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アドボカシー
(公開日:2020.08.04)

暴力と虐待 新型コロナウイルス感染症以上に大きな脅威に−アジア太平洋地域の少女

 

セーブ・ザ・チルドレンとプランインターナショナルは、アジア太平洋地域の少女たちについての報告書『Because We Matter: Addressing COVID-19 And Violence Against Girls in Asia-Pacific』を発表し、新型コロナウイルス感染症の影響により深刻化するさまざまな暴力と、今後取り組むべき対応策について明らかにしています。



また、セーブ・ザ・チルドレンが先日発表した『この危機から教育を救おう(SAVE OUR EDUCATION)』によると、およそ1,000万人の子どもたちが新型コロナウイルス感染症対策によるロックダウン(都市封鎖)の影響で、その解除後も復学できない恐れがあり、また、国連は、世界でロックダウンが3ヶ月間延長されるたびに、新たに1,500万件のジェンダーに基づく暴力(GBV)が発生し、今後10年間で、児童婚が1,300万件増加する恐れがあると発表しています。

ベトナムのフーさん(18歳)は次の通り話します。
「新型コロナウイルス感染症の影響で、結婚した友だちが2人います。教育は、私たちの明るい未来のために必要なもの。でも、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行している現在、多くの女子は経済的な事情から結婚を選び、教育を受ける機会をあきらめざるを得ない状況にあるのです。」

他のアジアの国々でも同様に、少女たちは世帯の経済的困窮が原因で教育をあきらめて結婚を選択せざるを得ない状況にあります。

インドでは、国のホットライン(電話相談)に、ロックダウンを開始してから11日目までに9万2,000件の家庭内暴力に関する相談が寄せられました。これは新型コロナウイルス感染症流行前に比べ、50%増加しています。また、タイやバングラデシュ、シンガポール、マレーシアなどでも同様に家庭内暴力や虐待などが増加傾向にあると報告されています。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル アジア地域事務所代表ハッサン・ヌールは次のように訴えます。
「休校の影響を受けている世界中の15億人の子どもたちのうち約半数を、アジア太平洋地域の子どもたちが占めています。ロックダウンや移動制限の期間中、経済的に不安定な状況も重なり、養育者不在で生活する状況や、親などの養育者がストレスを抱える状況の中、特に少女たちが暴力や虐待のリスクにさらされる危険性が高まっています。また、学校再開後も復学できなくなる少女も多くいると予想されます。新型コロナウイルスによる休校と経済状況の悪化により、これまで成果をあげてきたアジア太平洋地域での児童婚をなくす取組みが水の泡になる可能性もあります。 国や地方行政は、この危機的状況の間、少女たちの権利を守り困難な状況を乗り超えるため、必要不可欠な社会的サービスの提供や最も脆弱な立場におかれた家族への経済的支援などを含む、あらゆる対策を講じる必要があります。」


報告書『Because We Matter: Addressing COVID-19 And Violence Against Girls in Asia-Pacific』(全文英語)はこちら

 

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