日本/国内災害(公開日:2021.09.07)
【2020年7月豪雨緊急・復興支援】2020年7月豪雨緊急支援活動を振り返って
セーブ・ザ・チルドレンは、2020年7月に九州地方で発生した豪雨の被災地に対する緊急・復興支援活動を今年3月末まで実施し、災害の影響を受けた3,733人の子どもたちに支援を届けることができました。皆さまのあたたかいご支援に心より感謝申し上げます。
7月豪雨緊急・復興支援活動の完了にあわせて、私たちが実施した活動の方向性が正しかったどうかなどを確認するための振り返りを団体内で行いました(※)。今回は、7月豪雨緊急・復興支援活動での振り返りから、好事例と学びを共有します。
7月豪雨緊急・復興支援活動の完了にあわせて、私たちが実施した活動の方向性が正しかったどうかなどを確認するための振り返りを団体内で行いました(※)。今回は、7月豪雨緊急・復興支援活動での振り返りから、好事例と学びを共有します。
外部パートナー団体との連携による迅速な支援の実施
セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、被災地域にスタッフを派遣せず、東京から遠隔で緊急支援活動を実施したため、災害の影響を受けた子どもや親、養育者、関係者の方々から直接話を聞くことはできませんでした。
しかし、普段からつながりのあった被災地域内の子ども・子育て支援団体、避難所運営や保健医療支援を行うパートナー団体と連携し、子どもに関する情報と必要な支援を把握することができました。
その結果、より支援が必要な、在宅避難のひとり親家庭などへ衣類などを配布したり、避難所に避難している子どもたちに絵本や遊び道具を届けたりすることもできました。
また、NPOくまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD)が主催する情報共有オンライン会議にほぼ毎日参加し、情報の収集・共有を行ったことで、私たちで対応できない支援依頼などを他団体へ速やかにつなぐこともできました。
このように地域の子ども・子育て団体、災害支援団体などと協力関係を築くことで、遠隔からでも地域の意見をくみ取り、被災した子どもや親、養育者が必要としている支援を、必要な時に、迅速に届けることができたのではないかと考えます。
また、私たちが、普段からさまざまな団体と研修や活動をともに行っていたことや、セーブ・ザ・チルドレン内で緊急・復興支援活動の明確な方針や手順が共有され、支援計画に柔軟性があったことも、変化するニーズに迅速に応えることへつながったのではないかと思います。
<学び1>より配慮が必要な子どもたちへのアプローチ強化
災害時、年齢や性別、障害、健康状態、支援へのアクセスの制限などにより、より脆弱な状況に置かれてしまう子どもがいます。2020年7月豪雨緊急・復興支援では、地域団体や自治体などと協力し、放課後等デイサービスや特別支援学校の再開にあわせて施設備品などの支援活動を行いましたが、配慮が必要な子どもたちへの支援は限定的でした。今後、初動調査時により配慮が必要な子どもたちの状況を把握できるよう、調査方法の見直しや、専門家団体のリスト作成、内部スタッフの能力強化研修などを強化していきます。
<学び2>支援を受けた子どもや大人、一緒に支援活動をする団体などから、フィードバッグを受けるための仕組みづくりの強化
セーブ・ザ・チルドレンは、支援を届けた子どもや大人、私たちと一緒に活動をしている団体などが活動の中で困ったことや意見などを伝える仕組みを持っていて、届いた声を活動の改善に反映させていくことを大切にしています。
これまで、私たちが実施した緊急・復興支援活動では、支援を受け取った人たちから直接要望や意見を受けとり、それらを活動の改善に活かすよう努めてきました。しかし、2020年7月豪雨緊急・復興支援活動では、遠隔からの活動であったため、支援を受け取った人や活動をともにした団体などから、直接声を聞いたり要望を得たりする機会がありませんでした。そのため、これまで私たちが実施してきた緊急・復興支援活動でのフィードバックの仕組みが、今回の支援活動では十分に機能しなかった可能性が考えられます。
今後は、遠隔からの支援を見据えた仕組みを早急に構築し、支援を受け取った人や活動をともにした人たちが、随時困っていることや気付いたことなどを安心して伝えることができるよう、パートナー団体の協力も得ながら準備を進めていきます。
まとめ
私たちが緊急支援活動の取り組みの一つとして大切にしていることは、私たちの事業内容や成果について、活動を支援してくださる方々と、私たちが支援活動でかかわる子どもや大人へ説明責任を果たすことです。今回の振り返りから得た学びを、次の緊急・復興支援活動へ活かせるよう、取り組みを進めていきます。
