日本/国内災害(公開日:2022.01.11)
【休眠預金等活用法に基づく新型コロナウイルス対応緊急支援助成】実行団体「SOS子どもの村JAPAN」を訪問しました
セーブ・ザ・チルドレンは、休眠預金等活用法に基づくJANPIA(一般財団法人日本民間公益活動連携機構)による新型コロナウイルス対応緊急支援助成の資金分配団体として、全国で子ども支援を行うNPOなど17の実行団体に2020年10月から助成を実施しています。
2021年12月に、実行団体の1つである福岡県の「SOS子どもの村JAPAN」(事業実施場所の名称は「子どもの村福岡」)を訪問し、事業の現場を見学したり、担当者や現場スタッフと本事業の振り返りを行ったりしました。
(「子どもの村福岡」正面)
【事業概要】
団体名:認定特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPAN
事業名:コロナ禍における虐待防止と家族の分離予防
事業期間:2020年10月〜2021年9月
事業地:福岡県
活動内容:子どもショートステイ施設の整備、利用家族へのアセスメント、継続支援。
【「子どもの村」の様子】
「子どもの村福岡」には5軒の家があり、村長を筆頭に、育親(里親)、ファミリーアシスタント(育親を生活面で支えるスタッフ)、臨床心理士・ソーシャルワーカー・医師などの専門家たちが、チームとして里親養育に取り組んでいます。
そのうちの1棟を、福岡市との協働事業で2020年4月から虐待防止と家族の分離予防を目的としたショートステイ専用棟として運用開始しました。しかし、利用希望者が多く大半を断らなければならない状況に陥り、同年10月から休眠預金事業によりさらに1棟をショートステイ専用棟として2棟体制に事業を拡大しました。
休眠預金事業開始当初から、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフは事業地を訪問することはできず、オンライン会議を通して事業の進捗確認などを行っていました。
今回、東京都などに出されていた緊急事態宣言が解除されていたこともあり、また、事業終了後の振り返りのタイミングでもあったため訪問が実現しました。
(「子どもの村福岡」中庭からの様子)
豊かな自然環境のなか、育親さんと現在8人の子どもたちがそれぞれ生活している家と、スタッフが仕事をする建物、イベントもできるホールなどが広い庭を囲むようにして建っています。
訪問時は平日の日中ということもあって子どもたちは学校に通っていましたが、放課後や休日は、敷地内でキャッチボールや縄跳び、砂遊びなどをして元気に遊んでいるそうです。
今回の事業で整備した子どもショートステイ専用棟では、保護者の「育児疲れ」や「入院・疾病」、「仕事」などを理由として、主に未就学児の受け入れを行っています。
室内には、木製のおもちゃや、たくさんの絵本もあり、子どもたちが保護者と離れている間も安心して楽しく過ごせる環境が整っています。2021年9月に助成事業が終了した後は、行政の委託事業として、ショートステイの受け入れを継続して実施しています。
(ショートステイ専用棟の室内の様子)
【「SOS子どもの村JAPAN」スタッフの声】
「村」を見学したあとは、SOS子どもの村JAPANの本助成事業担当者や現場スタッフと事業の振り返りを行いました。
現場スタッフから、ショートステイの受け入れ数の増加とともに子どもを預かる家庭のさまざまな背景も見えてきて、それに対応する環境づくりやスタッフの体制強化ができたことが本助成事業の成果であったという話がありました。
また、「子どもの村福岡」は、子どもの遊びが保障される環境であることや、家庭の延長線上で子どもを預かることができるので保護者の安心感にもつながっているといいます。
今回の助成によりショートステイ専用棟を整備できたことで、利用者のニーズに応えることができていることを実感する一方、ショートステイのニーズは引き続き高まっていて、受け入れできずにお断りするケースもあることから、より行政と連携を強化して、子どもを預かるだけではなく、保護者の支援を制度として整えていく必要があるという今後の課題も見えてきました。
新型コロナウイルス対応緊急支援助成事業は、2022年1月末までに全17の実行団体が事業終了を迎えますが、セーブ・ザ・チルドレンは、本事業を通して見えた子どもを取り巻く課題や必要な支援について、今後も広く社会に伝え、政策提言などにつなげていきます。
事業概要や、実行団体一覧、活動報告は以下をご覧ください。
「新型コロナウイルス対応緊急支援助成〜社会的脆弱性の高い子どもの支援強化事業〜」特設サイトはこちら
報告:国内事業部助成事業担当 佐々木有紀
<JANPIA及び休眠預金等活用法について>
「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)は2016年に成立した法律で、この法律に基づき、10年以上取引のない預金等(休眠預金等)を社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度が2019年度より始まりました。JANPIA(一般財団法人日本民間公益活動連携機構)は休眠預金等活用法に基く指定活用団体として、休眠預金を活用した民間公益活動の促進を目的として設立された団体です。金融機関に預けられた休眠預金は、預金保険機構から指定活用団体へ交付され、そこから資金分配団体へ、更に資金分配団体から実行団体へと助成されます。
詳細はJANPIAのHPをご覧ください。https://www.janpia.or.jp/kyumin/
2021年12月に、実行団体の1つである福岡県の「SOS子どもの村JAPAN」(事業実施場所の名称は「子どもの村福岡」)を訪問し、事業の現場を見学したり、担当者や現場スタッフと本事業の振り返りを行ったりしました。
(「子どもの村福岡」正面)
【事業概要】
団体名:認定特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPAN
事業名:コロナ禍における虐待防止と家族の分離予防
事業期間:2020年10月〜2021年9月
事業地:福岡県
活動内容:子どもショートステイ施設の整備、利用家族へのアセスメント、継続支援。
【「子どもの村」の様子】
「子どもの村福岡」には5軒の家があり、村長を筆頭に、育親(里親)、ファミリーアシスタント(育親を生活面で支えるスタッフ)、臨床心理士・ソーシャルワーカー・医師などの専門家たちが、チームとして里親養育に取り組んでいます。
そのうちの1棟を、福岡市との協働事業で2020年4月から虐待防止と家族の分離予防を目的としたショートステイ専用棟として運用開始しました。しかし、利用希望者が多く大半を断らなければならない状況に陥り、同年10月から休眠預金事業によりさらに1棟をショートステイ専用棟として2棟体制に事業を拡大しました。
休眠預金事業開始当初から、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフは事業地を訪問することはできず、オンライン会議を通して事業の進捗確認などを行っていました。
今回、東京都などに出されていた緊急事態宣言が解除されていたこともあり、また、事業終了後の振り返りのタイミングでもあったため訪問が実現しました。
(「子どもの村福岡」中庭からの様子)
豊かな自然環境のなか、育親さんと現在8人の子どもたちがそれぞれ生活している家と、スタッフが仕事をする建物、イベントもできるホールなどが広い庭を囲むようにして建っています。
訪問時は平日の日中ということもあって子どもたちは学校に通っていましたが、放課後や休日は、敷地内でキャッチボールや縄跳び、砂遊びなどをして元気に遊んでいるそうです。
今回の事業で整備した子どもショートステイ専用棟では、保護者の「育児疲れ」や「入院・疾病」、「仕事」などを理由として、主に未就学児の受け入れを行っています。
室内には、木製のおもちゃや、たくさんの絵本もあり、子どもたちが保護者と離れている間も安心して楽しく過ごせる環境が整っています。2021年9月に助成事業が終了した後は、行政の委託事業として、ショートステイの受け入れを継続して実施しています。
(ショートステイ専用棟の室内の様子)
【「SOS子どもの村JAPAN」スタッフの声】
「村」を見学したあとは、SOS子どもの村JAPANの本助成事業担当者や現場スタッフと事業の振り返りを行いました。
現場スタッフから、ショートステイの受け入れ数の増加とともに子どもを預かる家庭のさまざまな背景も見えてきて、それに対応する環境づくりやスタッフの体制強化ができたことが本助成事業の成果であったという話がありました。
また、「子どもの村福岡」は、子どもの遊びが保障される環境であることや、家庭の延長線上で子どもを預かることができるので保護者の安心感にもつながっているといいます。
今回の助成によりショートステイ専用棟を整備できたことで、利用者のニーズに応えることができていることを実感する一方、ショートステイのニーズは引き続き高まっていて、受け入れできずにお断りするケースもあることから、より行政と連携を強化して、子どもを預かるだけではなく、保護者の支援を制度として整えていく必要があるという今後の課題も見えてきました。
新型コロナウイルス対応緊急支援助成事業は、2022年1月末までに全17の実行団体が事業終了を迎えますが、セーブ・ザ・チルドレンは、本事業を通して見えた子どもを取り巻く課題や必要な支援について、今後も広く社会に伝え、政策提言などにつなげていきます。
事業概要や、実行団体一覧、活動報告は以下をご覧ください。
「新型コロナウイルス対応緊急支援助成〜社会的脆弱性の高い子どもの支援強化事業〜」特設サイトはこちら
報告:国内事業部助成事業担当 佐々木有紀
<JANPIA及び休眠預金等活用法について>
「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)は2016年に成立した法律で、この法律に基づき、10年以上取引のない預金等(休眠預金等)を社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度が2019年度より始まりました。JANPIA(一般財団法人日本民間公益活動連携機構)は休眠預金等活用法に基く指定活用団体として、休眠預金を活用した民間公益活動の促進を目的として設立された団体です。金融機関に預けられた休眠預金は、預金保険機構から指定活用団体へ交付され、そこから資金分配団体へ、更に資金分配団体から実行団体へと助成されます。
詳細はJANPIAのHPをご覧ください。https://www.janpia.or.jp/kyumin/