アドボカシー(公開日:2016.11.04)
予防接種に関する報告書を発表「より広く、速く、公平に: 最後の一人の子どもまで予防接種を届ける」
セーブ・ザ・チルドレンは予防接種に関する新しい報告書を発表しました。「より広く、速く、公平に: 最後の一人の子どもまで予防接種を届ける」(”Further, Faster, Fairer: Reaching every last child with immunization”)は、未だに予防接種を受けられずにいる子どもは、誰であり、どういった環境にいる子どもであるのかを明らかにした上で、最後の一人の子どもまで予防接種を届ける障壁となっている課題とそれに対する必要なアクションを提示しています。
過去10年で予防接種率は大きく進展し、現在世界の86%の1歳以下の子どもが最低限の予防接種を受けています。しかしこの進度も近年ゆるやかになり、現在の進捗状況では2011−2020年Global VaccineAction Plan (予防接種率改善のための世界的な枠組み)で掲げている目標達成が難しくなっています。世界の1歳以下の子どものうち7人に1人、1,940万人は未だに必要最低限の予防接種を享受できていません。本報告書はそういった予防接種を受けられずにいる子どもが、受けられている子どもと混在しているのではなく、組織的に疎外された特定のコミュニティに集中していることを明らかにしています。
全ての子どもには、健康に育つ権利の一部として予防接種を受ける権利があります。この報告書は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成に向けて、国家の政策と資源の選択が、予防接種と他の最低限の保健医療サービスを最後の一人の子どもまで届くことを確実にすると訴えています。より公正で衡平な世界の課税制度、目的に沿った開発支援、手頃な価格のワクチン、未接種の子どもがいる国のニーズに見合った調査課題など、最後の一人の子どもにまで予防接種を届ける国の能力に影響を与える要因について調査しています。また、子どもへの説明責任を果たすこと、サービスの提供に対する世帯とコミュニティレベルの障壁など、国々が前進するために取り掛かるべきほかの重要事項についても取り上げています。
最後の一人の子どもに予防接種を届けるために、新しく見直された政治的リーダーシップとコミットメント、投資が必要です。全てのレベルのアクターが最後の一人の子どもにまで予防接種の権利を確実にもたらす責任があります。セーブ・ザ・チルドレンは、本報告書を通して政府、開発のパートナー、民間セクター、市民社会にこの課題の前進のために行動することを呼びかけています。
報告書全文はこちらから(英語)