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日本/国内災害
(公開日:2020.10.29)

【2020年7月豪雨緊急・復興支援】「子どものための心理的応急処置」オンライン研修を大分県放課後児童クラブ連絡協議会主催で開催

 
2020年10月18日に、大分県放課後児童クラブ連絡協議会主催で「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children:子どものためのPFA)*」オンライン研修が実施されました。当日は、放課後児童支援員など、56人が参加しました。
 


大分県では、約3ヵ月前に発生した7月豪雨で、由布市や日田市などを中心に記録的大雨に襲われました。セーブ・ザ・チルドレンは、九州地区の子ども・子育て支援団体と連携し、大分県内の避難所で緊急子ども用キットを配布しました。

また、同県内で開催されていた支援者向けの情報共有会議にもオンラインで参加し、子どもに関する情報収集を行っていました。その会議で、セーブ・ザ・チルドレンが普及している「子どものためのPFA」研修について情報提供を行ったところ、大分県放課後児童クラブ連絡協議会から研修実施の依頼がありました。

近年、大分県で水害が増えていることに加え、今年は新型コロナウイルス感染症の流行などもあり、同県内の放課後児童支援員から災害など緊急時の子どものストレスや、ストレスを抱えた子どもへの対応について学び、考えたいとの声が寄せられていたそうです。

「子どものためのPFA」は、危機的状況下におかれた子どもたちのこころを傷つけずに対応するための方法です。私たちは、過去の災害支援でも、放課後児童支援員など子どもの身近な大人に対して研修会を行ってきました。

今回の研修講師は、セーブ・ザ・チルドレンとともに「子どものためのPFA」を普及している佐賀県と東京都の医師と心理士が担当しました。

研修に参加した放課後児童支援員からは「今年の7月豪雨の被害や過去の大雨の被害の様子を見て、子どもたちが雨に対して恐怖や不安を感じることがあります」と子どもたちの様子が伝えられました。講師からは、こうした子どもたちへの対応として、「周りの大人が正しい情報を分かりやすく伝えて安心させてあげることも大切です」といった話しがありました。

研修終了後、別の放課後児童支援員からは「子どもの姿を思い浮かべながら、背景にある考え方や具体的な対応策を学ぶことができた」といった感想がありました。また、「セルフケアも支援員としては必要だと考えます」など、子どもをサポートするためには、まず自分自身をケアすることが重要であると再認識したという声があがっていました。

近年、日本全国で風水害が頻発しています。子どもたちは、直接的な被害による影響はもちろん、報道などから不安を感じるなど、間接的な影響を受けることもあります。今回研修を受講した放課後児童支援員のように、子どもの身近な大人が、ストレスを抱えた子どものこころを傷つけることなく対応できる方法を、事前に知っておくことが重要です。セーブ・ザ・チルドレンでは今後も「子どものためのPFA」の普及を、パートナー団体とともに進めていきます。



*子どものためのPFAとは
「子どものためのPFA」は、世界保健機関(WHO)などが作成した心理的応急処置(Psychological First Aid:PFA)マニュアルをもとにセーブ・ザ・チルドレンが2013年に開発した、子どもの認知発達段階の特性にあわせて、災害時にストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法です。PFAの手法は、『スフィア・プロジェクト〜人道憲章と人道対応に関する最低基準』や『災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関する IASC ガイドライン』(機関間常設委員会(IASC)、2007)などのグローバルガイドラインにおいて、人道支援従事者が受けるべきトレーニングとして位置付けられています。日本でもここ数年、災害支援に携わる関係者の中で関心が高まっています。

 

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