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アドボカシー
(公開日:2022.11.09)

【報告書】 3人に1人の子どもが、高い気候リスクと深刻な貧困の二重の危機に直面している

 
セーブ・ザ・チルドレンは、気候危機と不平等に関する最新の報告書『ジェネレーションホープ:世界の気候と不平等の危機を終わらせる24億の理由(Generation Hope: 2.4 billion reasons to end the global climate and inequality crisis)』を発表し、世界で推定7億7,400万人の子どもたち(世界の子どもの3人に1人)が、貧困と高い気候危機のリスクという2つの影響を受けながら生活していることを明らかにしました。


この二重の影響を受けている子どもの割合が最も高い国は、南スーダン(87%)、次いで中央アフリカ共和国(85%)、モザンビーク(80%)です。

私たちは、この報告書をブリュッセル自由大学とともに執筆しました。この報告書では、80%の子どもたちが年に少なくとも1回は異常気象の影響を受けていると推測しています。そうした子どもたちの中には、同時に貧困にも直面し、異常気象の影響から身を守り、生活を再建することなどが非常に厳しい状況に置かれている子どもたちがいることも明らかにされています。

 加えて、報告書では、貧困の状態にあり、気候危機の影響を受けている子どもの人数が最も多い国はインドで、あわせて2億2,300万人にのぼることを明らかにしました。その次に多い国々は、ナイジェリアで5,800万人、エチオピアで3,600万人となっています。

また、気候変動問題の高いリスクと貧困という二重の危機下にある1億2,100万人の子どもたちは、高所得国に暮らしており、そのうち2,800万人は世界で最も裕福な国々で生活しています。そして、そうした状況にある5人に2人以上(1,230万人)が、アメリカまたはイギリスに住んでいます。

そして、全世界で1億8,300万人の子どもたちが、高い気候変動問題のリスクと貧困、紛争という3つの影響に晒されています。そのうち、ブルンジ(63%)、アフガニスタン(55%)、および中央アフリカ共和国(41%)の子どもたちが、最も深刻な影響を受けています。

セーブ・ザ・チルドレンは、気候危機と不平等の危機は、他のリスクを増幅させ、子どもたちと地域社会のレジリエンス(災害や紛争などの外部からのショックから回復する力)を損なわせると警鐘を鳴らします。この問題に早急に対応しなければ、今後数年間のうちに、人道危機や経済危機の頻度と深刻度が増すと考えられます。

2022年5月から8月にかけて行われた大規模な調査により、セーブ・ザ・チルドレンが5万4,000人の子どもたちから聞き取った意見などをもとに導き出した結果では、こうした複数の重なり合う危機は、82ヶ国で3億4,500万人が直面する極度の食料不足や、栄養不良、家計の悪化と強い関連性があることを示しています。

報告書は、世界各地に暮らす子どもたちやその家族が、今世紀最悪の飢餓の危機に直面しているなかで、貧困や紛争、気候危機、経済危機が複雑に絡み合い、人々の命にかかわる影響を及ぼし、新型コロナウイルス感染症の大流行の余波やウクライナ危機が、食料価格と生活費のさらなる高騰をもたらしている現状を世界に訴えるために発表されました。

いま、世界5ヶ国で100万人が飢饉のリスクに直面しており、4秒に1人が飢餓で命を落としているとされています。

■報告書全文(英語)はこちら
■報告書概要(日本語)はこちら

 

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