アドボカシー(公開日:2015.06.08)
「子どもの権利とビジネス原則」の第1回勉強会を開催
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、2015年4月24日に「子どもの権利とビジネス原則」(CRBP: Children’s Rights and Business Principles )の第1回勉強会を開催しました。
海外での子どもの権利を尊重したマーケティングの事例紹介
今回の勉強会では「子どもの権利からイノーベーションを生み出す」をテーマに、10の原則の中から「原則5:製品とサービスの安全性を確保し、それらを通じて子どもの権利を促進するよう努める」と、「原則6:子どもの権利を尊重し、推進するようなマーケティングや広告活動を行う」の2つの原則を取り上げました。
当日は、ファシリテーターとしてフューチャセッションズの野村恭彦氏、製品の安全性における専門家の田近秀子氏、そしてアドバイザーとして冨田秀実氏をお迎えし、勉強会を実施しました。企業からの参加者に加え、SCJのスタッフも参加し、24名がCRBPに関する理解を深め、様々なアイデアを共有しました。
国内での子どもの安全性を考慮した製品の重要性を語る田近氏
CRBP は企業が子どもの権利に負の影響を与えないことにとどまらず、事業活動などを通じて積極的に子どもの権利を推進できることを強調しています。人権デューディリジェンスやCSRにおいては、人権リスクの削減を通した「尊重」か、課題解決型ソリューションビジネスといった「推進」か、どちらか一方のアプローチを採用することにとらわれがちでしたが、今求められているのは、両方の側面からの対応です。
勉強会では、子どもに対する安全性を考慮した製品開発で保護者や子どもから評価される国内企業の製品や、子どもの権利を推進した商品やマーケティング手法などが共有されました。
CRBPは企業が「子どもの権利」の視点を持ちながら活動をするためのガイドラインですが、ワークショップでは、概念点的な「原則」に対する実践の手法を考えるための手掛かりとして、「子どもの権利条約」を活用しました。子どもの権利条約の各条項に関連するビジネスの影響を議論することで、企業が取り組むことのできる多様なアクションプランが出されました。
”お気に入り”の子どもの権利条約と企業との結びつきを話す参加者
例えば、子どもの権利条約の17条で、子どもは適切な情報を手に入れ、よくない情報からは守られる権利を持っていることが定められていますが、ネットワーク通信が発達する現代社会では、ネットメディアを通じて子どもに負の影響を与えるような情報が容易に入手できてしまうという課題への対処が必要です。また、子どもに情報を提供するという点において、食べ物の安全性や栄養に関する情報を保護者や子どもへの食育を通じて開示するという案も出ました。
子どもの権利を尊重・推進するためにこれからできることを共有する富田氏
アニメや広告は、固定観念にとらわれたイメージを子どもたちに植え付け、多様な家族の形や個性が尊重されない状況を生みだすのではないかという懸念も挙がり、もっと多様性が反映されるべきではないかという意見もありました。
私たちの生活の中には、多様な情報と製品があふれています。その中で、価値のあるメッセージや理念を伝えるということは、子どもの権利の推進のために企業ができることのひとつです。SCJは今後も国際的な動きを踏まえ、日本において子どもたちが抱える課題を考慮しながら、CRBPの勉強会を継続して行う予定です。
子どもの権利とビジネス担当:森本 美紀
海外での子どもの権利を尊重したマーケティングの事例紹介
今回の勉強会では「子どもの権利からイノーベーションを生み出す」をテーマに、10の原則の中から「原則5:製品とサービスの安全性を確保し、それらを通じて子どもの権利を促進するよう努める」と、「原則6:子どもの権利を尊重し、推進するようなマーケティングや広告活動を行う」の2つの原則を取り上げました。
当日は、ファシリテーターとしてフューチャセッションズの野村恭彦氏、製品の安全性における専門家の田近秀子氏、そしてアドバイザーとして冨田秀実氏をお迎えし、勉強会を実施しました。企業からの参加者に加え、SCJのスタッフも参加し、24名がCRBPに関する理解を深め、様々なアイデアを共有しました。
国内での子どもの安全性を考慮した製品の重要性を語る田近氏
CRBP は企業が子どもの権利に負の影響を与えないことにとどまらず、事業活動などを通じて積極的に子どもの権利を推進できることを強調しています。人権デューディリジェンスやCSRにおいては、人権リスクの削減を通した「尊重」か、課題解決型ソリューションビジネスといった「推進」か、どちらか一方のアプローチを採用することにとらわれがちでしたが、今求められているのは、両方の側面からの対応です。
勉強会では、子どもに対する安全性を考慮した製品開発で保護者や子どもから評価される国内企業の製品や、子どもの権利を推進した商品やマーケティング手法などが共有されました。
CRBPは企業が「子どもの権利」の視点を持ちながら活動をするためのガイドラインですが、ワークショップでは、概念点的な「原則」に対する実践の手法を考えるための手掛かりとして、「子どもの権利条約」を活用しました。子どもの権利条約の各条項に関連するビジネスの影響を議論することで、企業が取り組むことのできる多様なアクションプランが出されました。
”お気に入り”の子どもの権利条約と企業との結びつきを話す参加者
例えば、子どもの権利条約の17条で、子どもは適切な情報を手に入れ、よくない情報からは守られる権利を持っていることが定められていますが、ネットワーク通信が発達する現代社会では、ネットメディアを通じて子どもに負の影響を与えるような情報が容易に入手できてしまうという課題への対処が必要です。また、子どもに情報を提供するという点において、食べ物の安全性や栄養に関する情報を保護者や子どもへの食育を通じて開示するという案も出ました。
子どもの権利を尊重・推進するためにこれからできることを共有する富田氏
アニメや広告は、固定観念にとらわれたイメージを子どもたちに植え付け、多様な家族の形や個性が尊重されない状況を生みだすのではないかという懸念も挙がり、もっと多様性が反映されるべきではないかという意見もありました。
私たちの生活の中には、多様な情報と製品があふれています。その中で、価値のあるメッセージや理念を伝えるということは、子どもの権利の推進のために企業ができることのひとつです。SCJは今後も国際的な動きを踏まえ、日本において子どもたちが抱える課題を考慮しながら、CRBPの勉強会を継続して行う予定です。
子どもの権利とビジネス担当:森本 美紀