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アドボカシー
(公開日:2020.06.26)

新型コロナウイルス感染症からアフリカの子どもたちを守るために

 
世界中のほぼすべての国々で、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大しており、アフリカ各国も例外ではありません。アフリカにおける新型コロナウイルス感染者数は30万人を超え(6月25日現在*1)、流行が加速していると世界保健機関(WHO)も警鐘を鳴らしています。今後、社会や経済に長期的な影響を及ぼすことが予測され、子どもたちの権利や健やかな成長(wellbeing)が脅かされるとの懸念が強まっています。


6月8日にセーブ・ザ・チルドレンが発表した、新型コロナウイルス感染症がアフリカの子どもたちに及ぼす影響をまとめた報告書『COVID-19 IMPACTS ON AFRICAN CHILDREN - HOW TO PROTECT-A-GENERATION AT RISK-』では、子どもたちに対するリスクを次のように明らかにしています。

【新型コロナウイルス感染症による、アフリカの子どもたちへの5つのリスク】

(1)もともと資金や設備が不十分なアフリカの保健医療サービスに混乱をもたらし、子どもたちの病気や、予防可能・治療可能な病気による死亡者が増える。

(2)感染拡大防止のための休校措置により、子どもたち、特に少女の教育の機会が奪われ、給食サービスの停止で栄養不良に陥るリスクが高まる。また家にいる時間が長くなることで、家庭内暴力や性的搾取などの危険性が高まる。

(3)経済活動の停滞による家計のひっ迫や、社会活動の停滞による食料不足によって、子どもたちが飢餓や深刻な栄養不良に陥る危険性が高まる。

(4)ストリートチルドレンや紛争を逃れて難民となっている子どもたちは、公的な保健医療サービスや社会保障制度を十分に利用できない、また、教育を受ける機会を失う可能性がより高くなり、これまで以上に困難な状況に置かれる。

(5)社会全体の経済成長が停滞し、貧困削減や乳児死亡率の減少など、これまでの開発が後退する。

こうした状況に対し、アフリカ各国の政府はすでに、迅速かつ断固たるリーダーシップを発揮し、対策を進めています。今後も新型コロナウイルス感染症の影響下において、子どもの権利を保障し、特に少女や難民の子どもたちなど最も困難な状況にある人々を守るための社会保障制度や政策を、子どもたちの意見を反映しながら実施することが求められます。


(セーブ・ザ・チルドレンの移動図書館から借りた本を読むナシールさん)

エチオピアの小学4年生ナシールさん(12歳)は次の通り話します。
「学校の友だちに会いたいです。何度も友だちのことを考えます。新型コロナウイルス感染症が流行する前、学校がある日は給食を食べることができました。でも、今は学校がないので給食も無いため、またすぐに給食が始まって欲しいです。

手を洗わなければいけないことを知っていますが、ここでは水がとても不足し、石けんを手に入れることも、とても難しいです。村の子どもたちを代表してお願いします。私たちが衛生環境を保ち、ウイルスから身を守れるよう、安全な水と石けんをください。私は、ただウイルスが消え、学校が再開することを望んでいます。」

ナシールさんは、新型コロナウイルス感染症の影響で学校に通えなくなってしまいましたが、セーブ・ザ・チルドレンが実施する移動図書館から本を借りて読み、読書や学習を家で続けています。ナシールさんの夢は、勉強をして、いつかエンジニアになり、家族を支えることです。

アフリカの子どもたち、特に最も脆弱な立場に置かれた子どもたちの権利を守り、これ以上貧困の連鎖に陥らないよう、子どもたちが必要とする支援を、新型コロナウイルス感染症対策に迅速に組み込むことは、アフリカ各国政府の責務です。そして、日本を含む国際社会がそれを支援することが求められています。

[1] https://africacdc.org/covid-19(6月25日閲覧)

報告書概要(日本語)はこちら
子どもたちの声(日本語)はこちら
報告書全文(英語)はこちら
PROTECT A GENERATION 新型コロナウイルス感染症からこの世代を守るための5つの活動分野

 

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