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日本/国内災害
(公開日:2019.10.20)

台風19号 子ども用緊急物資や衛生用品の支援 福島県いわき市・宮城県丸森町−初動調査2日目(10/18)

 
10月18日、初動調査2日目も、緊急支援対応チーム2チームが、福島県いわき市と宮城県丸森町で、必要とされる支援の聞き取りをしながら緊急物品の提供を行いました(初動調査1日目の様子はこちら)。



福島県いわき市

午前中は、いわき市で放課後児童クラブと、障害のある子どもたちのための施設を運営するNPOを訪問し、事前にニーズを聞き取っていた水タンクや除菌シート・歯磨きシートなどの衛生用品を提供。

放課後児童クラブは床上まで浸水し、子どもたちが生活する空間も泥をかぶってしまいましたが、指導員のみなさんが懸命に復旧にあたっていました。「拭いても拭いても床から水がにじみ出てきており、においもある」「放課後児童クラブは子どもたちの生活と命を支える大切な場所。再開したときに子どもたちの保育環境を守れるのかが心配」と不安の声も。


障害のある子どもたちのための施設を運営するNPOは、施設自体は無事だったものの断水が続いており、施設長が自ら水を確保するために奔走していました。施設長は、「台風後、子どもたちはいつもよりもざわざわしているようにも見える。職員が子どもたちを支えている分、自分は水を確保して少しでも環境を整えたい」と話していました。

提供したタンクや除菌シートは、それぞれの提供先で、断水の中でも子どもたちが安全に過ごせるよう活用されます。

その後、前日に避難所で聞き取った子ども向け物品に対する子どもや保護者のニーズを受け、いわき市役所災害対策本部などを訪問。18日夜から週末にかけて懸念されていた大雨を前に、避難所でも子どもたちが遊べるように、災害対策本部と支援物資の調整を行いました。


担当課から特に子どもの多い避難所2ヶ所が提案され、避難所で避難生活する子どもたちが、週末に雨が降る間も不安を感じないよう、室内で遊べる物品(鉛筆やクレヨン、お絵かき帳、折り紙、絵本、なぞなぞの本、トランプ、かるた、けん玉など)を、子ども向け緊急支援物品として、避難所2ヶ所へ届けました。

18日午後からは、避難準備や避難勧告が発令されており、避難所も多くの人が避難して来ており混乱した様子でしたが、避難所2ヶ所のうち1ヶ所では、子どもたちへ直接届けることができました。子どもたちの中には、受け取ってすぐに絵を描き始める子もいました。

小学2年生の少女に、手渡しながらほかに必要なものがないか尋ねてみると、一緒にいた祖母から、「絵本。この子は絵本も好きだったんだけど避難所にはなくてね」という声がありました。そこで、避難所に設置用として準備していた絵本を見せながら、読みたいものを聞くと、じっくり絵本を見比べながら、自身で2冊を選び、大切そうにぎゅっと抱えていました。

宮城県丸森町
宮城県丸森町では、行政や社会福祉協議会などを訪問し、町内の学校や保育園などの被害状況や今後の支援の必要性などについて話を聞きました。また、浸水被害を受けた町内のこども園では断水が続いており、片づけを行っているこども園の先生たちの手洗いや飲料用に、給水タンクの提供もしました。


丸森町では、来週から、比較的被害の少なかったこども園が、大きな被害を受けたこども園に通っていた子どもたちや先生を受け入れ、午前保育を再開の予定です。しかし、断水と、さまざまな備品も足りない状況での再開になります。

セーブ・ザ・チルドレンが話を聞いたこども園の先生たちからは、「大変な状況だけど、被害を受けた子ども、その親のためにもなんとか保育をスタートさせたい」という話の一方で、「断水の中でのスタートになるので、衛生面なども心配」、「断水で食事を出せないため、午前しか保育ができない」「大変な状況な上、2つのこども園の子どもが集まるため約300人の子どもの保育になるのでそこも心配」など、不安の声も聞かれました。

こども園の先生たちの中には、自身も被災した人も多く、保育の再開に向けた衛生用品や、簡易食など物資の必要性に加えて、先生たちのサポートの必要性なども確認することができました。

学校や学童が被害を受けた地域では、子どもの居場所の必要性や、学校や保育園までの安全なアクセスに関する課題がみえてきました。

セーブ・ザ・チルドレンは、2日間の初動調査で把握した子どもたちの状況や必要とされる支援をもとに、被災前の日常を子どもたちが取り戻せるよう、子ども支援に関係する各所と調整したり、共同したりしながら活動を展開していきます。
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