(※)振り返りについて
セーブ・ザ・チルドレンは、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、被災地域にスタッフを派遣せず、東京から遠隔で緊急支援活動を実施したため、災害の影響を受けた子どもや親、養育者、関係者の方々から直接話を聞くことはできませんでした。
しかし、普段からつながりのあった被災地域内の子ども・子育て支援団体、避難所運営や保健医療支援を行うパートナー団体と連携し、子どもに関する情報と必要な支援を把握することができました。
その結果、より支援が必要な、在宅避難のひとり親家庭などへ衣類などを配布したり、避難所に避難している子どもたちに絵本や遊び道具を届けたりすることもできました。
また、NPOくまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD)が主催する情報共有オンライン会議にほぼ毎日参加し、情報の収集・共有を行ったことで、私たちで対応できない支援依頼などを他団体へ速やかにつなぐこともできました。
このように地域の子ども・子育て団体、災害支援団体などと協力関係を築くことで、遠隔からでも地域の意見をくみ取り、被災した子どもや親、養育者が必要としている支援を、必要な時に、迅速に届けることができたのではないかと考えます。
また、私たちが、普段からさまざまな団体と研修や活動をともに行っていたことや、セーブ・ザ・チルドレン内で緊急・復興支援活動の明確な方針や手順が共有され、支援計画に柔軟性があったことも、変化するニーズに迅速に応えることへつながったのではないかと思います。
<学び1>より配慮が必要な子どもたちへのアプローチ強化
災害時、年齢や性別、障害、健康状態、支援へのアクセスの制限などにより、より脆弱な状況に置かれてしまう子どもがいます。2020年7月豪雨緊急・復興支援では、地域団体や自治体などと協力し、放課後等デイサービスや特別支援学校の再開にあわせて施設備品などの支援活動を行いましたが、配慮が必要な子どもたちへの支援は限定的でした。今後、初動調査時により配慮が必要な子どもたちの状況を把握できるよう、調査方法の見直しや、専門家団体のリスト作成、内部スタッフの能力強化研修などを強化していきます。
<学び2>支援を受けた子どもや大人、一緒に支援活動をする団体などから、フィードバッグを受けるための仕組みづくりの強化
セーブ・ザ・チルドレンは、支援を届けた子どもや大人、私たちと一緒に活動をしている団体などが活動の中で困ったことや意見などを伝える仕組みを持っていて、届いた声を活動の改善に反映させていくことを大切にしています。
これまで、私たちが実施した緊急・復興支援活動では、支援を受け取った人たちから直接要望や意見を受けとり、それらを活動の改善に活かすよう努めてきました。しかし、2020年7月豪雨緊急・復興支援活動では、遠隔からの活動であったため、支援を受け取った人や活動をともにした団体などから、直接声を聞いたり要望を得たりする機会がありませんでした。そのため、これまで私たちが実施してきた緊急・復興支援活動でのフィードバックの仕組みが、今回の支援活動では十分に機能しなかった可能性が考えられます。
今後は、遠隔からの支援を見据えた仕組みを早急に構築し、支援を受け取った人や活動をともにした人たちが、随時困っていることや気付いたことなどを安心して伝えることができるよう、パートナー団体の協力も得ながら準備を進めていきます。
まとめ
私たちが緊急支援活動の取り組みの一つとして大切にしていることは、私たちの事業内容や成果について、活動を支援してくださる方々と、私たちが支援活動でかかわる子どもや大人へ説明責任を果たすことです。今回の振り返りから得た学びを、次の緊急・復興支援活動へ活かせるよう、取り組みを進めていきます。
(※)振り返りについて
- 目的:セーブ・ザ・チルドレンが行った支援活動の方向性が正しかったかどうか確認するため
- 対象者:2020年7月豪雨緊急支援活動に従事したセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのスタッフ7人
- 方法:「人道支援の質と説明責任に関する基準( Core Humanitarian Standard on Quality and Accountability:CHS)* 」と「チャイルドセーフガーデイング(Child safeguarding: CS)」の要素に基づいて作成した振り返りシートに回答。
- 回答期間:2021 年3 月31 日から4 月21 日