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日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり
(公開日:2015.08.11)

東北の子どもたちが復興庁参事官と意見交換「子どもまちづくりリーダーツアー2015」Vol.2

 

201583日、復興大臣に直接提言書を提出した岩手・宮城・福島県の子どもたち。復興大臣に提言書を提出した後、復興庁参事官とも意見交換を行いました。東日本大震災から4年を過ぎた今夏、「子どもまちづくりリーダーツアー2015」の一環として、復興庁で声をあげた子どもたちの様子をお届けします。

■震災から復興に向けた4年間の取り組み。自分の変化、地域の変化♪■
まずは各地域の子どもまちづくりクラブメンバーが、20116~7月に活動をはじめてからのこれまでの歩みと、自分たちの活動によって自分や地域にどのような変化がおこったかを発表しました。

〜岩手県山田町〜
地域活性化のためのゆるキャラ「まつしい」、地域と連携して作成した「山田町カルタ」、そして子どもたちが企画・デザインした(仮称)山田町子ども交流センターの取り組みを発表。「いろんな年代の方々と関わることでコミュニケーションがとても好きになった。おかげで学校の成績もアップした!」、「山田町カルタは地域の学校や図書館に置いてもらった。みんなが地域の魅力に気付いてくれたと思うし、自分たちも今まで知らなかった山田町の魅力に気付かされた」、「復興について考えているうちに、故郷の復興がはかどってほしいと思った。山田町に対して愛情が深まり、復興への意欲も高まった」とメンバー。


〜岩手県陸前高田市〜
復興のシンボルとして企画・制作したミニ「あかりの木」、写真で高田の『今』を発信する「進め!高田っ子!まちづくりフォト☆」、政策決定者と意見交換する「進め!高田っ子!まちづくりトーク☆」再建予定の図書館に子どもの声を反映するための活動を発表。「地域の方々が報告会を見に来てくださったり、仮設商店街で行われるイベントなどに積極的に誘ってくださるようになり、地域の方々との交流が深まった」、「自分の意見を言って、相手に自分の意見を知ってもらう嬉しさや楽しさを知ることができ、おとなの意見も知ることができた」、「私も前よりまちのデザインに興味を持ったので、これからのまちづくりでも地域の人たちと協力していきたい」とメンバー。


〜宮城県石巻市〜
子どもたちが企画・デザインした児童館である石巻市子どもセンター「らいつ」、商店街活性化に向けて作成した商店街マップ、石巻市の現状を把握するためにはじめている復興状況調べの活動を発表。「(“夢のまちプラン”が)実現したことによって、子どもでも周りのおとなの支えがあればまちのために何かできるということが分かって、これも大きな自信、そしてやる気につながった」、「商店街のことをほとんど知らなかったけど、活動を通じてお店のことが分かり、活動のついでに買いに行ったりするようになった。商店街のイベントでのマップ配布など協力の依頼が届くようになった」、「復興状況などを知らない人は多くいると思うので、それらを多くの人にもわかりやすいようにまとめ伝えて、多くの人が復興やまちに対して関心を持ってくれるようにしていきたい」とメンバー。


子どもたちの発表を聞いたボランティア・公益的民間連携班、総合政策班の参事官からは、「とにかく今活動の中身をみなさんから聞いて、とても驚くことばかりだった。みなさんが活動されている一つ一つの活動がすごく具体的な活動で、それを着実に実施して、まちの皆さんにも発表して、そして今日この場で堂々と自信を持って、国に対しても発表ができるのは素晴らしい」、「日本全体が厳しい社会の中で、どういうふうに地域が元気にがんばっていけるのかというのが、復興の中でも、復興以外でも、日本のどこの地域でも大事になっている。みなさんのこうした活動が、ちょっとした活動に見えるかもしれないが、実はそれが今後の大きな未来につながるんだと思う」とのコメントがありました。
  

■子どもたちから復興庁参事官に質問!■
復興庁参事官からのコメントに励まされた子どもたちは、次に事前に全員で話し合って決めた内容を参事官に質問しました。
まずは、「みなさんが思う復興って何ですか?どうなったら復興なんですか?」「2020年の東京オリンピックまでにどれくらい東北の復興はできますか?」と子どもたち。「元へ戻るのは復旧っていう言葉がありますが、復旧と復興ってどうも違う。復旧の先に復興っていう言葉があって、元に戻るだけではない。復旧、元に戻る世界もあるし、元に戻れない世界もあって、その先に何かしなければいけない、そういう努力を、国も県も市町村も、行政もそうですけれども、みなさんと一緒に考えていかなければならない。そういうことを、みなさん現にやっておられるんだと思う」と参事官。
さらに、子どもたちから「子どもが復興に関わるという点について、心配な点はなんですか?」と質問!参事官からは「本当にさっき目の前で衝撃を受けるくらいの勢いで(みなさんの発表を)聞いていた。子どもで何か心配があることなんて全然なくて、心配があるとすると、むしろみなさんと同じ。みなさんの活動、これだけの力を持ってやっているということを、もっと世の中に知ってもらう。知られていないということがもっと知られる必要があるんだなと思っている」との回答がありました。

■子どもとおとな一緒に、復興に向けて!■
復興大臣への提言書の提出、さらに復興庁の参事官との意見交換を終え、「復興大臣の話を聞いて、ちゃんと子どものことを考えているのだなと思った」(小5・男子)、「私たちの想い、願いがちゃんと届いていて、今すぐにでもかなえてくれようとしていることがうれしかった」(中2・女子)、「元に戻すことが復興ではなく、復旧+αが復興となるということに改めて気付かされたし、自分たちがその+αになりたいと感じた」(高3・男子)、「おとなも子どもに対する対応がわからないという話を聞いて、驚いた!自分たちからアクションを起こす必要がある」(高2・女子)などと子どもたちから声があがり、子どもたちも新たな学びや気づきを得て、今後の活動への意欲を高めたようです。

東北の子どもたちは、これからも地域と連携し、復興に向けて歩み続けます。みなさんの応援、ご協力よろしくお願いいたします。

(報告:東京事務所 津田知子)


 

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