日本/子どもの貧困問題解決(公開日:2025.06.30)
【実施報告】「高校生活まなびサポート」2024年度の活動内容と利用者とのランチ交流会

セーブ・ザ・チルドレンは、経済的かつ生活上困難な状況にある世帯の子どもが、高校などへの入学、高校就学時の生活やまなび*を経済的不安なく過ごし、自分らしい進路選択ができることを支えるため、2022年秋より継続型の給付金「セーブ・ザ・チルドレン子ども給付金 〜高校生活まなびサポート〜」(以下、まなサポ)を宮城県石巻市で実施しています。
2024年度の募集は前年9月の約1ヶ月間行いました。中学3年生から高校生世代まで16件の申請があり、13世帯13人への給付を決定しました。子どもや保護者に障害や疾病がある、家族のケアをしている、外国につながる、保護者の収入が極端に低いなど、さまざまな状況にある子どもたちです。
まなサポは、子ども自身が主体的に給付金の活用方法を考えて利用してほしいという思いから、給付金を何に活用したいか、申請時に子どもたちに希望を尋ねました。
子どもからは、「大学入試用の参考書代・問題集代」、「模擬試験や受験会場への交通費」、「修学旅行費用」、「昼食代」、「スマートフォンの通信料」、「通学定期代」、「ペン・ノートなどの学用品費」、「進学費用」、「制服代」、「部活動関連費」など、これからのまなびや生活を思い浮かべて、具体的な活用内容があがりました。

加えて、子どもからは「現在の家庭状況では、これらにお金をかけられない状態」、「高校の定期費など必要な物の購入にあてて母の負担を減らせれば」など、保護者の経済的負担を案じる声などが上がっています。
保護者からは、給付金の申請理由として、「子供にいつも経済的に苦しい思いをさせてるので少しでも安心してほしい。子供が学校で必要なものに使いたい」、「今まで厳しい中で支援申込みのお知らせも遠慮していたが、進学した今、子どもに視野を狭くさせずにできることをと思い応募した」という声が寄せられました。
また、利用用途として、「筆記用具・ノート類購入費」、「お弁当のおかず代」、「卒業関連の費用」、「英検などの検定料」、「入学準備費」、「定期代」、「施設設備費」、「学校で必要な物品の購入費」、などに使いたいといった声が寄せられ、子どもも保護者も高校でのまなびや高校生活に必要な費用に不安を感じている様子がうかがえました。

給付決定後、セーブ・ザ・チルドレンは、利用世帯を直接訪問したり、それぞれの事情で直接訪問が難しい場合は自宅以外の場所や電話で申請の背景や給付金が決まった時の様子、今後何に利用したいか、現在の生活状況などを聞いています。
保護者からは、「学校から募集が来た奨学金に応募したけれど利用できなかったことが2回ぐらいあったので、(まなサポの給付決定の通知を見て)わあっ!となった」、「まなサポは重複受給可能だったので助かった」、「数学が難しいから参考書を買ってと言われて給付金を使って買った」というような声が聞かれました。
また、「東日本大震災後、他の奨学金などは受けられず、これまでずっと誰にも認めてもらえなかったという気持ちがあった。今回まなサポの受給が決まって、初めて認められたような気がした」、「まなサポのおかげで経済的にはもちろん、精神面でも助けられている。子どもを第一に優先できている」、「まなサポがなかったら、『夏休みはバイトしたら?』と子どもに言っていたかもしれない」などの声があり、給付金が精神的な支えとしても役立っている様子がうかがえました。

インタビュー以外にも、2024年12月には初めて利用している高校生とセーブ・ザ・チルドレン職員によるランチ交流会を開催しました。高校生世代は学校の予定やアルバイトなどで忙しく、当日の参加者は2人でしたが、職員とともにざっくばらんにおしゃべりをしたり、体を使ったゲームをしたり、太陽を浴びながらバーベキューをしたりして、ゆったり過ごしました。

参加者からは、「バーベキューも楽しかったし、色々たくさんお話することができて本当に楽しかった!」という感想とともに、「いろいろなイベントをやってほしいです」というセーブ・ザ・チルドレンへの期待も寄せられました。
まなサポでは、毎月定期的に給付金を提供し、継続的に高校生世代のまなびと生活をサポートするとともに、インタビューやアンケート、交流会などを通じて、利用者との関係性づくりも大切にしています。実際、利用している世帯からは、「伴走してもらっている気持ちになる」といった声も聴かれています。
今後も、子どもたちや各世帯に寄り添いながら、その声を聴き、さまざまな機会をつくることで子どもたちが経済状況や生活状況によらず、自分自身の希望する進路やまなびを選択できるようなサポートを続けていきます。
*学習や就学に限らず、課外活動、スポーツ・文化・芸術活動など広くとらえるため、「学び」ではなく「まなび」としています。
セーブ・ザ・チルドレンでは高校生活まなびサポート以外にも、子どもの貧困問題解決に向けさまざまな取り組みを行っています。活動の最新情報は随時こちらのページで更新しています。ご関心がある方はぜひご覧ください。
(国内事業部:椎名)



