日本/国内災害(公開日:2019.12.04)
台風19号緊急支援 福島県いわき市で2回目の日帰り遠足をサポート
遠足は、浸水被害の影響によって遊びなどに制約を受けている子どもたちや、自宅の片付けや復旧に追われる保護者のために、子どもが安心して遊べる場の必要性を感じたいわき市の市民グループ「はまどおり大学」が企画しました。
11月4日に行った1回目の遠足の後、子どもや保護者から継続した実施を求める声があがり、2回目の開催が決まりました。セーブ・ザ・チルドレンは、今回も運営にかかわるスタッフやボランティアを対象に、災害の影響を受けた子どもたちと接する際に気を付けたほうが良いことのレクチャーや子どもの見守りなどで協力しました。
当日は、約80人の小学生が参加し、午前中はいわき市内の公園で、午後はお寺でそれぞれ思い思いに遊びながら過ごしました。
快晴のこの日、まずは公園での外遊び。今回は、里山体験などの活動を行っている「あぶくまエヌエスネット」が中心となって、さまざまな遊びのコーナーが設置されました。たくさん体を動かすので、最初はみんなで一緒にグーチョキパー体操をしてスタート。
ジャンボシャボン玉、自然の輪投げ、ネイチャービンゴ、縄跳びのコーナーから思い思いの遊びを選ぶ子どもたち。鬼ごっこ、どろけい、虫探しをする子どもたちや、のんびりお散歩をしながらおしゃべりする子どもたちの姿も見られました。
お昼ご飯は、公園のそばにあるお寺に移動して、地域のレストランのシェフが作ったカレーライス。外で目いっぱい体を動かした子どもたちの中には、お代わりをする姿もありました。
そのあとは公園の大部屋での室内遊びや、敷地を使っての外遊びをしました。室内遊びでは、地域でボードゲームの会を主宰する団体の協力で、見たこともないようなたくさんのボードゲームが登場し、子どもたちは大盛り上がりでした。また、ヨガの先生もやってきて、子どもたちもスタッフも一緒にヨガ教室に挑戦したり、トランプやお絵かき、塗り絵、シール貼りなどを選んで遊ぶ子どもたちもいました。
外遊びを選んだ子どもたちは、ドッチボールやキャッチボール、シャボン玉、縄跳びなど、思い思いの遊びを楽しみました。
おやつの時間は、キッチンカーを運営している地域の人の協力で特製焼き鳥でした。体を動かし、集中して遊んでいた子どもたちは、おいしそうにほおばっていました。
午後4時、終わりの会。「今日楽しかった人?」という問いかけに、たくさんの子どもたちが大きく手を挙げていました。今回、子どもたちが自由に遠足の感想や、やりたい遊びを書くコーナーを6年生につくってもらったところ、「うれしかった。楽しかった。おうちでそんなに遊べないからおもいっきりあそべた」「またきたいです」「ありがとう」「全員でやるかくれんぼしてみたい」という声がありました。その一方、付き添いで来ていた保護者からは「近くの公園は災害ごみがあってなかなか遊べていない」という声も聞かれ、まだまだ子どもたちの遊びが制約を受けている状況がうかがえました。
1回目に続き、子ども支援関係者、医療関係者、お寺、調理関係者など、さまざまな人たちがお互いの強みを生かしながら協力してこの時間を作り出しています。災害後は、子どもたちの存在が取り残されてしまうことも多くありますが、このように地域の人たちが子どもたちを第1に考え、何かできることはないかと活動をしていることは、身近な視点で子どもたちを守り、権利を保障していくために不可欠です。
セーブ・ザ・チルドレンは、そうした地域の人たちの活動を支援することも重要な取り組みの一つと考え今後も、子どもたちや地域の人たちとともに活動を続けていきます。