アドボカシー(公開日:2013.10.09)
「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対するSCJコメント(2013.10.09)
当会は、子どもの権利条約の批准国である日本政府に対し、条約の4つの基本原則(差別の禁止、子どもの最善の利益、生命・生存・発達への権利、意見を聴かれる権利)がすべての子どもに保障されるよう、以下の事項について本基本方針の見直しをぜひご検討いただくようお願い申し上げます。
1.当事者である子どもたちの声の反映を
支援法14条にあるように、透明性の高い過程と十分な期間を設け、被災の当事者である子どもの意見を反映してください。また、保護者や教職員、保育士等、子どもと日々接する関係者から十分なヒアリングを行ってください。
2.子どもの遊び支援に関わる支援者支援の制度構築を
支援法8条の施策とする基本方針案3(5)については、中長期的に質の高い遊びの支援者が確保され、これらの人材のサポートがなされるよう、予算措置も含めた制度構築を明記してください。
3.子どもが低線量地で一定期間滞在する保養の機会の拡充を
支援法8条に対応する基本方針案3(4)、(5)については、自然体験だけでなく、心身の健康維持を目的とした低線量地での一定期間の保養プログラムの実施とその機会拡充のための施策を明記してください。
4.放射能情報への子どものアクセスの保障と放射能リテラシーの実施を
福島の子どもですら放射能に関する知識が十分にはなく、疑問を口にすることを躊躇する状況があります。支援法13条、18条に対応する基本方針として、放射線の情報への子どものアクセスの保障のための施策と、放射線に関する科学的な知識に基づいて、放射線リスクについて学び、自らの対処能力を高めるための放射能リテラシーの実施を明記してください。
5.差別をなくすための啓発活動の実施を
支援法18条を反映する基本方針4(4)には、差別をなくすための啓発活動の実施とそのための施策を明記してください。日本の子どもたちが、福島で起こった事実を学び、原発事故により直接・間接的に被災した子どもたちの立場を理解し、自らの生活にも直結する課題として向き合う教育は不可欠です。