日本/国内災害(公開日:2023.09.12)
【シリーズ第8回:災害時(さいがいじ)の多様性(たようせい)についてかんがえる】災害とジェンダー(3)
このブログは災害時の多様性についてかんがえるシリーズです。
今回はジェンダーやセクシュアリティ(性のあり方)について全3回のうちの第3回目です。
前回は、LGBTQの支援や、自治体や学校での理解促進をしている認定NPO法人ReBitにLGBTQの人は災害がおきたときにどのようなことでこまるのかを聞きました。(前回の記事はこちら)
セーブ・ザ・チルドレン: |
前回はLGBTQのいろいろなこまりごとについて教えていただきました。 今回はそのようなこまりごとを解決するために一番大事なことはなんなのかを教えてください。 |
リビット: |
一番大事なのは、LGBTQへの理解のある雰囲気をつくっていくことです。 |
| 災害時にこまることってなんだろうと考えると、それは災害時だからこまっているというよりも、いつもこまっているということばかりだと思うんです。 |
セーブ・ザ・チルドレン: |
なるほど。確かにそうですね。災害時のこまりごとを解決するためには、日ごろから、社会の意識や理解をつくりだすことが必要ですね。 それでは社会の意識や理解をつくりだすために、今日からはじめられることはありますか。 |
リビット: |
はい。 |
| いくつかありますが、1つは、不要な男女分けの見直しだと思います。 避難所の運営においてもいわれる、「男の人は避難所の設営をしましょう」「女の人は炊き出しや掃除をしましょう」という役割分担はどこから始まっているのかと考えてみると、実は慣習上の男女分けから始まっているものが多くあります。たとえば小学校の委員会活動や、会社での会議室の設営は男性社員、来客の対応は女性がするというようなことです。何かで区分をしたい、人数を半分に割りたいというときに、特に男女の必然性はないのだけれども、男性・女性というふうにしてしまうみたいなところがあるんじゃないかと思うので、そういうところでこれはいらない男女分けでは?と考えなおしてみるのがいいかもしれません。
そしてもう一つは、だれかの見た目で、性別や関係性を決めつけないということです。 たとえば、見た目が女性の大人一人と子ども一人の二人組を見ると、見た目が女性に見える人のことを「お母さん」と思ってしまうとか、子どもをよびとめるときに、名前がわからなかったら、「そこの男の子〜」などとよんでしまうというようなことです。そういった性別と関係性を見た目から判断してこちらがわりあててよびかけているような場面がないかということは日ごろから気にかけられると、災害時も同じように気にかけられるだろうなと思います。
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セーブ・ザ・チルドレン: |
ありがとうございます。 習慣的に根付いている意識や考え方を変えていくことはとてもむずかしいことだと思いますが、それをしていくことで、だれもが生きやすい社会に近づくのですね。私たちも始められることからやっていきたいと思います。 |
《まとめ》
今回は災害時の多様性ということで、ジェンダーやセクシュアリティ(性のあり方)をテーマにお話ししました。
ReBitのみなさん、ご協力ありがとうございました。
今回で災害時の多様性についてかんがえるシリーズはおわりです。
このシリーズでは、今まで障害のある人や外国人・外国にルーツのある人、そしてジェンダーやセクシュアリティ(性のあり方)にかんすることを取りあげてきました。共通していえることは、「多様な一人ひとりが、災害時であっても尊厳ある避難生活をおくる権利があるのだということ」そして「日ごろからできないことは災害時にもできない」ということです。
災害が起きてしまってからではなく、日ごろの小さなところから、意識を変えてみることが大切なのだと思います。
《多様性に配慮した災害への備えについて、もっと学べるサイト》
・災害対応力を強化する女性の視点 | 内閣府男女共同参画局(gender.go.jp)
・“女性の視点に立った防災”が必要 : 藤原しおり(元ブルゾンちえみ)さんたちと考える | 2021年度 | トピックス | ニュース - JICA
・避難所と女性・LGBT | 防災の新常識、最新事情 | 暮らしと健康 | お役立ち情報コラム | 楽しむ・応募・投稿 | 教職員共済(kyousyokuin.or.jp)
※このブログは2023年8月に作成しました。
防災に関する最新の情報は内閣府のホームページをごらんください。
(国内事業部インターン 野田麻子)