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アドボカシー
(公開日:2021.11.24)

【ベラルーシ】国境危機―EU公約の真価が問われるとき

 
欧州を目指す多くの難民や移民が、欧州連動(EU)と国境を接するベラルーシに来ています。セーブ・ザ・チルドレンは、国際移住機関(IOM)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によりベラルーシ側の移民の移動が許可されたことを受け、EUが原則を守り、ポーランドとベラルーシ国境での危機に終止符を打つよう求めています。

ここ数週間で、状況はますます悪化しています。危機の発生以来、ベラルーシとポーランドのそれぞれの側で少なくとも11人が死亡したと報道されており、その中には子どもも2人含まれます。セーブ・ザ・チルドレンはこの事態を強く非難し、「冬が近づくにつれ、凍えるような状況では病気になる人や死亡者が増える危険性がある」と警鐘を鳴らします。


EUはベラルーシへの制裁を強化していますが、この状況に人道的にどう対処するかや、EUへの入国を希望する人たちの入国許可については、ほとんど議論されていません。ポーランドは、ベラルーシ側からの違法な入国を防ぐために、コンクリートの壁の建設を始めており、EUはその資金援助を検討する意向を示しています。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長インゲル・アッシンは次のように述べています。
「EUとポーランドは、国境で足止めされている子どもを含む多くの人たちの命を守ることができます。ベラルーシによる移民や庇護希望者に壁をつくったり高圧放水砲を使って押し戻そうとする卑劣な行為は、許されるものではありません。ポーランドとEUが高い道義性を示すためには、国境にいる人々を受け入れ、人道支援団体が支援を実施できる状況にすることです。

EUは人道支援の提供で世界的に高い評価を得ていますが、今回の危機はそのことに深刻な疑問を投げかけています。EUは資金を拠出するだけの人道主義者なのか、それとも状況にかかわらず困難な状況に置かれた人々を支援するために真に尽力しているのかーが問われています。

EUの国境で足止めされている子どもたちは、空腹や寒さ、そして先の見えない不安に直面しています。子どもたちを守るためには、まず欧州の地への入国を許可する必要があります。そして、ポーランドに対して、セーブ・ザ・チルドレンのような人道支援団体が、子どもたちや家族に食料や避難所などを提供する支援活動を、制約なく自由に行えるようにすることを求めます。」



 

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