アドボカシー(公開日:2023.02.03)
【報告書】「もっと子どもの意見を聴いてほしい、意見をしっかり反映してほしい」子ども・ユースキャラバン2022
国連子どもの権利条約の中には、「子どもの権利」として、子どもは、自分に関わるすべてのことについて、意見を表明し、その意見が重視される権利(意見を聴かれる権利、第12条)があります。
2023年4月にこども家庭庁が発足することを踏まえ、セーブ・ザ・チルドレンは、2022年7月から12月にかけて、全国4ヶ所(青森県青森市・愛知県名古屋市・愛媛県松山市・沖縄県那覇市*)で、9才から18才までの子どもや若者が、子どもの権利やこども家庭庁の目的と役割について学び、子ども政策に関わっている政策決定者と意見交換を行うイベントを行いました。
*那覇市については、「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」に参加する団体として企画・運営
4回のキャラバンを通して、100人を超える子ども・若者の皆さんから多くの意見を聴かせていただきました。また、40人を超える政策決定者の方々からも、さまざまな感想や今後に向けた発言がありました。
今回、キャラバンに参加した子ども・政策決定者・ファシリテーターから出た意見のまとめと、皆さんの意見を基にセーブ・ザ・チルドレンが作った提言を発表します。
★報告書には、詳しい内容をまとめたもの(27ページ)と、子どもにやさしいバージョン(15ページ)があります★
イベントで寄せられた子どもたち・政策決定者の声を通して、以下のようなことが明らかとなりました。
(子どもにやさしいバージョンより)
【子どもにとって、大人の聴く姿勢と意見を聴いたあとの大人からの反応・説明が重要であること】
子どもたちと政策決定者の話し合いでは、相談をしても大人からの反応や、自分の意見がどう扱われたかの説明がないと子どもは失望して意見を言うことをあきらめてしまうということや、子どもと大人の対話が重要だという意見が多く聞かれました。
【意見表明権について知ることで、子どもはより話しやすいと感じられること】
子どもには意見を言う権利があることを知ったことによって、ほとんどの子どもたちが大人に対して話しやすくなったと回答しました。
【子どもがこども家庭庁に期待することは多岐に渡ること】
子どもたちがこども家庭庁に期待するのは、子どもの意見をしっかり聴くこと、意見表明ができる仕組みや機会を増やすことでした。また、モヤモヤの議論であがったいじめや虐待、学校での悩み、学校以外の選択肢、経済支援、ヤングケアラーなどの課題への対策を期待する声も聞かれました。
【政策決定者にとっては、意見を聴く姿勢についての事前説明が役に立つこと】
政策決定者からは、「意見を聴く姿勢について事前の説明があってよかった」、「「〜なのにすごいね」というような無意識な声掛けが、子どもたちへはネガティブになり得るということに驚いた」という声が多く寄せられました。
今年4月からこども基本法に基づく子ども施策の策定などへ子どもの意見が反映される取り組みが始まります。
私たちは、キャラバンを通して寄せられた子どもや若者の声を基に、子どもの意見が尊重・反映される意義ある子ども参加の仕組みづくりや、大人が子どもの声を聞く際の望ましい姿勢、さらには、今後子ども参加に取り組む自治体に向けた、子どもの権利に則った指針の作成などについて、引き続き行政や議員、社会に訴えていきます。
本報告書の内容について感想やご質問などがありましたら、下記の【お問い合わせ】までご連絡ください。
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公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー部(担当:山内、武田)
メールアドレス:japan.advocacy@savethechildren.org
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