日本/国内災害(公開日:2022.11.02)
【活動報告】子ども向け防災イベントで工作のワークショップを開催:千代田区医師会主催
2022年10月23日に、千代田区医師会主催の子ども向け防災イベント「子ども防災体験〜楽しく学ぶ!〜」が開催されました。このイベントにはセーブ・ザ・チルドレンも参加し、避難生活で役立つ工作のワークショップを行いました。
このイベントは、子どもにもできる防災対策を体験してもらうことを目的としています。会場では、千代田区医師会による心肺蘇生やAEDの使い方講座、陸上自衛隊の防災体験、日赤救急車の展示や起震車体験なども行われました。
新聞紙スリッパ作り
当日は、看護学部の学生がワークショップを手伝ってくれ、新聞紙で作るスリッパなど、避難生活で役立つ工作を実施しました。午前・午後合わせて50人以上の子どもたちが、イラストなどを描き、各自の足のサイズに合わせた自分だけの新聞紙スリッパを作成しました。
体験コーナーでは、災害後に物が散乱した床に見立て、ブロックを敷いたマットの上を歩き、多くの子どもたちが、自分で作ったスリッパの履き心地を確かめていました。また、スリッパを履いていない時の足の感触とも比較し、非常時に足を守るスリッパの重要性を感じていたようです。
どんな時に役に立つのか
地震で床に物が散乱すると、室内でも裸足での移動が危険な場合や、足が汚れて衛生的にも問題がある場合があります。2011年の東日本大震災発生時には、裸足で逃げた子どもたちにスリッパがとても役に立ったという学童指導員の声が寄せられました1。しかし、避難した先ではスリッパがなかったり、不足したりする可能性があります。足を守るスリッパがすぐに手に入らない時でも、1枚の新聞紙で簡単に代用することができます。
参加者の声
今回、参加した子どもたちからは、「スリッパなら物を踏んでも痛くない」「家でもう片方作ってみよう」という声が寄せられました。工作ブースや体験コーナーそれぞれで多くの笑顔などが見られ、楽しみながら防災意識を高めることができた様子が伺えます。
保護者からは、簡単にスリッパを作ることができることへの驚きの声が聞かれました。また、子どもたちが自分のスリッパを作っている姿をうれしそうに見守る姿も見られました。
子どもが日頃から防災活動に関わることで、いざという時の行動や心理的な備えにつながります。今回は工作を通して、親子で楽しく非常時に備えることの大切さをともに感じる防災活動となりました。
今回作った工作は、セーブ・ザ・チルドレンのインターネットサイト2でも作り方を公開しています。また、新聞紙スリッパの他にも様々な避難生活で役立つ工作を紹介しているので、是非、ご家庭でも作り方を共有・確認し、防災意識を高める機会に活用してみてください。
■新聞紙で作るスリッパ(動画はこちら)
■紙で作るお椀(動画はこちら)
■紙で作るコップ(動画はこちら)
(国内事業部緊急・防災チーム インターン 臼井夕菜)
1「東日本大震災学童保育指導員記録集〜学童保育の現場で何が起きていたのか〜」セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンhttps://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/1927/1428463000234.pdf
2セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンhttps://www.savechildren.or.jp/lp/drr/