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アドボカシー
(公開日:2019.09.11)

紛争下の子ども2,400万人以上がメンタルヘルスへの支援必要

 
セーブ・ザ・チルドレンは、9月17日から開催される国連総会に先立ち、紛争下の子どもたちのメンタルヘルスに関する最新のレポート『回復への道−紛争下の子どもたちのメンタルヘルスの課題に対応するために(Road to Recovery- Responding to children’s mental health in conflict)』を発表しました。レポートでは、紛争地や難民として生活する子どもたちへのメンタルヘルスへの支援が必要であると指摘しています。


今年2月に発表された調査によると、1億4,200万人もの子どもたちが紛争下に暮らし、そのうち戦闘に関連した死者数は年間1,000人以上にのぼります[i]。紛争地域に住んでいる、もしくは紛争地域から避難した人々のほぼ5人に1人がメンタルヘルスに関する支援を必要とし、5%が重度のメンタルヘルスの不調に陥る可能性が高いと推定されています[ii]。セーブ・ザ・チルドレンが、この割合を基に子どもに特化して試算したところ、紛争下に暮らす2,400万人以上の子どもたちが、メンタルヘルスへの支援を必要としていると考えられます。

極度のストレス下にあった子どもは、適切な支援が得られないと、仲間や家族に対し攻撃的になったり、殻に閉じこもったりなど、認知発達や感情の抑制面で生涯にわたる影響が生じることがあり、精神面だけでなく肉体面にも影響が及び続けることもあります。紛争下の子どもたちは元来有するレジリエンス(回復する力)も持っており、適切な支援によって困難から回復することも可能です。

セーブ・ザ・チルドレンの分析では、2015年から2017年の各国の政府開発援助(ODA)で、子どものメンタルヘルス支援に充てられたのはわずか0.14%で、紛争下の子どもたちのメンタルヘルスへの支援は、全く不十分と言えます[iii]。セーブ・ザ・チルドレンは、今月17日から始まる国連総会に参加するすべての国と関係者に対し、子どもたちを守る国際的なルールや規範の支持と、紛争下の子どもたちのメンタルヘルスの回復のための活動へさらなる資金拠出を行うことを強く訴えます。さらに、私たちはグローバル・キャンペーン「#この手で止める Stop the War on Children」を通じて、学校の安全や人口密集地域での爆発性武器の使用禁止、子どもに対する権利侵害の罪の責任追及、および紛争の恐怖からの回復を支援する新たな方法を求める活動を展開しています。
■報告書の全文(英語)はこちら
■報告書の全文(抄訳)はこちら 
[i] Otsby et al (2018) Children Affected by Armed Conflict, 1990–2017, PRIO.
[ii] Charlson, F, van Ommeren, M, Flaxman, A, Cornett, J, Whiteford, H and Saxena S, ‘New WHO prevalence estimates of mental disorders in conflict settings: a systematic review and meta-analysis’, The Lancet, 11 June 2019, https://www.thelancet.com/action/showPdf?pii=S0140-6736%2819%2930934-1.
[iii] Save the Children analysis of OECD Creditor Reporting System data of funding allocated to child and family focussed MHPSS 2015–17.

 

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