日本/国内災害(公開日:2023.05.30)
【シリーズ第1回:災害時(さいがいじ)の多様性(たようせい)についてかんがえる】災害と多様性
《多様性ってなんだろう》
みなさんは、多様性という言葉をきいたことがありますか。
多様性とは「人にはそれぞれ生まれつきのちがいや、生きていく中で獲得したちがいがあり、一人ひとりが貴重な存在である[1]」ということです。
多様性という言葉は、あらゆる場面でつかわれます。たとえば、性別、生まれた国や肌の色の違い、障害などです。他にもありますが、大切なことは、このような、それぞれのちがいをおたがいに尊重しあうことです。
《災害と多様性》
普段の生活に加えて、地震や大雨など自然災害がおこったときは、いつも以上に多様性を考えることが重要になります。
なぜなら、多様な人たちのなかには、社会的に弱い立場にある人もいるからです。じっさいに、社会的に弱い立場にある人は、災害時に取りのこされてしまいがちだといわれています。
たとえば、日本に住んでいるけれども日本語が不自由な外国人や外国にルーツがある人(国籍に関係なく両親または両親のどちらかが外国出身である人)、障害のある人、高齢者などです。
また、ジェンダー格差(社会的・文化的な性差による偏見・差別・不平等のこと)の大きな国ほど、災害時の「女性」の被害が大きくなるというデータがあります。そのため、女性は、男性とくらべると弱い立場にあるといえるでしょう。
たとえば、宗教的に、普段から女性が一人で外出することを制限されている国や地域では、災害時に女性が一人で避難することができないことがあります。
日本でも過去の災害では、避難所に生理用品がとどかないことや、プライバシーのないところで着替えや授乳をしなくてはならないといった問題がありました。
(避難所での過ごし方についてはコチラ→【シリーズ第5回:みんなで考えよう!しぜんさいがいとぼうさい】しぜんさいがいが おきた時の ひなん生活に そなえて、ひなんじょでの すごし方や できることを 考えてみよう!(savechildren.or.jp))
このシリーズでは、災害時の多様性について課題や取りくみを紹介していきます。次回は、災害と障害のある人ついてお伝えしていきます。(つづきはコチラ)
《多様性に配慮した災害への備えについて、もっと学べるサイト》
l 災害弱者とは?過去の大災害から見る災害時の対策を紹介します| 自然災害調査士®(shizensaigaichosashi.jp)
l 災害弱者のCWAP:避難する時に配慮が必要な4人の避難者 | 災害医療大学(bigfjbook.com)
l 災害弱者の防災対策(子供、高齢者、ペットなど) | 防災対策情報サイト≪防災メイト≫ (bousai-mate.net)
※このブログは2023年5月に作成しました。
防災に関する最新の情報は内閣府のホームページをごらんください。
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[1] https://www.savethechildren.org/content/dam/usa/reports/advocacy/diversity-equity-inclusion-strategy-2021.pdfから和訳
(国内事業部インターン 野田麻子)