日本/東日本大震災/子どもにやさしい地域づくり(公開日:2014.04.14)
岩手県陸前高田市のミニ「あかりの木」がJIAゴールデンキューブ賞を受賞!(2014.04.14)
陸前高田市子どもまちづくりクラブが、自分たちで企画・デザインをし、陸前高田市を照らすシンボルとして完成させたミニ「あかりの木」。このミニ「あかりの木」が、この度JIAゴールデンキューブ賞 2013/2014の組織部門・特別賞を受賞しました!
※JIAゴールデンキューブ賞
子どもを対象とした建築や都市環境の教育活動を評価し、支援するために設立された賞です。子どもたちへの建築やまちづくり教育の質の向上を図ること等を目的として、社団法人日本建築家協会によって主催されています。
■ミニ「あかりの木」とは??企画・デザイン・完成まで?■
ミニ「あかりの木」は、陸前高田市子どもまちづくりクラブのメンバーがつくった高田大隅つどいの丘商店街内につくったモニュメントです。なんと全長3.75メートル。なのに、なぜ“ミニ”なのでしょうか。実は、もっと大きな「あかりの木」を建設したいというアイデアが元になっているからです。
震災から3ヶ月後の2011年6月。陸前高田市子どもまちづくりクラブのメンバーは“生きるだけの町ではなく豊かに暮らせる町”を目指し、“夢のまちプラン”を描きました。その中の一つのアイデアが「あかりの木」。メンバーは、震災後多くの住民が仮設住宅に住み、遊ぶ場所が少なくなったことから、陸前高田市を照らし、みんなが集えるシンボルを作りたいと思ったのです。そして、2011年11月、「第1回東北子どもまちづくりサミット 」で「あかりの木」のアイデア等を発表すると、なんと、アイデアを知った地域の方が「まずは仮設商店街の広場に作ってみないか 」と誘ってくださいました!そこでメンバーは、翌年2012年1月にその実現に向けて活動をスタート。当初考えていたモニュメントよりは小さくなるため、ミニ「あかりの木」と呼ばれるようになりました。建設予定地の下見、コンセプトの検討、協力してくださる商店街の方々との話し合い、地域の子どもやおとなと協働したパーツのペインティング等を経て、同年9月にミニ「あかりの木」が完成しました。
■“まちを考え、まちづくりの主体者として、子どもも大人も育っていく取り組み”として評価■
JIAゴールデンキューブ賞審査委員の大村惠氏(愛知教育大学教授)は、ミニ「あかりの木」の取り組みについて、次のように述べています。
震災からの復興のまちづくりを子どもたちとともに取り組むことは、震災で受けた心の傷を癒やすだけでなく、地域の大人たちと子どもたちが結びつき、まちを考え、まちづくりの主体者として、子どもも大人も育っていく取り組みである。今回、そうした実践が数多く寄せられたことは、建築教育の可能性を示しているように思う。組織部門特別賞の陸前高田市子どもまちづくりクラブ「ミニ『あかりの木』プロジェクト」もその一つである。ミニ「あかりの木」を作り、商店街の広場に設置することによって、住民が集まりたくなるような広場を創出する。そこに参加する子どもたちの姿は、非常に魅力的である。
(JIAゴールデンキューブ賞HPより引用)
応募書類はこちら。
子どもたちが地域と連携し、まちづくりの主役となって取り組んだミニ「あかりの木」。その取り組みが上記のように評価されたことは、子どもたち、協力してくださった方々、そしてセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンにとっても大きな励みになりました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、今後も、地域の一員である子どもたちとともに、より良いまちづくりを目指して活動していきます。みなさまのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
(報告:東京事務所 松永有加)