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日本/国内災害
(公開日:2019.02.25)

【西日本豪雨 緊急支援】岡山県倉敷市で被災した子どもたちへ「給付型緊急子どもサポート 〜卒業応援キャンペーン」を実施

 

20187月の西日本豪雨によって、岡山県倉敷市は真備町を中心に多くの被害が出ました。セーブ・ザ・チルドレンでは、8月から被災した幼稚園、小学校、中学校などに通う子どもたちに対し学用品支援を行いました。

学用品支援の終了の目途も立ち始めた201810月、被災地も仮設住宅やプレハブ校舎が完成するなど緊急時から復興期へと変わり始めていました。そうした状況下で、行政や先生方から子どもたちの進路など今後の不安を聞くようになったため、私たちは、被災した学校などを訪問し、現状を把握しようと努めました。


<受給者から届いたお礼の手紙> 


その中で私たちは、被災によって進路変更を考えたり、家計への負担を気にする子どもが一定数いることを知りました。そこで、セーブ・ザ・チルドレンのこれまでの支援活動の知見を活かして、倉敷市や岡山県の教育関係者などと調整を行い、被災した小、中、高校の子どもたちへの給付金を実施、対象は、進学、就職など新生活への費用負担が大きいことが予想される最終学年としました。

 

さらに、実施にあたり、倉敷市や倉敷市の教育関係者の協力を得て、被災の状況を調査しました。その結果、半壊以上(全壊、大規模半壊、半壊)の被災をうけた世帯がかなり多くあることが分かりました。できる限り多くの子どもたちが感じる進学や新生活への不安を軽減できるようにとの観点から、給付対象の範囲を「一部損壊床上浸水以上」の被災としました。

 

多様な選択肢を提供する

これまでの活動や事前の調査で、卒業を迎える時期には、新入学・新生活に向かってさまざまな準備が必要であることを把握したため、給付金という形で支援を行うことにしました。この方法により、各世帯がもつそれぞれのニーズに対応できると考えました。実際、申請者の使途予定には、日々の学校生活、受験、就職など、さまざまな内容が書かれており、多様なニーズに応えられたのではないか、と考えられます。


 

受給世帯の給付金の使途予定(複数回答)※回答の多かったもの上位5位まで。


 

項目

世帯数

1

制服等新入学に関わる物品の購入

229

61.1%

2

卒業アルバムなど卒業記念品の購入費

91

24.3%

3

進学のための受験料

85

22.7%

4

参考書など教材の購入費

72

19.2%

5

塾の経費

69

18.4%



保護者の声

申請書に書かれた内容や、保護者との話の中から、それぞれの世帯の被災や、生活の状況の一端、支援ニーズについて知ることができました。給付金を受給した世帯の保護者の声を紹介します(抜粋)。


・自宅は2階の床上30cm程まで浸り、衣類や本など多くの物も失いました。息子のタンスは1階にあったので、着る服も少しずつ買いそろえていっています。日常生活用品も一から買っており、通学(中学校への)自転車や、壊れた学習机の購入などに使わせて頂きたいと思います。(小学6年生・父)

 

・住宅のローンが残っている上に、今回西日本豪雨により住居が被害に遭い、子どもの学費にと思っていた貯金を使わなければならなくなりました。そして今後の学費に対しても大きな不安が残っている状態です。(小学6年生・父)

 

・被災の後、片づけ、掃除、自宅修理の手伝いや母の実家への避難生活等で勉強する時間や環境がなかった為、塾に通わせて、受験勉強をさせたいと考えています。(中学3年生・父)

 

・みなし住宅に入ったため、中学校を転校しました。あと半年で卒業でしたが、受験生という事もあり、勉強できる環境を早く探さなければと、手続きをいそぎました。未だに勉強机、ベッドも仮のものです。身の回りの物を少しずつ揃えていきたいと思っています。(中学3年生・母)

 

・引越しにともない通学費がかさみました。(学校への送り迎えや、普段から近くの駅への送迎が必要となりました)(高校3年生・母)

 

・水害保険にも入っておらず、家のリフォームのお金もまたローンになり、これから生活がさらに大変になります。(高校3年生・母)

 

・母子家庭で経済的なゆとりがないところに、災害で全壊の被害に遭いました。大学受験でいろいろな費用が必要になります。(高校3年生・母)

 

行政や、学校関係者などさまざまな人の協力により、今回の災害によって影響を受けた世帯の子どもたちが、少しでも不安を感じることなく新しい学校生活や、就職をスタートできるよう、子どもたち428人(375世帯)へ給付金を届けることができました。

 

(国内事業部 神戸秀樹)


 

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