アドボカシー(公開日:2019.06.05)
「学校保護宣言」に関する第3回国際会議が開催され、支持を示す国が国連加盟国の約半数、90ヶ国に
セーブ・ザ・チルドレンは、「学校保護宣言*」への各国政府の支持に向けたアドボカシー活動を行っていますが、5月27日から29日の3日間、同宣言に関する第3回国際会議(The Third International Conference on Safe Schools)が、スペインのマヨルカ島で開催されました。
この会議は、アルゼンチン・ノルウェー両政府とセーブ・ザ・チルドレンが創設に関わり、また、セーブ・ザ・チルドレンが共同議長も務めている「教育を攻撃から守るための世界連合(GCPEA:The Global Coalition to Protect Education from Attack)」の支援を受け、スペイン政府によって開催されたものです。
学校を攻撃や軍事利用から守ることを目的につくられた「学校保護宣言」と「武装紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン**」は、今年で策定から4年を迎えます。同会議の主な目的は、これらの国際的なガイドラインの実施状況を把握することです。
会議には、およそ100ヶ国からの政府代表者をはじめとして、国際赤十字委員会、国際刑事裁判所、ユニセフを含む国連の各代表者、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ、国際NGOプラン・インターナショナルなどの武力紛争から教育を守るために活動する関係者が一堂に会し、「学校保護宣言」の意義に関する議論や、各国の取り組みの状況共有を行いました。
さらに、会議では、紛争の影響を受けた6ヶ国の子どもたちの声を集めた動画も共有されました。動画を通し、パレスチナ自治区で紛争を経験したマージさんは、「『ガイドライン』について学び、恐怖を克服する方法を知り、人生が変わった」と話しました。
また、ウクライナのレーラさんは、「学校は安全な場所であるべきで、子どもたちは恐怖から解放されるべきだ」と語り、ニジェールのマハマドゥさんは、「子どもが紛争活動に巻き込まれないこと、学校が戦場にならないこと、そして学校が軍事拠点とならないこと」を訴えました。
(動画は英語です)
今回の会議では、ガンビア、グアテマラ、ニカラグアが新たに「学校保護宣言」への支持を示し、同宣言を支持する国の総数は90となりました。そして、ウクライナも現在支持に向けて手続きを進めています。
国連加盟国の約半数が支持を表明する中、残念ながら日本は未だ支持をしておらず、今回の会議にも日本政府関係者の出席はありませんでした。世界のすべての子どもたちが紛争の脅威から守られ、安全な環境で教育を受けられるよう、日本も早急に 「学校保護宣言」への支持を示すことが、国際社会から求められています。日本の「学校保護宣言」の支持に向け、引き続き皆さまからのご支援・ご協力をお願いいたします。
■「学校保護宣言」に関する過去の活動について、下記のブログもぜひお読みください。
2018.11.28 「学校保護宣言」に関するセミナーを議員会館にて実施
2018.05.28 報告書『攻撃される教育 2018(Education under Attack 2018)』を発表
2018.04.23 学校を軍事利用から守る「学校保護宣言」に日本政府も調印を
2017.03.29 【ストップ!学校への攻撃】シリアでは3分の1の学校が紛争の被害を受けている〜紛争下であっても子どもたちに教育を〜
*「学校保護宣言」
**「武装紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン」