アドボカシー(公開日:2013.06.28)
TICAD V公式サイドイベント開催報告(2013.06.28)
サーリーフ・リベリア共和国大統領が基調講演を行いました
5月31日TICAD V公式サイドイベント「包摂的成長と不平等の克服
?ポスト2015年開発枠組みへのTICAD Vの貢献」開催報告
TICAD V開幕前日の5月31日、「動く→動かす」、国際協力NGOセンター(JANIC)、オックスファム・ジャパン、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、リベリア共和国エレン・ジョンソン=サーリーフ大統領を基調講演者にお迎えし、TICAD V公式サイドイベント「包摂的成長と不平等の克服?ポスト2015年開発枠組みへのTICAD Vの貢献」と題したシンポジウムを開催しました。
基調講演を行うサーリーフ大統領 ©Oxfam Japan
シンポジウムは、「不平等は貧困の根絶に向けた世界的な課題であり、ドラスティックな経済変革が不可欠」というサーリーフ大統領の力強い基調講演から始まり、続いて「動く→動かす」代表津山直子氏、外務省地球規模課題審議官香川剛廣氏、国連開発計画アフリカ局チーフエコノミスト兼戦略・アドバイザリーユニット長ペドロ・コンセイソン氏、世界銀行アフリカ地域総局戦略業務局長コリン・ブルース氏、オックスファム対アフリカ連合連絡事務所長デズィレ・アソグバヴィ氏、国際協力NGOセンター理事長大橋正明氏より、それぞれの視点から経済発展の利益が最も脆弱で貧しい人々にも還元される「包摂的成長」と不平等・格差の解消をいかに実現するべきか、コメントが出されました。
アフリカの急速な経済成長を背景に、企業による投資促進が優先的テーマとされたTICAD Vにおいて、NGO側の主張としては以下のような点が挙げられました:
・不平等・格差の克服は、社会統合と安定にとって不可欠。
・貧困層に焦点を当て、かつ富裕層と貧困層の格差解消の目標化、富や資源の衡平な分配が必要。
・貧困層にも届く「包摂的成長」のためには、雇用、産業、農業、基礎社会サービス、環境、社会保障、租税といった分野の政策や法的枠組みを見直し、衡平で持続可能な開発・経済モデルへの転換が必要。
・土地収奪問題など、コミュニティに影響を与える企業行動の規制、透明性の向上が必要。
・ジェンダー差別など、構造的要因の除去が必要。
・権利基盤のアプローチ、透明で市民社会参加型のプロセス、ガバナンスの改善が必要。
・格差解消に向けた各国の政策・知見の共有、日本は水俣や福島などの経験の世界への共有が必要。
シンポジウムの議事概要およびスピーカーのプレゼンテーション資料は、こちらからダウンロード頂けます。
シンポジウム議事概要
国連開発計画アフリカ局ペドロ・コンセイソン氏のプレゼンテーション
オックスファム対アフリカ連合連絡事務所デズィレ・アソグバヴィ氏のプレゼンテーション
国際協力NGOセンター大橋正明氏のプレゼンテーション