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アドボカシー
(公開日:2021.04.08)

SWOCユースチームがオンラインワークショップ「シリア危機から10年〜紛争下の子どものために日本のユースができること」を開催しました−Stop the War on Children (SWOC)ユースチームvol.7

 
※下記はStop the War on Childrenキャンペーンを国内で推進するユースチームによる発信です。

3月21日に、SWOCユースチーム*による3回目のワークショップがオンラインで開催され、高校生や海外からの参加者を含むユースや社会人など約30人が参加しました。


イベントでは、まず、ユースがシリア危機による子どもへの被害状況と教育の現状、また新型コロナウイルス感染症の影響とその支援について発表を行いました。具体的には、シリア危機の影響で3校に1校が損壊され、シリア国内の半数以上の子どもが教育の機会を奪われていること、またシリア国内の70%以上の医療従事者が国外へ避難を余儀なくされているため、国内の人々は治療を受けられないだけではなく、新型コロナウイルス感染症対策の物資が届けられても、未使用のまま残されているといった現状が共有されました。

ユースの発表後、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン海外事業部の福田さんより、これまでの中東地域における支援活動の経験から、支援を必要としている人の声を聴くことなど、支援における重要な点についての説明がありました。

続いて行われたグループディスカッションでは、各グループ6、7人のチームに分かれ、シリアの子どもやその保護者、そして国際NGOスタッフという3つのアクターが置かれた状況を想定し、それぞれのアクターが抱える課題や実施できると考える支援、シリアの子どもたちに向けて日本のユースにできることを考えました。

参加者はまず3つのアクターが抱える課題や必要だと思われる支援がそれぞれ異なることをディスカッションを通して理解しました。そのうえで、シリアの子どもに必要な支援として、シリアが今後より発展するためには学齢期の子どもだけでなく、就労する年代の子どもを支援していくことの重要性が指摘されました。保護者への支援に関しては親同士のつながりを作ることなどがあげられ、悩みを共有できるような場所づくりが重要であると指摘されました。さらにNGOはこうした支援のシステム構築、ソーシャルメディアや報道を通した情報の拡散といった役割を担うことができること、また情報の拡散はユースにもできることとして積極的に取り組んでいく必要があるといった意見が挙げられました。

イベント後の参加者アンケートでは、参加者全員からイベント全体に関して「よかった」「とてもよかった」との声があり、多くの方に満足していただくとともに、自分たちにできることを考えるきっかけとなるイベントになりました。



【企画運営に携わったSWOCユースチームメンバーのコメント】
今回のオンラインワークショップは、ユースからシリア危機について話すだけではなく、グループディスカッションを参加者の方々と一緒に行う参加型のものでした。同世代の方、そして社会人の方とお話するなかで、今までの自分が持てていなかった視点を知ることができ、自身にとっても学びの多いワークショップとなりました。今まで私たちが開催してきたイベントやSWOCユース内で行っている勉強会でもシリアについて学ぶ機会は多くありましたが、今回のワークショップの準備や参加者の方々との意見交流を通して、シリア危機に対する理解がさらに深まったように感じています。同時に、今の自分に何ができるのかが少し明確になりました。今後もこのユース活動を続け、少しでもシリアの子どもたちの力となれるようにがんばりたいです。
(国際基督教大学1年 R.A) 

今回のワークショップは私にとって、初めて何かを企画し実行する機会でしたが、振り返ってみると、正直自分のことで精一杯だったように思います。ワークショップを終えてまず頭に浮かんだのは、「準備段階も含めて自分の役割は果たせていたか」ということでした。しかし今は、教育の重要性やこのようなワークショップを開催する意味を再確認しています。なぜなら紛争下の子どもに対する支援として現在の自分にできることがあるならば、それはそのようなテーマにより多くのユースが関心を持つきっかけを作ることだと考えるからです。今回の企画を通して、今後自分が学びを深めていくと同時に、より広くユースにアプローチしていく方法をさらに考えていく必要があると改めて思いました。
(立教大学2年R. T)

今回は私にとってSWOCユースとして初めてのワークショップで、私はシリアの教育の現状をプレゼンする役を務めることになりました。プレゼンを行ううえで、私は「どうしたら参加者の皆さんにとって分かりやすく伝えられるか」「一番伝えたいことは何か」の2点に焦点を置いて準備を進めました。ワークショップ後のアンケートで、参加者の皆さんが印象に残ったプログラムとして、私が担当したプレゼンをあげてくださったので、とてもうれしかったです。このワークショップを通して、さまざまな考え方・施策を知ることができたので、それを今後のSWOCユースの活動にいかしていきたいと思います。
(立教大学1年A.M)

【活動報告執筆者からの後記】
今回のワークショップでの大きな気づきは、「支援はどのようにあるべきか、またその先に見据えるものは何か」という点です。支援についてより効果的な方法を考えるだけでなく、その前提として何のために支援をする必要があるのかをこの機会に改めて考えることができました。「アラブの春」が拡大し、2011年3月に始まったシリア危機は、今年で10年目を迎えますが、紛争下に生きる子どもたちが忘れ去られないように、改めて日本のユースがこのようなワークショップを行うことが重要だと考えます。シリアの方々は、紛争が起こる以前のような生活を望んでおり、今後は今回のワークショップで得た意見を参考に私たちユースができる支援を実行していきます。

(執筆:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー室インターン/SWOCユースチーム 野中正輝)

*SWOCユースチームとは
SWOCユースチームとは、2019年よりセーブ・ザ・チルドレンがグローバルに展開しているキャンペーン「STOP THE WAR ON CHILDREN(SWOC)下の子どもを守ろう」を国内で推進するため、2019年11月に発足したチームです。現在約20人の高校生、大学生などのユースが、「紛争下の子どもを守る」ことをテーマとした政策提言や社会啓発活動を行っています。

 

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