日本/国内災害(公開日:2019.02.25)
【西日本豪雨 緊急支援】岡山県倉敷市で被災した子どもたちへの学用品支援を実施
2018年7月の西日本豪雨によって、岡山県倉敷市は真備町を中心に、住宅だけでなく市内にある幼稚園、小学校、中学校などの教育施設も大きな被害を受けました。また、日頃から使っていた学用品が使えなくなってしまった子どもたちも大勢おり、学校再開に向けて子どもたちは厳しい環境にありました。こうした状況の中、セーブ・ザ・チルドレンは、倉敷市教育委員会と連携し、真備町などの幼稚園、小学校、中学校へ学用品の提供を行いました。
提供した学用品は、幼稚園へは、運動服(上、下)、制服(上着)、通園バッグなど、小学校には、ソプラノリコーダー、絵の具セット、鍵盤ハーモニカ、裁縫セット、習字セット、中学校へは、通学カバン、自転車ヘルメット、レインコートで、子どもたちが被災前の学校生活を取り戻すために不可欠なものです。2018年8月から提供を開始し、11月に完了しました。
子どもたちにとって良いものを
今回の学用品の支援は、行政や地域の人たちとの緊密な協力のもと行われました。まず、倉敷市教育委員会は、購入に関する実際の業者とのやり取りや、幼稚園や学校からの数量把握などを担当しました。必要とする学用品は、幼稚園、小学校、中学校によりさまざまなで、教育委員会の担当者は、初めに、どのような学用品が必要かという調査を実施し、その後、必要な数の把握を行うなど、被災後の混乱の中、子どもたちの必要な学用品と数の把握を行いました。
また、学用品を準備した会社の中には、店舗が真備町にある会社もあり、自らも困難な環境の中、必要な学用品の手配を進めました。ある店では、店舗が被災したために通常の営業が困難な状況でしたが、店舗の復旧よりも優先して、「子どもたちが長く使えるものを用意したい」と、子どもたちの学用品の調達に奔走していました。
新しい学用品に喜ぶ子どもたち
昨年10月、私たちは、子どもたちと学校の現状を知るために、被災した学校などを訪問しました。ある小学校では毎日、長くて2時間近くかけて通学している子どもたちがいたり、また、ある中学校では、校舎や体育館、校庭などが被災したために部活動が制限されたりしていました。さらに、校舎が使用できないために、他校に間借りした教室やプレハブ校舎で授業を再開している学校もあり、今までとはまったく違う環境で学ぶ子どもたちがいました。学用品を受け取った子どもたちの様子について、学校関係者は、子どもたちは届いた新品の学用品に目を輝かせて喜んでいたと、話していました。
動き出した子どもたちの日常
2019年1月末、私たちは、学用品を届けた小学校を訪問しました。そこでは、リコーダーや鍵盤ハーモニカを使った音楽の授業を見学しました。今回の災害によって、それ以前と異なる状況で日常生活や学校生活を送る子どもたちもたくさんおり、子どもたち一人ひとりが受けた影響について、そのすべてを理解することは簡単ではありません。しかし、音楽の授業の中で、真剣な眼差しで演奏の仕方を学ぶ子どもたちや、一人ひとりと向き合い指導する先生たちの姿があり、少しずつですが、以前あった学びの環境が戻ってきているように感じられました。
これからも、セーブ・ザ・チルドレンは子どもたちの安心、安全な学びのために支援活動を行っていきます。
(国内事業部 神戸秀樹)