トップページ > スタッフブログ > アドボカシー > 【報告書】「子どもに対する戦争を止める:子どもたちに平和を」:紛争下の子どもへの重大な人権侵害が過去最悪の水準に

アドボカシー
(公開日:2023.12.20)

【報告書】「子どもに対する戦争を止める:子どもたちに平和を」:紛争下の子どもへの重大な人権侵害が過去最悪の水準に

 
セーブ・ザ・チルドレンは、紛争下の子どもに関する最新の報告書『子どもに対する戦争を止める:子どもたちに平和を(Stop the War on Children: Let Children live in Peace)』を発表しました。

国連が定める武力紛争下の子どもに対する6つの重大な人権侵害*1 の件数は2022年に13%増加し、2005年の報告書発表以来、最悪の水準にのぼり、2023年にはさらなる増加が予想されています。具体的には、2022年に、紛争下に暮らす子どもに対して2万7,638件の重大な人権侵害が行われ、そのうち最も多かったのは子どもの殺害と傷害行為(8,647件)でした。


しかし、今回の報告書で示されたそれぞれの人権侵害行為の件数は、氷山の一角であり、未報告や調査中のものもあります。紛争下で育つ子どもは、誰でもこのような人権侵害の危険にさらされる可能性があり、2022年の推計によると、6人に1人の子どもたちが、少なくとも1つの紛争から50キロ圏内に住んでいます。

セーブ・ザ・チルドレンは、紛争下の子どもたちに対する人権侵害の状況について、地域や時期、人権侵害の行為ごとにより詳細に伝えるために、新しいウェブサイト を立ち上げました。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長のインゲル・アッシンは、次のように訴えます。

「2022年の状況は凄惨ですが、子どもにとって世界最悪の避難の危機となっているスーダンでの紛争や、現在も空爆が続いているパレスチナ・ガザ地区での紛争のために、2023年には子どもに対する人権侵害は悪化の一途をたどると予想されます。

国際人道法や国際人権法をはじめとする規範は崩れつつあるといっても過言ではないでしょう。パレスチナ・ガザ地区では、100万人以上の子どもたちの命が危険に晒されています。そして、病院が戦場となり、食料や水の供給が途絶えるのを、目の当たりにしています。

こうした状況に置かれた子どもたちをあらゆる暴力から守るためにも、即時かつ、恒久的な停戦が必要です。」

セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、国際社会に対し、紛争の当事者に国際法を順守し、子どもたちを守るよう圧力をかけることを要請していきます。


 *1 6つの重大な権利侵害とは、1)子どもの殺害と傷害行為、2)子どもの軍への徴兵と利用、3)子どもに対する性的暴力、4)子どもの誘拐、5)学校や病院に対する攻撃、6)子どもに対する人道支援のアクセスの拒否、を指します。

 

あなたのご支援が子どもたちの未来を支えます

もっと見る

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的に年次報告書や会報誌をお送りしています。

1回から無理なくご支援いただけます。

PAGE TOP