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日本/子どもの貧困問題解決
(公開日:2026.04.06)

「同じ子どもなのに、住んでいる場所で選択肢が制限されてしまう」―子ども体験プログラム参加者の保護者の声(2)―

 

子どもの貧困問題の一つとして、多くの子どもが当たり前に参加できている体験活動でも、経済的に困難な状況にある子どもたちが経験できていないことが社会的な課題となっています。そこで、セーブ・ザ・チルドレンは、経済的に困難な状況にある子どもたちの体験の機会を保障するため、2022年から夏休みや週末に「子ども体験プログラム」を実施しています。2025年は、「ブロック教室」「美術館鑑賞」「野外活動体験」「舞台観劇」の4つのプログラムを実施しました。(詳しくはこちら



今回は、「野外活動体験」に参加した小学校4年生の保護者にお話を聞きました。(「美術館鑑賞」に参加した子どもの保護者のお話はこちら)


Q.申し込みのきっかけは?

メーリングリストに登録していて、そちらから案内が来て知りました。申し込んだ理由は2つあります。

1つ目はひとり親世帯なので、私ひとりではやってあげられない内容だったからです。大人数だからこそ楽しい川遊びやバーベキューなど、キャンプ的な体験は準備も大変ですし、荷物も重いので女性ひとりでは連れていくことが難しいです。

2つ目は、上の子と別に参加できるからです。(今回参加した)下の子は内気で、上の子の後ろについていくタイプなので、ひとりで参加する経験を積んでほしいと思ったからです。

 

Q.保護者から見た「子ども体験プログラム」の印象は?

学校以外で丸一日親と離れて活動するのは初めてだったので、子どもも不安だったと思いますし、私も心配していましたが、SNSで随時様子を報告してもらえたので、安心して過ごせました。足の病気のこともあり、体調面や集合場所などきめ細かに対応があり、ありがたかったです。

川遊びは、今までしたことがなかったと思います。もともと水がこわいし、虫や砂が苦手でサンダルの中に砂が入るのも嫌がるタイプですが、今回は「入ってきたけど大丈夫だった」と言っていました。家族と一緒の時だとダメなことも、周りの人や環境が違うと大丈夫だったりするみたいです。帰ってからは食べ物の話をたくさんしていました。太麺の焼きそばが美味しかったようです。


Q.参加後に何か変化はありましたか?

自主性というか、前より「とりあえずやってみよう」ができるようになりました。もともと嫌なものは嫌だと頑なで、やらず嫌いがある子ですが、少しずつ挑戦する気持ちが出てきたように感じます。他のイベントも「参加してみようかな」と言うようになりました。

 

Q.今後どのようなプログラムがあるとうれしいですか?

もっと長く過ごせる、泊まりがけのプログラムがあるとよいなと思います。今通っている小学校は1クラスしかなく、小学校・中学校の9年間メンバーが変わりません。高校になって急に大人数の環境になるのが心配で、他県や他校の子と会う合宿のような機会があるといいと思います。昔は自治体の事業で、小4〜中3の子どもたちが申し込める3泊4日のプログラムなどがあったのですが、今は無くなってしまい、交流の機会が少ないです。

 

Q.子どもにとって、体験や遊びをすることはどのような意味があると思いますか?

将来の選択肢を増やすことだと思います。知らないと選ぶことができないので。今回のプログラムでも看護師さん、バスの運転手さん、キャンプ場の人や団体スタッフなど、いろいろな人に会って「こういう選択肢がある」と知ることができたと思います。

私自身も高校の頃に奨学金で海外留学をしました。自分で国が選べず、大変失礼な話ですが、泣きながら行った記憶があります。でも実際に行ってみたら自分にとても合っていて、それから20年経ってもホストファミリーと連絡を取っています。何事もやってみることが大事で、好きなことが見つかると思います。

 

Q.やらせてあげたかったが、やらせてあげられなかった体験はありますか?

習い事は送迎が難しいです。別の県に住んでいた時は、小学校にバレーボールチームがあって自分で行ってもらえましたが、関東では親の送迎が必須となるものが多いと感じます。今はパートでシフト制の仕事なので調整ができますが、正社員だと難しいと思います。

あとは旅行や、スキー・スノーボードなどもハードルが高いです。ひとりで遠くまで子どもたちを連れて行かなければいけないので負担が大きいですし、日帰りは難しく、レンタルしないといけない物も多いので、金銭面の負担が大きく連れていくことができません。

子どもに何が合っているかは試さないと分からないと思います。そのように経済的な面でやらせてあげられない体験があると、選択肢の幅が狭まってしまうことが気がかりです。

子どもの体の面でも制限があり、足の病気や難聴で聞こえない音域があるので、危ないことはさせにくいというのもあります。学校生活でも影響があります。

 

Q.国や自治体、地域で、体験に関してあったらよいと思う制度や支援は?

留学制度です。2週間程度の短期間のものはありますが、もっと長期の留学や高校に進学する際の選択肢として海外進学も選べるようになってほしいです。奨学金などの支援がもっと増えるとよいと思います。

自治体によって選べる選択肢が異なっているのも気になります。同じ子どもなのに、住んでいる場所で選択肢が制限されるのは腑に落ちません。もっといろいろな制度や支援が全国で広がってほしいです。

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子どもたちがさまざまな体験を通して、自分の好きなことや興味のあることを見つけ、将来の選択肢を広げていくことは、子どもの権利として保障されるべき大切な機会です。体験プログラムに参加した子どもたちが、プログラムを通して「やってみよう」という気持ちを少しずつ育んでいく姿から、たった1回の体験活動でも子どもの成長に大きな影響を与えることを実感しました。しかし、今回お話を聞いた家庭のように、経済状況や家庭環境、自治体による制度の違いによって子どもたちの選択肢が大きく左右されてしまう現実があります。

 

セーブ・ザ・チルドレンは、今後も体験の機会が子どもたちに等しく開かれるよう、体験プログラムの実施とともに、国や自治体、社会に対して、子ども時代の体験の機会の重要性を伝え続けていきます。子どもたちが住む場所や世帯の状況に左右されず、その時にやってみたい体験を経験し、希望をもって未来を選択できる社会をめざして、これからも活動を続けていきます。

 

セーブ・ザ・チルドレンでは体験プログラム以外にも、子どもの貧困問題解決に向けさまざまな取り組みを行っています。活動の最新情報は随時こちらのページで更新しています。ご関心がある方はぜひご覧ください。


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(国内事業部 子ども体験プログラム担当)


 

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