開館へ向けていこうというコメントがありました。
「今後センターをこれから利用する子どもたちが、私たちのように町の人たちともっと幅広く交流できるように、センターを利用する子どもたちが商店街と協力して何かイベントとか合同でできるような環境を今後作ってほしい」という子どもたちからの提案に対しても、「あそこには、大型商業施設や今までお店をやっていて、津波で流されてしまった方々の商店街も作っていく。そして、金融機関等もあそこに集まってくる。2018年度を目標に開通する三陸鉄道の駅舎も。そういうような中で、山田で人が一番集まりやすく安全なコンパクトシティというものを山田町は考えている。ぜひみなさん方の若い考え方で一緒に商店街の方々のみならず、多くの施設の中心となるような活動を協力してできるようになれば素晴らしいと思う」と町長。

開館に向けて、子どもと町の政策決定者がそれぞれの立場で具体的に率直に意見を伝え合う機会となりました。


■子どもも、おとなも、山田町の復興へ向けて!■
町長と教育長への条例前文案の要望、そして意見交換を終え、「みんなの思いを伝えるために、たくさん悩んで考えたことを自分の口で言えてとても良かった」と子どもたち。山田町ふれあいセンターは3月に完成し、7月には開館を予定しています。開館まで山田町の子どもたちは町と連携して活動していきますので、今後も復興に向けて活動する子どもたちへ、応援をよろしくお願いします!


(報告:遠野事務所 山田心健)


 

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