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アドボカシー
(公開日:2018.07.17)

セミナー「SDGs時代のビジネスと子どもの権利の推進」を開催

 

73日、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンとの共催により、企業を対象としたセミナー「SDGs時代のビジネスと子どもの権利の推進」を開催しました。


セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、日本ユニセフ協会とともに、2014 年に「子どもの権利とビジネス原則(CRBP)」を発表し、ビジネスにおける子どもの権利の尊重と推進に取り組んできました。今回のセミナーは、子どもの権利を守るために企業が果たすべき社会的責任や、子どもの権利を推進する企業活動について、参加者である企業関係者と共に考える機会となりました。

「子どもの権利とビジネス原則(CRBP)」の詳細については、こちらご確認ください。

セミナーの前半では、セーブ・ザ・チルドレン・スウェーデンがCRBPの推進をめざして北京に設立した社会企業「子どもの権利とCSRセンター(CCRCSR)」の事務局長イネス・ケンプファー氏と、CSRの先進的な取り組みを行っているユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社の伊藤征慶氏が講演を行いました。

ケンプファー氏は、アジアにおけるビジネスと子どもの権利に関する具体的な取り組みを紹介。中国やマレーシアにおいて、移民労働者である親が家を長期間不在にし、子どもと離れて暮らしている事例を取り上げ、子どもの心身の健康に悪影響が及ぼされていることを指摘しました。CCRCSRは、この課題に対し、子どもと離れていてもコミュニケーションをとることを労働者の親に啓発する取り組みや、職場に子どもが滞在できる施設を整備する取り組みを行っています。講演を通じ、子どもの権利を保護するためには、企業活動を通した推進が必要不可欠であるという、強いメッセージが発せられました。


伊藤氏からは、広告やマーケティングによって子どもの権利を尊重・推進するユニリーバ独自の取り組みについて発表がありました。ユニリーバは、社会的責任を果たすための自社基準を設定し、6歳未満を対象とした食品と飲料のマーケティングはしないなど、子ども向けの広告に関して厳しい基準を設定しているほか、商品のブランディングを通じて社会課題の解決に取り組んでおり、企業による具体的な取り組みについて、理解を深める契機となりました。

後半は、FTSE Russellアジア・パシフィックの岸上有沙氏による、ESG投資の観点から見た子どもの権利についての発表の後に、それまでの発表をふまえたパネルディスカッションと質疑応答を行いました。

近年、社会課題に対する問題意識の高まりに伴い、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮している企業に優先的に投資する「ESG投資」が注目されています。岸上氏は、ESGに取り組む企業の情報を投資家に提供する立場から、ESG投資と起業の評価基準や、CRBPとの関連性について紹介。児童労働の根絶などサプライチェーンにおける子どもの権利の重視はもちろん、今後は本業を生かして子どもの権利に貢献することが、企業の評価対象となることが報告されました。

ロイドレジスタージャパン株式会社の冨田秀美氏がモデレーターを務めたパネルディスカッションでは、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの千賀邦夫事務局長を加え、これまでの登壇者と共に、SDGs時代の子どもの権利の尊重と推進に関して活発な議論が交わされました。このセッションでは、特にCRBPの推進と企業価値の向上に焦点があてられました。企業の社会的責任が近年ますます重視されていることから、CRBPを推進することは、企業と消費者、投資家、従業員との信頼関係の構築にも繋がります。さらに、どの企業にとっても子どもたちは未来の消費者や各企業の社員となる可能性があり、次世代に投資することで、持続的な成長の基盤を構築できることが強調されました。

以上のセミナーを終えて、参加者からは「これからSDGsの実現や実践において、5年後、10年後の大人である今の子どもたちの存在の大切さというのも今回のセミナーで喚起された」、「先進企業だけでなく、中小企業含め、これらの取り組みが広がるとよい」、「社会的な活動としてのみならず、企業にとってもメリットのある具体的な事例の紹介がよかった。自社での活動につなげる多くのヒントがもらえたように思う」等、前向きなコメントが寄せられました。

今後もセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どもの権利の尊重・推進に関する知見を共有し、CRBPの実践に向けた企業との関わりをより一層強めて活動を行っていきます。


 

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