日本/国内災害(公開日:2021.10.08)
【シリーズ第6回:みんなで考えよう!しぜんさいがいとぼうさい】かんせんしょうがりゅうこうしている中でさいがいがおきた時ひなん生活はどうしたらいい?
前回は、避難所での過ごし方などについて、お伝えしました。今回は、感染症が流行している時の避難所の過ごし方や、気をつける点などについて紹介していきます。
《私たち一人ひとりが気をつけること》
避難所では、多くの人が集まっていっしょに生活するため、感染症が流行しやすいです。今は、新型コロナウイルス感染症が流行していますが、過去の災害の時には避難所でインフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行ったことがありました。そのため、子どもも大人も、避難所にいる人、一人ひとりが感染症にうつらない、うつさないための行動をとることが大切です。手洗いや咳エチケット、マスク着用などの基本的な感染症対策にくわえ、ドアノブやトイレなど、多くの人がさわる物や場所をしっかり消毒をしたり、洗面用具やタオルなどを他人と共有しないことなどが大切です。
《感染予防の観点からの子どもの安全な遊び場づくり》
避難所に設置する子どもたちの遊び場でも、感染症対策をしっかり行うことが大切です。2016年、熊本地震で被災した益城町の避難所にセーブ・ザ・チルドレンが設置した「こどもひろば」で、子どもと大人が協力して感染症対策を行ったことがあります。小さい子どもが床に寝転んで遊んだりするため、「こどもひろば」の室内を土足禁止にしました。また、室内は換気のために窓を開けて風通しをよくしたり、使い終わった遊び道具を消毒したりしました。それから、「こどもひろば」に入退出時の手洗いや咳エチケットを徹底しました。
こうした取り組みにくわえ、体調が少しでも悪い時や体調が悪い家族がいる場合は、大人数で集まる遊び場などの利用を控えてもらうことも大切です。熊本地震支援の時、「こどもひろば」のボランティアの体調が悪くなったことがあり、避難所の医療支援者のアドバイスで活動を休んでもらったことがありました。このように、一人ひとりが感染予防に努めることが大切です。
《限られたものや空間の中でも工夫しながら遊ぶ》
万が一、避難生活の中で、体調が悪くなったり、家族に体調が悪い人がいた場合、一人で過ごすこともあるかもしれません。そんな時に備え、非常用持ち出し袋の中にトランプや折り紙、本など、ひとりで遊べるアイテムを入れておくと、いざというときに役立つかもしれません。また、避難所などの狭い空間の中でも、ずっと体を動かさずにいるのは、健康によくありません。避難所などスペースが限られた空間でも、普段より意識して体を動かすことは大切です。東日本大震災の時、子どもや高齢者などが集まって毎朝ラジオ体操をしていた避難所もありました。児童館・児童クラブの情報サイト「コドモネクスト」では、ひとりでも、友だちや家族といっしょでもできる体を動かす遊びなどを紹介していますので、参考にしてください。➡ https://kodomo-next.jp/articles/5679bb283984
《まとめ》
避難生活の中で、感染症が流行したり、体調を崩したりすることが無いよう、一人ひとりが予防に努めることが大切です。マスクや消毒などの基本的な感染症対策の準備にくわえ、感染予防の観点からの安全な遊び場や避難所づくりのためにできることを事前に考えておくことも大切です。
《さんこうじょうほう》
・NHK特設サイト“新型コロナウイルスと災害 避難はどうする 避難所での感染予防策は”:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/disaster/
・認定 NPO 法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD) 避難生活改善に関する専門委員会“新型コロナウイルス 新型コロナウイルス 避難生活お役立ち サポートブック” http://jvoad.jp/wp-content/uploads/2021/05/84318db09b7641cc8a685cb0d0359886.pdf
・NHK“コロナ禍の避難 在宅避難など避難所以外へ「分散避難」注意点は?【動画】”:https://www.nhk.or.jp/shutoken/shutobo/sonae_suigai_08.html
・コドモネクスト“児童館職員が提案ていあん、「3密みつ」に配慮した遊あそび”:https://kodomo-next.jp/articles/5679bb283984
・セーブ・ザ・チルドレン“子どもにやさしい非常用持ち出し袋チェックリスト”:https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/hijoyoumochidashibukuro_list.pdf
※このブログは2021年10月に作成しました。
防災に関する最新の情報は内閣府のホームページをごらんください。