日本/国内災害(公開日:2019.11.07)
台風19号緊急支援 福島県いわき市で断水下の放課後児童クラブへ緊急支援物資を提供
セーブ・ザ・チルドレンは、10月17日の初動調査で緊急支援物資を提供した福島県いわき市を、23日から25日にかけて再び訪れ、当時断水の影響下にあった放課後児童クラブ(学童)へ飲料水などの緊急支援物資を提供しました。
支援先から頂いた手紙
いわき市では台風19号による豪雨のため、浄水場が冠水し、多くの世帯で断水が発生しました。17日に初動調査チームが現地入りした際、水がない状況でも学校は再開していましたが、衛生環境が悪いため、学童は休所せざるを得ないという話を聞きました。
日頃、子どもたちの放課後の生活を保障している学童にとって、子どもたちの衛生環境の確保は、運営を継続する上で不可欠です。
そこで、セーブ・ザ・チルドレンは、いわき市こども支援課やいわき市学童保育連絡協議会の協力を得て、断水の影響を受けている学童に対し、10リットルと20リットルの水タンク、除菌シート、飲料水など緊急物資を提供しました。
水タンクは、トイレや手洗い用の水を確保するため、除菌シートは、十分に手洗いができない状況で手を清潔に保つため、飲料水は、清潔な飲み水の確保のために、それぞれ使われました。
いわき市では、予測よりも早く断水の状況は改善されましたが、通水後も子どもたちが安心して水道水を飲めるまでは時間がかかるため、現場の学童支援員の人たちから飲料水を要望する声がよく聞かれました。
東日本大震災緊急・復興支援において、セーブ・ザ・チルドレンは子どもたちの放課後の生活を保障する学童の重要性を認識し、連携して活動を行いましたが、台風19号の緊急支援でも、学童の早期再開のために必要な支援物資の迅速な提供に努めました。私たちが初動調査などで訪れた地域では、自ら被災しながらも学童の早期再開に向けて子どもたちの受け入れ準備をする学童支援員や、なんとか子どもたちの保育環境を良くしようと奮闘する支援員の人たちの姿がありました。
今回の支援に関し、ある学童から次のような手紙をいただきました。
「この度は、早々にご連絡いただき、水・除菌シート他たくさんの希望した品物をご寄付いただき、ありがとうございました。
学校も始まり断水も市内のほとんどが解消されましたが、学校の屋上タンクの水はまだ飲用には適していないようで水筒を持っての登校という状況です。
学校から学童へ帰ってくると水筒は空の子が多いので飲料水がとても助かっています。また、手洗いのかわりに除菌シート、アルコール消毒も使用させていただいています。
学童で使うトイレの水の確保のため、給水所までの往復の毎日、学校も家庭でも断水で疲れてきた頃、学童の心配をしてくださり、ご寄付いただき、本当にありがとうございました。助けてくださる方がいるということはとても心強かったです。」
災害発生時には、大人は復旧に追われ生活再建が優先となりますが、その中で子どもたちの存在が置き去りにされがちです。セーブ・ザ・チルドレンは、こうした緊急下でも、学童など、子どもたちが安心・安全に過ごせる場が重要であると伝え続けてきましたが、台風19号緊急支援からも、子どもたちの安心・安全な環境を保障するために、学童などへの迅速な緊急支援の必要性を改めて確認しています。
今後もセーブ・ザ・チルドレンは、地域で子どもたちを支える人たちへの支援を続け、子どもたちが安心・安全に過ごせる環境づくりのために活動していきます。