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アドボカシー
(公開日:2021.12.06)

【活動報告】11月20日世界こどもの日に、気候変動をテーマとしたオンラインイベント開催

 
セーブ・ザ・チルドレンは、11月20日の世界こどもの日に「COP26と気候変動をテーマとしたアートから考えよう!〜持続可能な世界のために今、私たちにできること〜」を開催しました。


イベントの様子はこちらの動画をご覧ください

イベントでは、気候変動をテーマとしたアートコンテストで受賞した中学生や高校生、また専門家や環境省の担当者が発表やコメントを行い、気候変動について理解を深め、自分たちにできることを考える機会となりました。
プログラムごとの発表内容やコメントは、次のような内容となります。

■発表1:気候変動と世界の動き
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー・スペシャリスト 大野容子
世界で起きている気候変動は、地球温暖化によって引き起こされます。地球の気温は、約200年前の平均気温と比べ、約1度上がっています。気候変動により、地球環境、生物、そして子どもたちに大きな影響が出ています。世界では、これ以上地球の気温を上げないよう、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)などを通して、取り組みを進めています。

■発表2:COP26のポイント
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)事務局次長・気候変動プログラムリーダー 遠藤理紗氏

10月31日〜11月13日に、第26回目となるCOPの会議(COP26)がイギリス・グラスゴーで開催され、次の8つの内容を含む「グラスゴー気候約束」が合意されました。(1)人間の活動がこれまでに約1.1℃の地球温暖化を引き起こしているという事実を受け止めること、(2)世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるために努力をすること、(3)そのために世界の温室効果ガスの排出量をできる限り速く、そして大きな規模で継続して削減すること、(4)影響を受けやすい最も弱い立場にある人々への支援を忘れずに、クリーンなエネルギーシステムに移行すること、(5)自然を守ること、(6)気候変動の悪い影響に適応する能力を高め、起こってしまう損失や被害に対処すること(7)途上国に対し、技術や資金、能力開発を支援すること、(8)将来の世代に問題を先送りしないように今すぐ行動すること



気候変動をテーマとしたアートコンテスト受賞者の中学生、高校生は、コンテストに参加した理由や気候変動に対する考えを、次のように述べました。

※それぞれの参加者の作品は、上記の動画、またはアートコンテストのサイトよりご確認ください。

■宮原万結子さん 『ともに生きる』 アジア地域大会:グリーンエネルギーの部銀賞(第2位)、日本国内大会:13才〜17才の部 最優秀賞
気候変動にはアートコンテストに参加する前から興味があり、中学生の頃は、分類別のゴミ箱を設置したり、高校ではペットボトルやコンタクトケースを回収して資源を有効活用できるように取り組んだりしました。美術の授業で絵を描いていたところ、今回のコンテストがあることを知り、応募しました。動物と人間が一緒に生きるべき、という考えを大事にしたいため、この絵を描きました。気候変動の問題を解決するためには、自分の周りでできるささいなことからはじめ、環境に配慮した企業の製品を購入するといったこともできると思います。

■五十嵐陽向さん(12才) 「STOP 地球温暖化!! 私たちができること」 日本国内大会:12才以下の部 優秀賞
私の祖父母は、実際に豪雨の影響を受けました。それがきっかけで気候変動について調べ、学校の社会の授業で発表をしました。調べれば調べるほど、気候変動の影響が深刻であることを知り、今回のコンテストに応募しました。動画の作品は2分以内という時間制限があり、短い時間のなかで伝えたいメッセージを盛り込むことが大変でした。私たち一人ひとりが、小さなことから意識を持って取り組んでいけたらいいと思います。また、世界のリーダーたちには、これまで以上に国を越えて協力して気候変動の対策に取り組んでほしいです。

■いとうゆうこさん(16才)「Reflection」 日本国内大会 13才〜17才の部 優秀賞
上下鏡写しの構図であることと、私たちの行動は現実世界に反映されていくという意味を込めて「Reflection」というタイトルにしました。絵の上半分は、地球規模で環境汚染が進み、気候が変わりつつある「現実」の世界で、下半分は、本来あるべき気候や自然の「象徴」として描きました。それぞれの世界に佇む女の子がどんな思いでいるのか、どんな表情をしているのか、またこの背景にあるストーリーを想像していただき、環境問題を考えるきっかけにしてもらえたらと願います。私もこの地球環境に責任ある一人として現状を学び、行動に移していきたいと思います。

最後に、これまでの話を受け、日本政府の立場から環境省地球環境局国際連携課の大井通博課長、そしてJACSES遠藤理紗氏よりコメントが述べられました。また、今回、小泉進次郎衆議院議員(前環境大臣・気候変動担当大臣)から、ビデオメッセージの形で気候変動への取り組みの紹介がありました。

■環境省地球環境局国際連携課 大井通博課長
これまでのCOPは国同士の交渉が中心の会議でしたが、今回のCOP26は、国同士の交渉にとどまらず、企業、NGO、若者など、たくさんの人々の参加があり、みんなの会議という印象を受けました。今回の「グラスゴー気候約束」では、世界が取り組むべきさまざまな重要事項が決められ、それぞれの関係者(ステークホルダー)の果たす役割が確認され、若者の参加を確保することも決められました。

■小泉進次郎衆議院議員(前環境大臣・気候変動担当大臣):ビデオメッセージ
環境大臣としてCOP25を経験し、その後、大臣として2年間超の期間で、石炭政策の見直しや、再生可能エネルギー最優先の原則、プラスチックの法律、動物愛護の政策などに取り組みました。一方、気候変動政策への関心がまだ世の中では十分に高まっているとは思えません。若い世代が政府の気候変動の取り組みに注目しているということが、議員や国会に伝われば、もっともっと日本の気候変動政策が早く進むと思います。

■JACSES 事務局次長・気候変動プログラムリーダー 遠藤理紗氏
気候変動をさまざまな方向から考えてほしいと思います。気候変動の原因となる温室効果ガスを減らすためどのようなことができるか、また気候変動の影響を受けやすい国・人・コミュニティにどのようなことができるか考えてみてください。日本国内の取り組みと、世界への貢献、両方が重要です。すべての関係者(マルチステークホルダー)が協力し、取り組みを大きくしていかなければなりません。気候変動について、もっと深く考えたいという人は、ぜひ将来JACSESのインターンとしての活動も考えてみてください。

セーブ・ザ・チルドレンは、今後も子どもたちの将来に大きな影響を及ぼす気候変動問題に、子どもや若者と一緒に取り組んでいきます。私たち一人ひとりができる活動や、日本を含む世界各国の首脳や代表などに気候変動問題に対して今すぐ行動を起こすことを求める活動にみなさまも関心を持ってみてください。

 

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