日本/国内災害(公開日:2023.09.07)
【活動報告】熊本県で学童保育の災害対応能力向上のための支援活動を開始
セーブ・ザ・チルドレンは、2011年東日本大震災から緊急・復興支援を開始してから、災害支援で、放課後児童クラブ(学童保育)への備品提供や支援員研修、子ども向け出前講座などの支援活動を行ってきました。
学童保育は、学校などと同じように、子どもの居場所として重要な役割を果たす施設ですが、防災活動や災害への備えは、公的な支援も含めて必ずしも十分ではありません。
こうした状況を踏まえて、セーブ・ザ・チルドレンは、熊本県学童保育連絡協議会と連携し、2020年7月豪雨で大きな影響があった、熊本県八代市、人吉市、芦北町、球磨村を中心とした学童保育を対象に、防災活動や災害対応能力強化を目的とした支援活動を開始しました。
2023年6月には、自然災害など緊急時に利用できる大型の救急箱を、対象地域の学童保育56施設に88箱配布しました。
配布した学童保育からは、「これまでは一般家庭にあるような小さな救急箱を設置していて、通常は事足りていても、災害時などには対応できるか不安だったため、大型のものをいただけて良かったです」、「箱を開ける前から、子どもたちにはそれが救急箱だと分かり、興味津々でした。実際に箱を開いて、箱の中に入っている用具について、一つひとつ分かり易く説明しました」などのコメントがありました。
また、7月には八代市において、学童保育支援員や行政の担当者を対象に「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children:子どものためのPFA)」紹介研修を会場とオンラインによるハイブリッド形式で開催し、会場で26人、オンラインで42人の計68人が参加しました。
「子どものためのPFA」とは、災害や紛争などの緊急事態に直面した人たち、特に子どもたちに接する際、支援者が共通して身につけておくべき心構えや対応をまとめたものです。
子どもは、その認知発達段階により必要な支援やコミュニケーションが異なることから、その特有のニーズに支援者が対応できるようになることを目的として開発されました。
この取り組みは、「誰もができる、緊急下の子どものこころのケア」として、日本の災害緊急支援の現場でも、近年積極的に取り入れられています。
研修の前半では、講師から自然災害などの危機的な出来事に直面した子どもたちが示す反応や、どういったときに「子どものためのPFA」が使えるのかを説明、またセーブ・ザ・チルドレンからは、これまでの緊急・復興支援事業の中で見られた、子どもたちの実際の反応の事例などを紹介しました。
研修の後半では、災害後の子どもとの接し方に関する動画を見て気づいたことをグループごとに話し合い、それぞれのグループの発表を通して、子どものこころを傷つけずに対応するためのポイントを確認しました。
研修後、実際に2020年の7月豪雨を経験した支援員から「被災前にこの話を知っておけばもっと落ちついて子どもに対応できたと思う」といった感想がありました。
参加者のアンケートからも「実際に当園の地域も水害をうけました。今後の学習で、子どもたちへのケアを学んでいきたいです」、「子どもの心を傷つけずに対応するためのコミュニケーション力を身につけておきたいです。
気づく、聴く、つなぐための準備において、自分自身の心を整えておくことの大切さを教えてもらいました」などの感想があり、平時から災害に備えておくことの重要性を考える機会になったことがうかがえました。
今後は、すでに配布した大型救急箱に加えて、非常用持ち出し袋の配布を通して災害時に必要な物品を整備し、また、学童保育支援員や自治体職員向けの防災に関する研修・ワークショップを行う予定です。
セーブ・ザ・チルドレンは、引き続き地域の団体や自治体と連携し、学童保育の防災や災害対応能力強化の活動を行っていきます。
(国内事業部・中川 千明)
学童保育は、学校などと同じように、子どもの居場所として重要な役割を果たす施設ですが、防災活動や災害への備えは、公的な支援も含めて必ずしも十分ではありません。
こうした状況を踏まえて、セーブ・ザ・チルドレンは、熊本県学童保育連絡協議会と連携し、2020年7月豪雨で大きな影響があった、熊本県八代市、人吉市、芦北町、球磨村を中心とした学童保育を対象に、防災活動や災害対応能力強化を目的とした支援活動を開始しました。
2023年6月には、自然災害など緊急時に利用できる大型の救急箱を、対象地域の学童保育56施設に88箱配布しました。
配布した学童保育からは、「これまでは一般家庭にあるような小さな救急箱を設置していて、通常は事足りていても、災害時などには対応できるか不安だったため、大型のものをいただけて良かったです」、「箱を開ける前から、子どもたちにはそれが救急箱だと分かり、興味津々でした。実際に箱を開いて、箱の中に入っている用具について、一つひとつ分かり易く説明しました」などのコメントがありました。
また、7月には八代市において、学童保育支援員や行政の担当者を対象に「子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children:子どものためのPFA)」紹介研修を会場とオンラインによるハイブリッド形式で開催し、会場で26人、オンラインで42人の計68人が参加しました。
「子どものためのPFA」とは、災害や紛争などの緊急事態に直面した人たち、特に子どもたちに接する際、支援者が共通して身につけておくべき心構えや対応をまとめたものです。
子どもは、その認知発達段階により必要な支援やコミュニケーションが異なることから、その特有のニーズに支援者が対応できるようになることを目的として開発されました。
この取り組みは、「誰もができる、緊急下の子どものこころのケア」として、日本の災害緊急支援の現場でも、近年積極的に取り入れられています。
研修の前半では、講師から自然災害などの危機的な出来事に直面した子どもたちが示す反応や、どういったときに「子どものためのPFA」が使えるのかを説明、またセーブ・ザ・チルドレンからは、これまでの緊急・復興支援事業の中で見られた、子どもたちの実際の反応の事例などを紹介しました。
研修の後半では、災害後の子どもとの接し方に関する動画を見て気づいたことをグループごとに話し合い、それぞれのグループの発表を通して、子どものこころを傷つけずに対応するためのポイントを確認しました。
研修後、実際に2020年の7月豪雨を経験した支援員から「被災前にこの話を知っておけばもっと落ちついて子どもに対応できたと思う」といった感想がありました。
参加者のアンケートからも「実際に当園の地域も水害をうけました。今後の学習で、子どもたちへのケアを学んでいきたいです」、「子どもの心を傷つけずに対応するためのコミュニケーション力を身につけておきたいです。
気づく、聴く、つなぐための準備において、自分自身の心を整えておくことの大切さを教えてもらいました」などの感想があり、平時から災害に備えておくことの重要性を考える機会になったことがうかがえました。
今後は、すでに配布した大型救急箱に加えて、非常用持ち出し袋の配布を通して災害時に必要な物品を整備し、また、学童保育支援員や自治体職員向けの防災に関する研修・ワークショップを行う予定です。
セーブ・ザ・チルドレンは、引き続き地域の団体や自治体と連携し、学童保育の防災や災害対応能力強化の活動を行っていきます。
(国内事業部・中川 千明)