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アドボカシー
(公開日:2011.11.11)

【EVERY ONE】11月12日は「世界肺炎デー」、新報告書で「コミュニティ・ヘルスワーカーが子どもを肺炎から守る」と発表(2011.11.11)

 

セーブ・ザ・チルドレンは1112日の「世界肺炎デー」を迎えるにあたり、本日、「ランセット・メディカル・ジャーナル」において新たに報告書を公表し、地域で活動するコミュニティ・ヘルスワーカーが肺炎に感染した子どもを治療した場合の有効性に関する調査結果を発表しました。

現在、セーブ・ザ・チルドレンは世界125以上の団体が参加する「子どもの肺炎に対する世界連合」と協力し「世界肺炎デー」に向けて、子どもの肺炎による死をなくそうと呼びかけています。世界では毎年約140万人の子どもたちが肺炎により5歳の誕生日を迎えることなく亡くなっており、そのほとんどが発展途上国で発生しています。肺炎は世界の子どもの死亡原因第一位になっており、今こそ子どもを肺炎から守る対策が求められています。

報告書では、調査対象となったパキスタンのある地域で、コミュニティ・ヘルスワーカーが肺炎に感染した子どもたちを訪問し、抗生物質を投与した結果、調査対象の実に91%の子どもが回復したと報告されています。

パキスタンは医療従事者の不足に悩む低所得国の中で近年増えている、子どもと妊産婦の健康推進に地域に密着したコミュニティ・ヘルスワーカーの活用を目指す国の一つであり、コミュニティ・ヘルスワーカーの存在が、子どもの肺炎治療に大きく貢献しています。現在、パキスタン政府は「女性ヘルスワーカー・プログラム(Lady Health Workers、以下LHWs)」を掲げて、コミュニティ・ヘルスワーカーを育成・配置しています。LHWsでは、ヘルスワーカーは数カ月にわたる研修と指導を受け、国から提供された抗生物質や基本的な医療器具などを持って毎月150から200ほどの家庭を訪問し、住民の基礎的な保健医療を担っています。

セーブ・ザ・チルドレンのグローバルキャンペーン ディレクターであるパトリック・ワットは次のように語っています。「肺炎は安価な抗生物質ですぐに治療することができる病気ですが、未だに子どもたちの死亡原因第一位になっています。今回の調査結果により、コミュニティ・ヘルスワーカーの存在が、肺炎から子どもの命を守るのに貢献することがわかりました。最前線で働くコミュニティ・ヘルスワーカーを育て、支援していくことが、子どもの肺炎による死をなくす重要な柱となるのです。」

同報告書では、肺炎の治療が普及しにくい背景として、医療施設までの距離、交通手段の確保、コストなどが医療にアクセスする際の障壁になっており、とりわけ世界中の何百万におよぶ貧しい家族が医療を受けることができていないと報告されています。肺炎は比較的簡単に治療ができる病気であり、医療へのアクセスがないという理由で尊い子どもたちの命が奪われることは決して容認できることではありません。

国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限まであと4年。MDGs4番目の目標である「乳幼児死亡率の削減」を達成するためには、2007年から2015年の間に毎年9%の乳幼児死亡率の削減が必要ですが、現在達成できているのはわずか1.8%であり、国際社会は子どもの生存に向けた取り組みをより一層加速させなければなりません。「保健と開発に関する共同調査イニシアティブ(Joint Initiative on Health Resources for Health and Development)」によると、同目標の達成には新たに400万人の医師と看護師が必要ですが、この不足を補うのが比較的短期間で養成できるヘルスワーカーの存在であり、その存在はMDGsの達成には不可欠です。セーブ・ザ・チルドレンは今回の調査報告に基づき、引き続きヘルスワーカーの拡充を呼びかけていきます。  

写真:肺炎について診断するため、ヘルスワーカーが呼吸を確認中(上)/

ヘルスワーカーのナシーム・ビビさん。ウサマ君(1)の肺炎を治療中()

(c) Save the Children 

報告書「Community case management of severe pneumonia with oral amoxicillin in children aged 2-59 months in Haripur district, Pakistan: a cluster randomised trial(英文要約のみ)

* 本キャンペーンのウェブサイトにアクセスして頂くと、FacebookやTwitterでアイコンとして使えるオリジナルプロフィールが作成できます。皆様の「世界肺炎デー」へのご理解・ご賛同をお願いします。

Website: http://twibbon.com/cause/World-Pneumonia-Day-2011

えぶりまんオリジナルプロフィール


  




   

      





 

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