アドボカシー(公開日:2022.11.18)
【各国首脳や代表へ】気候変動対策に向けた子どもたちの願い「星に願いを:気候危機時代におけるアジアの子どもたちの希望と要求」をぜひお読みください
「私の夢は非現実的なのでしょうか」
インドネシアのラーミさん(17歳)は、2018年の津波と地震、そして、インドネシアの中央に位置するスラウェシ島の海岸に毎年押し寄せる高潮の洪水で、家が壊されました。2年間の避難生活後、家族で新しい家に住むことができるようになりましたが、長い間隣り合って住んでいた近所の人たちや友だちとは離ればなれになりました。ラーミさんは学校の先生になる夢を持っていますが、お金がないため将来に不安を感じています。
「どう感じますか」
スリランカに住むグイドさん(12歳)は、サッカーが好きです。しかし、スリランカでは気温が42℃まで上がるため、午前10時から午後7時までは家の中にいなければなりません。また、モンスーンの時期には、雨で道路が浸水し、1年間学校に行くことができなかったこともあるそうです。皆さんは、自分が子どもだったらこの現実をどう感じますか。
気候変動対策に向けた子どもたちの声をまとめた電子書籍(E-book)『星に願いを(Wish Upon A Star):気候危機時代におけるアジアの子どもたちの希望と要求』を、ぜひお読みください。
この電子書籍は、COP27やG20が開催されるタイミングに発表され、9歳から17歳のアジアに暮らす子どもたちの、気候の緊急事態についてのメッセージやアート作品などが紹介されています。
日本からは、宮原万結子さん(作品制作時15歳)の「ともに生きる」、大西伯奈さん(作品制作時12歳)の「すべての生き物に愛を」の2つの作品が掲載されています。
※昨年実施した気候変動をテーマとしたアートコンテストについてはこちらをご参照ください。
その他の子どもたちの声もE-bookでぜひお読みください。
気候危機をはじめ、世界で起きている問題によって多くの子どもたちが影響を受け、将来の選択肢が少なくなっています。
11月20日は、国連によって定められた「世界こどもの日」ですが、世界の子どもたちは、いま、気候危機の大きな影響を受けています。世界では、80%の子どもたちが年に少なくとも1回は異常気象の影響を受けているとされています*。
貧困や紛争、新型コロナウイルス感染症は、子どもたちへの気候危機の影響をさらに大きくしています。
子どもたちは、気候危機を引き起こしたわけではありませんが、さまざまな形で影響を受けており、政策や対策の推進を求め、声を上げています。
しかし、その声は、各国首脳や代表といった世界のリーダーたちに届いていません。セーブ・ザ・チルドレンが、アジア地域の子どもたちとともに進める気候変動に関するレッドアラートキャンペーンで、国際運営委員会委員長を務めるリディマさん(インド・14歳)は、世界のリーダーに対して、「私たちの将来に影響する決定を下す際には、私たちのアイデアや提案、懸念を考慮する必要があります」と、強いメッセージを発信しています。
11月6日から18日にかけて、エジプトのシャルム・エル・シェイクで国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催され、また、15日と16日には、インドネシアのバリ島でG20 首脳会談が開催されました。
これらの2つの国際会議で、セーブ・ザ・チルドレンは、気候危機に緊急に取り組むこと、子どもたちに投資すること、子どもたちの声に耳を傾けることを改めて求めました。セーブ・ザ・チルドレンは、これからも子どもたちの声に耳を傾け、子どもたちの声が反映される社会を、子どもたちと共に目指していきます。
*報告書『ジェネレーションホープ:世界の気候と不平等の危機を終わらせる24億の理由(Generation Hope: 2.4 billion reasons to end the global climate and inequality crisis)』より
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